『君と綴るうたかた』は1本の小説をきっかけに生まれた、女の子同士の恋愛が描かれた物語です。
コミック百合姫にて、ゆあま先生により描かれています。クラスを明るく照らす人気者の女の子・夏織と、人との関わりを避けてひっそりと過ごす女の子・雫。この2人が本作の中心人物です。
【 🎉重版決定のおしらせ🎉 】
このたび「君と綴るうたかた」①の重版が決定しましたー!!!!!
皆さまのおかげです…!!本当に本当にありがとうございます…!!😭
重版分は二月下旬に書店に並ぶ予定ですのでどうぞよろしくお願いします!#きみつづ pic.twitter.com/n5lWlyBEeN— ゆあま🌧6/17君と綴るうたかた② (@maymaymay7523) February 2, 2021
ちょっと影の差した恋愛ストーリーが魅力の本作。いずれ散ってしまう花のような儚さを秘めていました。
たとえ話として花で作品を表現しましたが、実際に物語の中で2人は花を育てると決めます。
植物を育てることがテーマのお話ではないものの、筆者にとって印象的な行動でした。その花には作品の魅力が詰まっているのではないか、と考えるほどに。
戸惑いの中で生まれた恋の物語
隠れて書いていた小説を隣の席の女の子に読まれた話(1/12) pic.twitter.com/6VdHiB8deZ— ゆあま🌧6/17君と綴るうたかた② (@maymaymay7523) January 18, 2021
物語の始まり、夏織と雫が出会うきっかけとなったのは1本の小説でした。その小説は雫が執筆した、人生最初で最後の小説です。誰に見せるわけでもなく、書いた本人の手で捨てられる予定でした。
しかし捨てるのをためらってしまった雫は、不注意によって夏織に小説を見られてしまいます。見られるだけならよかったものの「ちょっと借りるねっ」と、夏織は小説を当然のように持ち帰ってしまいました。
小説の行方が気がかりで眠れなかったまま迎えた翌朝。早めに登校した雫は、教室で夏織と再び出会います。そして決して望んではいませんでしたが、満を持して、小説の感想が夏織の口から語られました。
すごいね星川さんっ!! すごい……っ
ネガティブな感想だと身構えていた雫。見事に裏切られました。「次はどういうの書くの?」という夏織の言葉に、「小説はもう書くつもりなくて……」と答えます。
夏織は少し考えた後、またしても雫の予想を裏切る言葉を投げかけるのでした。
つき合おう 私と
こうして自分たちの恋愛模様を小説として書いて貰うために、恋人になった2人の物語がスタートします。
あさがおが咲く頃になっても、君は隣にいるのだろうか
\ 「君と綴るうたかた」① 発売まであと2日! /#きみつづ pic.twitter.com/R6D8yVWF8B— ゆあま🌧6/17君と綴るうたかた② (@maymaymay7523) January 15, 2021
筆者が作中で印象に残ったのは「あさがお」でした。
恋人になって間もなく、夏織の提案であさがおを育てることに決めます。5月に種を蒔いて7月に開花期を迎える花ですが、2人が育てるのは7月に植えても問題のない種類です。
それでも花が咲くまでには1~2ヶ月。その頃に2人が恋人でいる保証はありません。
なぜなら、2人は夏休み限定の恋人だから。思い返せば不思議なことばかりでした。どうして夏織は雫の家に突然押しかけたのか、どうして接点のない雫に対して無邪気な笑顔を向けてくれるのか、そして夏織から聞かされた付き合う理由は、本心なのか。2人の関係には、あまりにわからない部分が多いのです。
\ 「君と綴るうたかた」① 発売まであと1日! /#きみつづ pic.twitter.com/f3qavTRo0L— ゆあま🌧6/17君と綴るうたかた② (@maymaymay7523) January 16, 2021
2人が育てると決めた、あさがお。その花言葉は「儚い恋」という意味を含みます。
作中で花言葉に言及されているシーンはなく、筆者が勝手に調べて勝手に意味を推測しているだけですが、ところどころで不安定さを感じさせる2人の関係性を表す花としてぴったりのように感じました。
あさがおの花が咲く頃に、君は隣にいるのだろうか。
不安定な繋がりに相反して、確固たる恋人という関係性。夏の終わりに、きっと明かされるであろう彼女たちの「どうして」に心が惹きつけられました。
「どうして」の答えが見つかるとき
作中に散りばめられた数多くの「どうして」には、この先にこれだけの楽しみが残されている、と期待が膨らむばかりでした。
そして筆者が最も「どうして」と気になるのは、夏織はどうして雫にこだわるのか、ということ。
考えれば考えるほど、2人の関係性に深みにハマっていくような感覚に見舞われます。彼女たちの恋愛で生まれた「どうして」の答えが見つかるとき、隣で追いかけていたいと思える作品でした。
【 告知 】
「君と綴るうたかた」単行本②巻の発売日が6月17日に決定しました!お楽しみに🥳https://t.co/JUCRVEHKwB#きみつづ pic.twitter.com/bzhRxhWOJl— ゆあま🌧6/17君と綴るうたかた② (@maymaymay7523) April 17, 2021