作品概要
『九龍ジェネリックロマンス』は、2019年11月より週刊ヤングジャンプで連載されている作品です。作者は眉月じゅん先生。
あらすじ
東洋の魔窟、九龍城砦の不動産会社に勤める鯨井令子は、先輩社員の工藤発に心惹かれていました。共に働く中で想いを自覚していく鯨井でしたが、工藤にはかつて自分と同じ名前、同じ外見の婚約者がいることを知ることになります。工藤の婚約者の謎、自身に存在しない記憶を探しながら、工藤の中に存在する自分とは鯨井令子への想いにも触れていきます。
過去、現在、未来の交差するディストピアで繰り広げられる、大人のラブロマンスです。
受賞歴
このマンガがすごい!2021オトコ編3位
『 #このマンガがすごい!2021』オトコ編🌟第3位🌟いつも応援してくださっている読者の皆さまありがとうございます❣️引き続き『 #九龍ジェネリックロマンス 』をよろしくお願い致します❣️🀄️🍉🚬🍥🧧
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作品の魅力
細かい表情まで見逃せない!
眉月じゅん先生の描く表情はキャラクターの感情が十二分に伝わってくる、最高なものばかり。中でも主人公の鯨井の表情は要注目です。
工藤のささやかな優しさに触れた時や、他人から工藤への想いを指摘された時の鯨井の輝いた瞳や赤らんだ顔は、『九龍ジェネリックロマンス』の最大の魅力と言っても過言ではありません。
九龍城砦の世界観に惹かれていく
本作は「ジェネリックテラ」という人類の新天地が空に浮かんでいたり、タイヤが無い車が走っていたりと、SFのような未来の世界となっています。
それにも関わらず九龍城砦はディープな食堂が点在しているような、現実世界でもなつかしさを感じてしまうような舞台。
切れかけの電灯 カビくさい路地裏 うるさい隣人 そのどれもがなぜか、無性になつかしく感じないか? 俺はこのなつかしいって感情は 恋と同じだと思っている
と工藤が話しているように、
過去と未来の交差する不思議な世界観を持つ九龍城砦には、作中の人々と同じく読者も「恋をしてしまう」ような魅力があります!
作者情報
作者は眉月じゅん先生。
過去作には、アニメ化、映画化もされた『恋は雨上がりのように』(小学館)や『さよならデイジー 眉月じゅん初期短編集』(集英社)があります。
登場人物紹介
鯨井 令子(くじらい れいこ)
九龍城砦の不動産店「旺来地產公司」に勤めている32歳の女性。
クールで真面目な性格をしているが、美味しいものや新しいものに目がなく、そのことで工藤と言い合いになった時は一歩も引かない強気な一面も併せ持つ。
先輩社員の工藤に対して恋心を抱いている。その想いを自覚していくところから物語は大きく展開していく。
スイカを食べたあとにタバコを吸うのが好き。
眼鏡をかけていることも多いが作中序盤で視力は回復しており、伊達眼鏡である。
過去の記憶が一切なく、自分と工藤が写った写真を見つけても、婚約者であることを伝えられても思い出せない。工藤への想いを自覚した後から、自身の記憶についてを探るようになる。
なお、過去の鯨井令子(作中の鯨井令子には鯨井Bと呼ばれている)は工藤より2つ年上で、部屋のインテリアの趣味など、所々作中時間の鯨井令子とは異なる性格をしている。
工藤 発(くどう はじめ)
鯨井と同じく「旺来地產公司」に勤めている34歳の男性。
ガサツな性格をしているが、地域住民との交流を欠かさない、複雑な場所にもかかわらず抜け道に精通しているなど、九龍城砦に対する想いは強い。
過去に鯨井と同じ姿と名前をした女B(鯨井B)と婚約していた。
また、地域住民との麻雀による交流、数字の8を見かけると触る癖、九龍城砦に対しての想いなど、工藤の言動は鯨井B由来であることが多い。
李(リー)
「旺来地產公司」の支店長を務める壮年の男性。定時になると必ず退社する。
「充実したプライベートこそが、良い仕事を連れてきてくれる」という自論を掲げており、実際そこから大企業の蛇沼製薬の新規店の開設の担当できたと話している。
小黒(シャオヘイ)
九龍の南燈街に住むフリーターの女性。
「〜ネ」という片言口調が特徴。
靴屋や映画館などあちこちでアルバイトをしており、鯨井や工藤と頻繁に出会う。
ロリィタファッションが好きで、バイト代を洋服につぎ込んでいる。
楊明(ヨウメイ)
初登場時は、ジェネテラちゃんぬいというぬいぐるみの大量生産に追われていた。その際に発生する騒音問題を通じて工藤、鯨井と出会う。
全身整形を施しており、「過去を全て捨てた」と語っている。
鯨井と秘密を共有する良き友人となり、彼女をサポートしていく。
蛇沼みゆき(へびぬま みゆき)
蛇沼製薬の社長。メディアへ露出する際は明るく笑顔を絶やさない。
過去の記憶がない鯨井の正体について何か知っているような言動をとっており、彼女に対して興味を持っている様子を見せている。