あなたは何を思って日々を生きていますか?死ぬということを意識して生きていますか?死ぬことを知らないものが思う”生きる”とは。
『不滅のあなたへ』は「生とは何か」をテーマにしたマンガで、2016年に映画化された話題作『聲の形』を描いた大今良時先生の新作です。
あらすじ
とある世界に投げ込まれた”球”があった。その球は周りの物体から刺激を受け、その物体に変化することができた。変化する条件は対象と接触し、対象が生きていないこと。不滅である球は「フシ」と呼ばれるようになる。人間でない彼は多くの人々と出会い、生きることを学び成長していくのだ。
「フシ」が出会う人々
多様な環境に生き、信念を持つ人々の言葉はフシを成長させ、同時に私たちに生きることを問い直してきます。キャラクターそれぞれに魅力的な個性とストーリーがあり、「次はどんな人と出会うのだろう?」とまるで自分が主人公になったかのように物語にのめりこんでしまいます。
初めての人間「青年」
第1話でフシが出会ったのは、とある青年。フシが変化した狼の飼い主だった青年は、凍える大地に一人残された、その土地の生き残りでした。やがて成長し、まだ見ぬ土地への希望を抱く青年は狼となったフシを連れて世界を知りに旅立ちます。
大人になりたい!元気な少女「マーチ」
第2話では集落の少女、マーチと出会います。マーチは活発で、早く大人になりたいと父親にせがみます。「大人しくしないと大人になれない」と諭されますが、マーチは、「なにそれいみわかんなーい!」と聞く耳を持ちません。そんな彼女ですが、集落の生贄に選ばれてしまい、大人になる前に死ぬ運命だと言われます。儀式へと向かう途中、大人しくしていられず逃げ出すマーチ。そこでフシに出会うのです。彼女はフシに食べること、寝ることを教えます。生きる意味を考えるフシは、徐々に人間らしさを得ていきます。
長い時間の中で人と出会い学び成長する。フシの「進化」を通してわたしたち自身が描かれる物語です。
登場人物全員が成長していく!その姿に感動
周りの人々がフシを中心として成長していきます。フシも時には裏切られ、傷つけられながらも、精一杯生きる人々に出会い、そしてその人々と別れることで、どんどんと人間性を獲得します。
「なんで俺は俺なんだろう」。これは、フシが彼自身に問いかける言葉です。その様子はまさに人間。ぜひ皆さんも彼らの成長に涙しながら、生きるということを考えてみてください!