不思議な現象に見舞われた少女たちを巡る怪異奇譚「物語」シリーズ。1作目にあたるのがこの『化物語』です。西尾維新先生による大人気小説のマンガ版で、実はドイツ人の友人に勧められて知りました。
阿良々木暦(あららぎこよみ)は吸血鬼になってしまった元人間で、同じく怪異に見舞われたクラスメイト・戦場ヶ原ひたぎのカラダにまつわる怪異の解決を手伝います。
ある時女子が落ちてきた
踊り場でバナナの皮を踏んで滑った女子が、阿良々木の上に降ってきます。
彼女の名前は戦場ヶ原ひたぎ。阿良々木は落ちてきた彼女を助けることにより、美しい少女のカラダにまつわる秘密を知ってしまいます。
戦場ヶ原は常時携帯する文房具で完全武装しています。
もはや文房具が兵器にしか見えません。
しかし、ホッチキスで頬を貫かれた阿良々木くんも、普通の人間ではありませんでした。吸血鬼の力であっという間に傷が元通りに。
蟹に奪われた体重
戦場ヶ原は体重の10分の9を怪異に持っていかれ、体重が5キロほどしかありませんでした。体重が軽くなると、周りの物が10倍の重さになったのと同様に感じます。
彼女の体重を持って行ったのは…「蟹」でした。
阿良々木と戦場ヶ原は怪異の専門家・忍野(おしの)メメを訪れます。助けを求めますが、忍野は助けるのではなく、戦場ヶ原が「一人で勝手に助かる」のだと答えます。
怪異の原因は戦場ヶ原の過去にあった
戦場ヶ原が抱えつづけていた重たい想い。彼女はその想いを自分でも気づかず蟹に背負わせていたのです。
その重さと引き換えに、蟹は戦場ヶ原から「何か」を受け取っていました。彼女の怪異は等価交換によって成り立っていたのです。
戦場ヶ原が抱える想いとは…!?
登場から最強すぎる戦場ヶ原ですが、要所要所で可愛らしさを発揮。童貞の阿良々木との関係が徐々に進展していくところも、甘酸っぱくこそばゆい感じで最高です。
言語センスが随所に光る
ドイツ人によると、日本には悪魔、妖怪、化け物、もののけ、鬼、あやかしなど、怪物を表す言葉がすごく多いんだそうです。確かに日本語でこうして分類されると、全部違う感じがしますよね。また、『化物語』の魅力は言葉遣いのおもしろさとテンポだそうです。
「萌えちぎり」や「暴言が錬成」など、外国語翻訳が難しそうな、しかし感覚的に痺れさせる言語表現がたくさん!外国人すら魅了する怪異譚『化物語』。ぜひ、怪異と言葉の魅力に触れてみてください!