メイドインアビス

つくしあきひと / 著

隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っていた。アビスの不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていく。アビスの緑に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?幻想と機械が入り混じる大冒険活劇、第一巻!★単行本カバー下イラスト収録★

3行でわかるメイドインアビス

  • 1900年前に見つかった巨大な縦穴 「アビス」。その底に何があるのかを、人はまだ知らなかった

  • 探検家が築いたキャンプがベースになった大穴の周縁の街にある孤児院にリコは暮らしている

  • アビスに潜ったまま戻ってこない伝説の探検家の「母」。その母から届いた一枚の手紙。リコとあなたの怒濤の探検SFファンタジーは始まった!

作品概要

メイドインアビス』は、つくしあきひと先生によるファンタジー作品で、竹書房の「WEBコミックガンマ」にて不定期連載中です。2017年に1巻~4巻の内容が全13話でTVアニメ化されました。

また、アビス大好きの作家陣による『メイドインアビス 公式アンソロジー』も発売されています。

あらすじ

約1900年前、南海ベオルスカの孤島に巨大な縦穴が発見されました。直径約1000メートルにもなるその大穴の名は「アビス」。全てが踏み明かされた世界で、唯一の秘境でした。

しかし、アビスが発見されてから未だに、この大穴の底を見たものは誰もいません。いつしかアビスは一攫千金とロマンを求める多くの冒険家を呼び寄せ、巨大な大穴に挑む彼らはいつしか探窟家と呼ばれました。

アビスの縁に築かれた街・オースに暮らす探窟家見習いの少女リコは、アビスの探窟中に少年の姿をした不思議なロボットのレグと出会います。そんなある時、リコの母で探窟家のライザの封書がアビスの底から届きました。その中に「奈落の底で待つ」と書かれた紙を見つけたリコは、アビスの冒険と母への憧れを胸に、レグと共に二度と戻れない秘境への冒険へ旅立つことを決心するのでした。

アビスとは

約1900年前、南海ベオルスカの孤島にて発見された直径1000メートルにもなる巨大な縦穴です。深さは今でも分かっていません。アビスの中には謎の力場が存在して地上からの観測を阻んでおり、その秘境を調べるためには人が直接アビスに潜るしかありませんでした。

その為、アビスの表層にはそこを拠点とする探窟家が多く集まり、次第にオースと言う街が築かれていったと伝えられています。

アビスでは独特の環境と生態系が広がり、様々な原生生物が住みついています。また、人々の理を超えた不可思議な「遺物」の数々が発見され、奈落の果てには黄金郷が眠っていると言われています。

アビスの呪い

アビスには上昇負荷と呼ばれる原因不明の謎の現象が存在します。アビスの底から地上に向かって上昇すると、人に何らかの影響を与え、探窟家のアビスからの帰還を阻んでいます。
アビスの呪いと呼ばれるその現象はアビスの底に進むほど強くなり、特に深界七層から戻る際の負荷は「確実な死」と言われ、探窟家が人である以上この呪いから逃れる術はないと言われています。

・深界一層から地上
軽い眩暈と吐き気

・深界二層から一層
重い吐き気 頭痛 末端の痺れ

・深界三層から
これまでの負荷に加え 平衡感覚に異常 幻覚や幻聴

・深界四層から
全身に激痛 穴と言う穴から流血

・深界五層から
全感覚の喪失 それに伴う意識混濁 自傷行為

・深界六層から
人間性の喪失 もしくは死に至る

・深界七層から
確実な死

アビスに挑む探窟家と白笛

・探窟家と笛
アビスに挑む冒険家たちを「探窟家」と呼びます。彼らが首から下げる笛の色でランクと通称が付けられており、それぞれのランクごとにアビスに潜れる深度の制限「限界深度」が設けられています。

一層まで探窟可能な見習いの赤笛
二層まで探窟可能な一人前の蒼笛
四層まで探窟可能な師範代の月笛
深界五層まで探窟可能な達人の黒笛

そして探窟家の頂点にして限界を超えてアビスに挑む英雄を白笛呼びます。

・白笛
白笛は探窟家の中でも英雄と呼ばれて数々の伝説を残している存在で、彼らにはアビスに潜る際の深度制限がありません。奈落の星(ネザースター)と呼ばれており、それぞれを体現した異名で呼ばれています。物語の開始時点で分かっている白笛は5名です。

「殲滅郷」殲滅のライザ
「不動郷」動かざるオーゼン
「黎明郷」新しきボンドルド
「神秘郷」神秘のスラージョ
「先導郷」選ばれしワクナ

遺物

アビスの中で発見される不思議な人工物で、珍しく便利な遺物は高値で取引されています。遺物はそれぞれが魔法のような性質を持っており四級から一級、特級遺物に分類されています。特級遺物の存在は国同士のバランスに影響を与えるほどと言われています。

さらに、特級遺物以上に希少な価値の遺物は「奈落の至宝(オーバード)」と呼ばれています。

登場人物紹介

リコ

本作の主人公、12歳の探窟家見習の少女で金髪のツインテールで眼鏡をかけています。白笛である殲滅のライザの娘で母と同じ「白笛」を目指しています。料理が得意で、アビスの独特な生物を調理しその腕前をレグやナナチに振る舞っています。

