『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(通称:推し武道)はCOMICリュウで2015年8月号から現在も連載中の、地方の女性地下アイドルグループと彼女達を応援するファンであるアイドルオタク(通称ドルオタ)の姿を描いた、平尾アウリ先生による作品です。2020年1月からはTVアニメも放送され益々盛り上がりを見せています。
地方の地下アイドルという、TVで毎日のように見ることができる日本を代表するアイドル達とはあまりにも遠い距離に位置する、下手したらいつ活動が終わってしまうやも知れないアイドルグループを人生かけて推しているオタク達の生態が本作では赤裸々に描かれます。
本作の主人公であるえりぴよさん。7人組アイドルユニット「Cham jam」の中でも1番人気のない女の子「舞菜」を推しに推しています。
えりぴよさん達の自分の「推し」に人生を捧げる様は見ていて涙ぐましいです。
一般人から見れば正気の沙汰ではないと気持ち悪がられるかも知れませんが、筆者自身も昔とあるアイドルグループを推していた時期があるので、少なからずえりぴよさん達の気持ちが分かるのです。私が推さなきゃ誰が推すんだ!という彼女達の心の叫びが聞こえてきます。
事実、えりぴよさんは「舞菜が武道館行ってくれたら死んでもいい!」と公言しているほどの生粋のドルオタでありファンの鏡です。
そして『推し武道』は幸いなことにアルでコマ投稿可能な作品です。今回は、作中からえりぴよさん達の推しに懸ける熱量が伝わるコマをピックアップしてご紹介していきます。皆様、指と指の間に挟めるだけのサイリウムを準備して読み進めてくださいね!
1.CDは買えるだけ買う
握手券つきのCDは買えるだけ買う。だって推しが喜んでくれるから。それ以上の理由は要りません。頭にも乗っけれるだけ乗っけます。バランス感覚もドルオタには必須のスキルです。
2.分身の術も使うよ
ブログのコメントだって推しが喜んでくれるなら何人もの人格を生み出してコメントします。これぞ現代版分身の術です。やいのやいの言ってくる輩にはこけしで口を塞いでやりましょう。
3.神頼み
神様にお願い事をする時はもちろん全て推しのお願いオンリーです。ここまでくると実の親を超えた感すらある包容力という名の愛を感じます。
4.運営にもお馴染み
何も言ってなくても運営さんからCDを手渡されるえりぴよさん。常連さんって響き、素敵ですよね。
5.数秒の接触に命かけてる
ほんの数秒の接触の間に、どれだけ推しの脳裏に引っかかるワードを伝えられるか。ドルオタは頭をフル回転させて考えた結果、結構な確率で自爆しています。
6.無理はさせない
推しに無理はさせないえりぴよさん。無理をするのは自分だけでいい。ちなみにえりぴよさんはパン工場でバイトをしており、パンをひっくり返すのがめちゃくちゃ早いのです。
7.生きてるだけで
推しが生きているだけで自分へのファンサービス。ドルオタの模範的存在、えりぴよさんです。
8.また買うさ
時には伝えたいことがうまく言えずに、握手券がゴミと化すことも。それでもいい、また買えばいい。だってドルオタ人生はこれからも続くのだから。
9.お金なさ過ぎて奇策に出る
時に捧げるお金が無くて、もう最終手段くらいの勢いで奇策を口走ることも。それくらい必死で推しのために身を削っているのでどうか引かないでください。
10.推しを祝う気持ち故、、
推しの生誕祭を祝うために用意したハイクオリティーなケーキ。推しの顔にろうそくをさすなんてできるハズもなく必然的に側面ぶっさしです。
11.行き過ぎたプロデュース
推しを日の目を浴びる場所に連れていきたいがために行き過ぎたプロデュースをかまそうとしてしまうえりぴよさん。妄想が一人歩きしてしまっています。近くでちゃんとツッコんでくれる人の存在の有り難さですね。
12.推しが過ぎて赤ちゃん返り
推しを想う気持ちが強すぎて推しの子供になってしまうえりぴよさん。シンプルに怖いです。
13.息もできないくらい君に夢中
呼吸の仕方を忘れるくらい推しに夢中。もし推しが武道館のステージに立ったらどうなるんだろう。救急車用意しとかねば、なコマ。
人生でこれだけ推せる存在に出会えるってある意味幸せなことだなぁと『推し武道』を読んでいるとしみじみ思います。推しに捧げる人生、これはもう推しの美学と言っても良いのではないでしょうか。
アニメも始まって絶好調な本作品、未読の方は是非ご一読頂きつつ、自分だけの推しを見つけてえりぴよさんを見習って推していきましょう!