九龍ジェネリックロマンス

眉月じゅん/著

『九龍ジェネリックロマンス』最新5巻最速レビュー!物語は少しずつ核心へ…衝撃のラストシーンを見逃すな!

ヤングジャンプコミックスにて絶賛連載中の、眉月じゅん先生による『九龍ジェネリックロマンス』。昨年様々なマンガ賞レースを席巻した話題作の最新刊となる5巻が、本日2021年6月18日に発売となりました!

前巻である4巻から、物語は徐々に核心へ迫りつつあります。主人公・鯨井と工藤の恋の行方や、九龍の街に隠された秘密。引き続き少しずつ、しかし確実に物語が動く本巻ですが、その最後には衝撃的なワンシーンが…!?益々この物語から目を離せなくなる、そんな5巻となっています!

前巻4巻までのあらすじ

何気ない日々の中で、同僚である工藤への気持ちを滲ませつつ共に過ごす鯨井。その中でも仲良しの楊明と食事に行ったり、工藤と共に小黒の引っ越し祝いパーティに参加したりと、平凡な日々を過ごしています。

しかし彼女の心には、自身とそっくりな存在である鯨井Bの姿が小さな影を落とし続けていました。さらにその中で鯨井Bはやはり自分とは全くの別人で、なおかつすでにこの世の人ではない可能性が浮上します。

鯨井Bの真実を知りたいけれど、それを知ると今の自分が消え「本当」の自分ではなくなってしまうかもしれない。だからこそ「絶対」の自分になりたい、と決意を固める鯨井。一方で「彼女の存在もまた、完全には消したくない」という理由で、鯨井Bが住んでいた部屋や持ち物とも、そのまま共存することを選んだのでした。

一方、ジルコニアン≒クローンの可能性の高い鯨井と接触した蛇沼とグエン。しかしその際彼らは、鯨井がジルコニアンに比べより精度の高い謎のクローンである可能性に辿り着きます。真相を探る中で2人が辿り着いた可能性。それは鯨井やグエンのみならず、九龍の街そのものが空間丸ごとクローンである、というものだったのです。

物語が大きく動き出す…5巻の見どころは?

衝撃の可能性が明らかになった4巻でしたが、今回の5巻ではさらに九龍の街が少しずつ小さな違和感に浸食され始めます。街全体だけでなく、その違和感は町に住む人々にも。悪夢に魘される工藤、不思議な乱丁本を手に取る鯨井。そして楊明は、捨て去ったはずの過去の自分の姿に再び囚われ始めました。

その流れで今回5巻では、これまで語られなかった楊明の過去が明らかに。全身整形を行い、過去を綺麗さっぱり捨て去っていた楊明。彼女がそうまでして捨てたかったのは、国民的大女優の娘として生まれ育ち、親から過剰なまでの愛を与えられ続け、それによって同時に自分らしさを全て否定され続けた過去でした。

「与えられる」ことが必ずしも「恵まれている」とは限らない、与えられることによって奪われることもある。その考え方について楊明とややぎくしゃくしてしまった鯨井は「自分には奪われる過去がないから、その感覚がわからない」と悩みます。ですが「奪われているならまた求めればいいし、自分はそんな人に何かを与えてあげたい」と、彼女らしい強さで再び楊明と向き合い、無事仲直りをすることができました。

また、そんな宿命を背負うのは楊明だけではありません。絶大な親の力の元で活躍する蛇沼も、その宿命とも呼べる業の元に生まれた男でした。ジルコニアンやジェネテラの研究を進める彼にも、そんな業由来の不穏な影がちらつきます。その結果として驚くべきことに、彼はなんと恋人・グエンとの破局という選択肢を取ったのです。

納得できない気持ちを抱えながらも蛇沼と別れたグエンが、香港から向かった先は九龍の街でした。しかし彼が到着した九龍は、他人から見れば数十年は人の手が入っていないような。まるで廃墟同然の街の姿をしており、同時に本巻の物語はそのショッキングな光景で余韻を残しつつ終わる形となっています。

物語は衝撃の展開へ!九龍、そして鯨井たちに隠された秘密とは一体…!?

あまりにも衝撃的なラストで幕を引いた最新刊5巻。続きが気になりすぎる…!という読者も、きっと大勢いるのではないでしょうか。

グエンが到着した九龍の街は、どうしてこんな姿となっているのか。そこに住むはずの鯨井や工藤を始めとする人々は、一体どうなってしまったのか。衝撃の展開に、ますます続きから目が離せません!

暮らす世界のヒミツ

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