マンガでも小説でも、今のトレンドはなんといっても「異世界転生」もの!でも、SF初心者・転生初心者に皆さんには、そもそも「異世界(に)転生(しちゃう)」作品ってどんな感じなの?という方も少なく無いと思います。
よく見かける転生もの作品の設定を例にして説明すると、『現代で普通の生活をしていた主人公が、突如異世界に転生してしまい、現代で得ていた知識や転生時に神様からもらった能力を駆使して、主人公が無双しまくる』というのが王道のパターン。
ですが、今回紹介する「ライドンキング」は、王道の転生ものとは大きく異なるマンガになっているので、その魅力を思いっきり紹介させてもらいます!
ストレートに威力がある(これまでの転生ものが最高に面白い!)から、変化球も効いてくる(新たな切り口が効果的!)!!
主人公はいかつい大統領!?
「異世界転生」の主人公は読者目線に近い設定になっているマンガが多い中で、「ライドンキング」の主人公アレクサンドル・プルチノフは、プルジア共和国の終身大統領という読者目線とは程遠いキャラクター設定。
さらには習得した武術は数知れず、CQC(近接格闘)を駆使してトラックをも背負い投げして破壊するという、転生する前からすでにチート状態という異色の主人公なんです。
強さや権力をすでに持ち合わせているプルチノフですが、そんな彼には大好きなことがあるんです。
それは騎乗できるすべてを“乗りこなす”という行為。
プルチノフは騎乗できるほとんどを乗りこなしてしまい(国家すら乗りこなしてる)、彼の“騎乗欲”を満たしてくれる何かと見知らぬ大地で思う存分駆け巡るという夢を持ちながらも、日々の政務で休みもないのでほぼ諦めている状態でした。
ある日プルチノフはいつものように愛虎のテムルにまたがり、昼食会へ向かう途中にテロリストに襲撃を受けてしまいました。
すわっ絶体絶命!なんてことはありません。
テロリストはあっさりと処理したプルチノフですが、戦いの衝撃で崩れた自身の銅像に潰されて気絶してしまい、目が覚めたら見知らぬ洞窟の中に。
洞窟の先にある扉を開けて外に出てみると、そこには不思議な洋服を着た2人の少女が、見たことのない怪物と戦っている光景が目に飛び込んできたのです。
突然の光景に状況を把握できないプルチノフですが、少女が洞窟に逃げ込んできてしまったことで怪獣(ワイバーン)と鉢合わせになり戦闘をすることになってしまいます。
プルチノフはこの状況を、映画の撮影を装った暗殺だと勘違いし、ワイバーンに蹴りを食らわせたりドラゴンスクリューをブチかましたりと早速無双状態でしたが、ここで運命の出来事が起こりました。
それは、空を飛ぶワイバーンをワイヤーで吊り上げていると疑ったプルチノフが、飛びついてライドン(騎乗)したとき、生き物特有の温もりと乗り心地を感じ『未知の騎乗感(至福)』を覚えてしまったのです!
ワイバーンを血の通った生き物だと認識した矢先に、プルチノフは振り落とされてしまいます。
しかし、この世界にはワイバーンのような個体種が他にもいることを知ってしまったプルチノフは大統領就任以来の初のバカンスを取ることを決意、“騎乗欲”を満たす旅に出ることになったのです!
魅力1:展開がテンポよくて読者を飽きせさない!
ライドンキングは記事執筆時の2019年7月現在2巻まで発行されていて第10話まで進んでいるんですが、細かいのを含めるとその内7回も新しい敵と戦っているんです!
異世界転生もの以外でも、戦闘シーンって人気ですし胸熱な展開になることが多いので一回の戦いを何話にも分けることが多いのですが、ライドンキングはそんなことはなくサクサクと敵を倒していきます。
これがもう気持ちいい!
「まだまだ序盤なんだし、弱い敵しか出てないんでしょう?」って思われるかもしれませんが、初めてのダンジョン攻略しているストーリーのときに、骸竜と魔霊王というボス級のキャラが突如登場します。
ですが、骸竜と魔霊王との戦いも1話で終了してしまうという展開の速さ。
ライドンキングを読んでいて魅力的だなと感じるのは、展開の速さもそうですが、その1話の戦闘でちゃんと苦戦するところ、対応方法を考えて進化するところ、主人公の心の優しさが伝わるところがしっかりと描かれているところです。
ただ主人公無双させるのではなく、成長を描いてくれると感情移入しやすくなりますよね!
随所に散りばめられたシュールなギャグ
ライドンキングのストーリーは、シリアスな展開も多いのですが、それだけではなく随所で出てくるギャグが実に秀逸で笑いのツボをグイグイと押してきます。
例えばガチな戦闘をしているシーンでも、ページをめくったら突然笑いのネタをぶっ込んでくるので、全然油断ができません。
しかも、実際に戦っているプルチノフは笑わせようとしているのではなく、真剣そのものだから読んでいる方はなお面白いんですよね。
他にも、怖いはずの魔獣のセリフが意外と可愛かったり、動きがコミカルでついついニヤニヤしてしまったり...。
随所にプロレスネタやドラゴンボールネタ(しかも下ネタ)を入れてきたりしてくるマンガなので、電車の中で見るときはぜひ注意してください!
魅力3:登場する可愛い魔獣たちにライドン!
ライドンキングに登場する未知なる魔獣たちと、それらにライドンするプルチノフが可愛いんですよね。
個人的にお気に入りの魔獣は、2巻に登場する山の主のクマです。
見た目はとても大きいし、襲いかかってきたときは怖かったんですが、いざ仲間になると、プルチノフを背中に乗せて「マ゛ッマ゛ッ」と楽しそうに声を出しながら走っているんです。
そんな姿を見ちゃうと、さすがのアラフォー中年男性でも、胸キュンを避けることはなかなか難しいですね。
また、いつもは表情を変えないプルチノフも、クマの上に乗っているときばかりは、「わはははは」と声を出しながら無邪気に楽しんでいてこれにまた癒されるという。
他にも1巻から登場している、翼が退化したホッチという大型の鳥も可愛いし、敵役の大猪鬼ですら可愛い。
ストーリー展開が楽しみなのはもちろんですが、プルチノフは次にどんな可愛い魔獣にライドンするか、というのもライドンキングの楽しみ方のひとつなんです!
今はポッチに乗って移動をしていますが、近い将来的にはワイバーンみたいな空を飛ぶ魔獣が仲間になったりしそうだなぁ。
ライドンキングは名作になる予感しかしない!
ライドンキングの魅力をたくさん語ってきましたが、何よりも肩肘張らずに頭を空っぽにして読むことができるのも、ポイント高いと思うんですよね。
絵柄もキレイですし、コマ割りもシンプルで読みやすいので、マンガ初心者の方にもオススメです!
単行本もまだ2巻しか発刊されていないので、この先どうなるかまだ分かりませんが、作者の馬場康誌先生は「空手小公子 小日向海流」を約12年間(全50巻)連載していたという凄い実績がありますし、ライドンキングの今後の展開にも期待しかありません!
みんなでプルチノフと一緒に、ライドンタイムを満喫しましょう!
【編集部から】 かずほさん、ご応募ありがとうございました。異世界転生作品ブームの中、マニア好みの際立った設定と特別なキャラクターを持つ本作に注目したのはさすがです。あらゆるものを自在に乗りこなすプルチノフの様に、様々なマンガを読んで自在に書かれる次回の記事にも期待しています!