柏木ハルコ先生の『健康で文化的な最低限度の生活』の最新刊10巻が、2021年3月30日に発売されました!
9巻でスタートした「貧困ビジネス編」の全貌が最新刊ではいよいよ明らかになっていきます。そして、じわじわと広がる新型コロナウイルスの影響。
リアルな現場を描いた最新刊10巻の見どころをご紹介します!
貧困ビジネスの実態が徐々に明らかに!
生活保護受給者が多く住むアパート「オレンジパルム」では、住人が謎の怪我をしていたり、失踪してしまう居住者があとを絶ちませんでした。
受給者を担当している区役所の公務員・義経えみるたちは、実態の調査に乗り出します。
居住者一人一人と面談をしますが、みな怯えており、口を固く閉ざしてしまいます。えみるは信頼関係を築く難しさに悩みます。
そんな中、居住者からのSOSが届き、少しずつ「オレンジパルム」の全貌が見えてきました。えみるたちは貧困ビジネスの真相を目の当たりにします。
貧困ビジネスによって搾取される居住者を、どうやったら行政は助けることができるのか?貧困ビジネスの現実が描かれます。
療育手帳を持つことの意味
貧困ビジネスに取り組むえみるですが、彼女が担当する受給者の一人に、知的障害の疑いがある男性がいました。療育手帳(知的障害のあることを証明する障害者手帳)を取得してもらえれば、手厚い福祉サービスを利用することができます。
えみるは手帳の取得を促そうと思い、まずは担当の医師に相談します。
しかし、そこでえみるは療育手帳を持つことの意味を考えさせられます。
障害があることをどう理解して、どう申請してもらうのか?果たして本当に必要なことなのか?
福祉制度の活用を推奨したいけれど、受給者の気持ちも尊重しなければならない。障害者へのサポートをする難しさに直面します。
物語はいよいよコロナ禍へ
そんな様々な問題が巻き起こる中で、新型コロナウイルスが襲います。
緊急事態宣言が発令され、区役所も緊急の対応が求められることに。
えみるたちは在宅勤務も織り交ぜながら勤務をしますが、窓口には相談に来た生活困窮者で溢れかえります。コロナ禍における行政のリアルが詳細に描かれます。
確かに存在するリアルを知る
第10巻で描かれる貧困ビジネスのリアルとコロナ禍の行政の実態。本作は社会のどこかに確実に存在する現実がありのままに描かれているように思います。
この瞬間も貧困に悩む人がいて、生活保護の相談に乗るケースワーカーの方が奮闘している。そんな日常生活では視界に入っていない世の中のリアルを、この作品を通せば垣間見ることができます。
地続きにつながる社会の今を、リアルタイムで読んでみてはいかがでしょうか?
第5巻まで無料で読むことができる!
2021年4月12日までなら、なんと『健康で文化的な最低限度の生活』が第5巻まで無料で読むことができます!
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少しでも興味がある方は、これを機にぜひ読んでみてください。普段なかなか接点のない生活保護のリアルを知ることができますよ。