『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』教養として知っておきたい日本文学10選

『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』は、太宰治や芥川龍之介など、世界的に有名な文豪の25作品を10ページほどのマンガで紹介するマンガです。

海外では村上春樹さんの名を非常によく聞きますが、フランス人やアメリカ人さんから三島由紀夫の文章が素晴らしいなどと言われることもあります。

今回は、教養として知っておきたい世界の文学10作品をピックアップし、物語や作家の逸話をご紹介します！

本記事を読むだけでもなんとなく名作10作品をざっと読んだ程度の粗筋を手に入れることは出来ますが、マンガを読んで自分なりの粗筋を見つけて下さい。

中島敦『山月記』
太宰治『人間失格』
芥川龍之介『羅生門』
梶井基次郎『檸檬』
宮沢賢治『注文の多い料理店』
森鴎外『舞姫』
泉鏡花『高野聖』
田山花袋『蒲団』
エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』
夢野久作『ドグラ・マグラ』

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中島敦『山月記』

詩人になりたくて役人の職を辞した李徴という男が、貧困のために再び官吏になりますが、自尊心を傷つけられて山にこもった挙句に虎になります。

人間としての心が失われて完全に虎になる前に友人に自分のつくった詩を聞いてもらうのですが、最後に二度とこの道は通らないでくれ、君を襲ってしまうかもしれないからという頼みを残すところが悲しいお話です。

太宰治『人間失格』

『人間失格』は、「恥の多い生涯を送って来ました」という印象的な文から始まるとある男性の生涯です。

道化を演じるしかないと感じていた幼少期から、青年期には絵を描いて暮らすようになり、出会った女と心中して自分だけ生き残り、その後愛した女は暴漢に襲われ、最終的にモルヒネ中毒になって脳病院に入れられ、最後に自分のことを「人間失格…！」と思うっていうお話です。

芥川龍之介『羅生門』

貧しさのために強盗するしかないけれど、その勇気も出ないでいた下人の男が、ある時、羅生門で死人の髪を抜いている老婆に出会います。最初は老婆の行為やあらゆる悪行に憎悪の感情を抱いた男ですが、途中で考えを変え、「自分もそうしなければ餓死するのだ」と言い放って老婆から追いはぎする物語です。

梶井基次郎『檸檬』

みすぼらしくて美しいものに強く惹かれていた私が、八百屋でカリフォルニヤ産の檸檬を見つけて購入。その後、かつて好きだった丸善に行きますが、自分を惹きつけていたはずの画本すら心を動かさず、持っていた檸檬を時限爆弾に見立てて、本の山の上に置いてくるお話です。

宮沢賢治『注文の多い料理店』

故郷の岩手をモチーフにした作品を多く残した宮沢賢治の名作です。

道に迷った二人の男が山中で西洋料理店を見つけますが、店内では髪を整えて履物をきれいにしてください、クリームを手足に塗りつけてくださいなどの注文がつづきます。この店の料理はお客さんだったというお話です。

森鴎外『舞姫』

官命でベルリンに来た太田豊太郎は、貧しい踊り子のエリスと出会い交際を始めますが、これが原因で豊太郎は免職となってしまいます。

日本に帰らずに仕事を見つけ、エリスと共に暮らしていた豊太郎ですが、大臣の依頼を受け、妊娠中のエリスに内緒で日本に帰国することを承諾してしまいました。しかしこれらの事情をすべて、豊太郎の友人がエリスに話してしまいます。

心労でパラノイアになったエリスを残し帰国する途中、豊太郎は友人を憎む心を抱えます。

泉鏡花『高野聖』

17歳の時に尾崎紅葉の作品を読み、小説家を志して上京したという泉鏡花は男性なんですね。名前が女性っぽいので、女性なのかと思っていました。

『高野聖』は、高野山の旅僧が病が治る不思議な手をもっている女性に会うというお話です。

田山花袋『蒲団』

三人の子に恵まれながらも、新しい恋がしたいと考えていた竹中時雄という男のもとに、女学院の生徒・芳子が門下生としてやってきます。しかし芳子には深い仲になった恋人がいて、時雄はそのことに嫉妬を覚えつつ、本心を隠して芳子を故郷に帰します。時雄は芳子が去った後、彼女が使っていた布団にくるまって移り香をかぎながらむせび泣くのです。