子供の頃、「夏休みが来る!」というだけで胸を高鳴らせていませんでしたか?
でも歳をとるたびにそんなときめきを忘れる今日この頃…。
「夏」という季節に大きな期待をかけていたあの頃を思い出せる、そんな作品を紹介します!
あと2週間もすれば新連載予告が出るのでそこまでこれまでの田島列島さんを振り返ってみます。今回はこちら、記念すべき『子供はわかってあげない』連載第1回のトビラ。単行本の表紙もこのイメージで描いてもらおうとしたところなかなか上手くいかなくて、試行錯誤の末、今のものになったんですよね。 pic.twitter.com/mRTgQN96VH— 田島列島『水は海に向かって流れる』②12月発売予定 (@tajimarettou) June 30, 2018
あらすじ
主人公は2人の高校二年生。
水泳部に所属する水泳大好き少女のサクタさんと、書道部に所属する字が上手い男のモジくん。
サクタさんは子供の頃に両親が離婚し、父親の顔も知らなかったのですが、父親から送られたと思われるお札と同じものをモジくんの家で偶然発見。「これはなにかの始まりでは?」と解釈します。都合よくモジくんのお兄さんが探偵だったこともあり、父親探しを依頼したところから物語が始まります。
『子供はわかってあげない』で手に入る夏の魅力
未知と不確定のワクワク感
正体不明なエネルギー
冒険あっての恋
それではいきましょう!終業式の始まりです!
1.未知と不確定のワクワク感
夏になると「なにかステキなことが起こるのでは?」とワクワクしていませんでしたか?
この作品にはその頃のワクワクした感情がぎっしり詰まっています。
例えばサクタさんの父親の秘密が少しずつ判明する時や、サクタさんが10数年ぶりに父親に会いにいく時。そんな時には「どうなるかわからない」「でもたぶんそれは良いものだ」という不安混じりのワクワク感がわいてきます。
またそれ以外にも、モジくんがなぜかサクタさんのお父さんとお酒を飲む時、行方不明になったサクタさんを探す時などなど、様々なシーンで懐かしさのある胸の高鳴りを感じるでしょう。
「子供はわかってあげない」2話のトビラページ。ちなみにこの回の田島列島さん柱コメントは「ダルマ買いました。」でした。 pic.twitter.com/SJeacdvpdV— 田島列島『水は海に向かって流れる』②12月発売予定 (@tajimarettou) July 1, 2018
2.正体不明なエネルギー
夏になると、走り出したくなるような正体不明のエネルギーを感じませんでしたか?
このマンガのあちこちから、そんなエネルギーを感じると思います。
それはもうものすごく説明しにくいのですが物語の随所に宿る作家性とか哲学性とかそういったもの。セリフの一行、コマの1すみに「ここに人生の大事なものが宿っているのでは?」と思わせるセンス。それらがとにかくすごいのです。
といってもわかりづらいので1つ例をあげます。
「お前が今苦しいならそれは後手に回ってるからだ。一回引いてまたやりなさい」これは作中のセリフからの引用ですが、とても的をいた言葉と思いませんか?
しかしこの言葉は強調されることもなく、サラッと使われるのです。そこに正体不明な深みを感じる。
エネルギーは深みに宿るのです。
#後世に残したい漫画の名言
このページは全体的にいい(「子供はわかってあげない」良い漫画です)。 pic.twitter.com/F3ks95liW3— mxmpee✌ (@mxmpee) August 25, 2018
3.冒険あっての恋
「仲間と旅の途中で絆が深まって恋に発展したい!」
物語を愛する人なら身に覚えのある願いだと思います。
ただひと夏の恋ではなく、あくまで冒険の中で。夏の間にいろんなことを経験し、その上でお互いのことを知って恋に落ちる。
その願いを持っているならぜひこの作品を読んでください!
2巻の後半で身悶えすること間違いなしです!
何回読んでも子供はわかってあげないは面白い。
このシーンの(こんな字を書くんだ)
ってセリフ大好き! pic.twitter.com/g24TWcN3or— ばよえーん (@bayoe_______n) July 13, 2018
絵日記の中に、アルバムの中に、日焼けしたマンガ雑誌の中に、置き忘れたあの頃の気持ちを取り戻しにいきましょう!