アビスの探窟に対する情熱を人一倍持っており、自分がどんな状況に置かれていても探窟家としてどう行動するのが最善かを考えられる冷静さも持っています。アビスに関する事については知識が豊富で、頭の回転や物事の理解も速いのが特徴。ライザの封書を受け取り、奈落の底を目指します。

レグ

本作のもう一人の主人公、リコが深層第一層で出会ったロボットの少年。記憶喪失で自分が何者なのか、ロボットであることすら理解していませんでした。ライザの封書の中に書かれていた「謎の人影」に特徴が酷似しており、自分が何らかの理由で奈落の底から来た遺物ではないかと考えています。戦闘力が高く優しい性格だが、メンタルはやや弱い。深層二層の生存訓練でも「身体はめっぽう強いがしょっちゅうビビるし判断が遅い」と評価されていました。

ロボットなのでアビスの呪いを受けることはありません。口癖は「度し難い」。

ナナチ

深層四層でリコとレグが出会った「成れ果て」。ウサギのような耳と長い尻尾をもち、身体は全身がモフモフした体毛に覆われています。長く深層四層で生活している為、アビスの原生生物や環境に精通しており、状況判断も的確にこなします。また、薬学や医学的な知識にも明るく頼れる存在。口癖は「んなぁ~」。

オーゼン(動かざるオーゼン)

深界二層にある監視基地(シーカーキャンプ)を拠点にしている白笛。不動郷・動かずのオーゼンと呼ばれ、ライザの師匠にあたります。

ボンボルド(新しきボンボルド)

深界五層のにある前線基地(イドフロント)を拠点とする白笛。黎明郷・新しきボンドルドと呼ばれている科学者です。独特の仮面を被り、同様の仮面を被る探窟隊・祈手(アンブラハンズ)を従えています。アビスの謎を解き明かさんと、数々のアビス研究で革新的な成果をあげています。

ライザ(殲滅のライザ)

リコの母親で白笛の探窟家。殲滅郷・殲滅のライザと呼ばれ数々の伝説を残しています。リコが2歳の時に絶界行(ラストダイブ)を行い現在は消息不明扱いとなってます。長髪で、毛先がうねっている金髪がトレードマークです。

作品の魅力

緻密すぎるアビスの設定の数々

深界一層からリコたちとアビスの冒険を進めていくと、我々の想像を絶する未知の世界が広がっています。アビスの各深層の環境、そこに生きる数々の生物たち、形作られる特殊な生態系、それらの描写には作者であるつくしあきひと先生の細かい拘りを感じることが出来ます。実際に過去のインタビューでも、葉っぱの一枚一枚がどうなっているかまで考えていると発言されています。

アビスとはいったい何なのか、アビスに眠る謎の遺物、とある周期でオースを襲う謎の奇病など、アビスを軸に緻密に練り込まれたすべての設定にワクワクが止まりません!

二度と後戻りのできない冒険

『メイドインアビス』が他の冒険ファンタジーと大きく異なる要因として挙げられるのが、「アビスの呪い」ではないでしょうか。リコが目指すのは最深部、アビスの呪いによって二度と地上に戻ることが出来ないとされている場所です。作中では、そんな過酷なアビスの最深部へ行くことを「ゆるやかな自殺」と表現するシーンがあるほどです。

リコとレグのロマンを求める冒険は決して生易しいものではありません。これまで身に着けた知識と機転と判断力をもって懸命に1歩ずつ進んでいきます。幼い彼女たちが、残酷で無慈悲なアビスを命懸けで挑む本気の冒険だからこそ、我々読者は惹きつけられてしまうのではないでしょうか。

映画化情報

これまでに3作品の劇場版が公開されています。

・2019年
劇場版総集編【前編】メイドインアビス 旅立ちの夜明け

劇場版総集編【後編】メイドインアビス 放浪する黄昏

劇場版総集編の前後編は、2019年にTVアニメシリーズを再編集した作品です。

・2020年
劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」

「メイドインアビス 深き魂の黎明」ではナナチを加えた3人での深界第五層の冒険、そして黎明郷の異名を持つ白笛・ボンボルドとの出会い、単行本4巻から5巻までの内容が描かれました。

👉劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」公式サイト

アニメ化情報

2017年に単行本1巻~4巻序盤の内容が全13話でTVアニメ化されました。2020年にはファン待望のシリーズ続編制作が決定しています。詳細は明らかにされていませんが、リコ・レグ・ナナチの3人が深界第六層を望むイメージカットがPV内で公開されています。

これまでより過酷な冒険が待ち受ける深界第六層・還らずの都への「絶界行(ラストダイブ)」が描かれることになるのではないでしょうか。

作者情報

つくしあきひと先生

ゲーム会社のデザイナーを経てイラストレータ・マンガ家を目指されていました。前作の『スターストリングスより』という同人誌を電子版で発売したところ、Web雑誌『コミックガンマ』を立ち上げるタイミングだった当時の担当編集から声をかけられたことが本作の連載のきっかけとなっています。

つくしあきひと先生のTwitterで『スターストリングスより』をチェック!👇

👉つくしあきひと先生 公式Twitter

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