潮が舞い子が舞い

阿部共実著

『潮が舞い子が舞い』5巻レビュー!深まる関係性に目が離せない!LINEスタンプも発売中!

エモさと狂気が混じった青春群像劇『潮が舞い子が舞い』。その5巻が2021年2月8日(月)に発売されました!

阿部共実先生おめでとうございます!

海辺の田舎の高校生たちの少しおかしく、たまに切ない日常を描く本作。

30人以上の高校生たち全員を主人公かのように描写していった本作ですが、5巻では今まで丁寧に描かれてきた人間関係が深化していっています。

思春期の彼らの感情の揺れ動きが激しくなっていく様子にドキドキが止まりません!

大人を意識した描写

5巻の1話目は、水木、火川、風越、土上の4人の話から始まります。

※基本彼らは放課後浜辺ではしゃいでいます。

いつもの通り馬鹿騒ぎをしつくして倒れ込む場面で、お調子者枠の風越が「この瞬間の四人を自撮りしたいからあ!」とスマホを取り出します。中々全員が写らず苦戦する風越の必死さに呆れる水木たち。

ここまでならいつもの日常なのですが、風越が「もう高2の1学期だよ 俺たちずっと一緒にいれるわけじゃないんでしょお」と泣き出してしまうという唐突な展開に。

今までも進路の話やどんな大人になるのかという話をするエピソードはあったのですが、それはコメディ色の薄い場面でしっとりと話されていました。

今回の一言が出たのはそんな場面ではありません。楽しくふざけあっていた場面でおバカキャラの風越から青春の終わりを意識したセリフが出てくるのがとても印象的でした。

また5巻では水木と同じ団地に暮らす無職の浜さんという大人と、クラス担任の那智先生のエピソードも収録されています。

青春の終わりを一足先に経験した彼らのエピソードが差し込まれていることからも、キャラクターたちが徐々に高校生活の次のステージ=大人になることを意識し始めたという印象がより強まりました。

恋愛要素が描かれていく

高校生たちは全員が悪友のような楽しい関係性ではあるのですが、そんな彼らの今まで深く言及されてこなかった恋愛要素が徐々に明らかにされていくのが5巻のもう1つの見どころ。

中でも水木を中心としたエピソードはかなり踏み込んでいったように感じられます。幼馴染の百々瀬との関係については今までも周りからいじられてきましたが、5巻では百々瀬の方から水木を意識した描写が増えていきます。

クラスの中心的なグループの旅屋から容姿を褒められ「意中の人ともうまくいくよ」と言われる場面で、百々瀬は思わず「だから水木はもういいって」と返してしまいます。

旅屋からは一度も名前を出していなかったのに水木の名前を言ってしまい困惑する百々瀬には、今までからかいを適当にあしらってきた強気さとは違う新たな一面を見い出せました。

二人の今後がどうなるのかについては水木側の感情が描かれるのを待つしかありませんが、今後の展開が楽しみです。

その他にも、水木と同じバイト先の氷室が水木に対する想いを爆発させるエピソードも。今まで冷静なキャラクターだと思われていた彼女が感情が高ぶりすぎて関西弁がきつくなっていく過程は面白くも愛おしくもあります。

水木の周囲以外でも徐々に恋愛関係が明らかになっていく5巻。キャラクターたちの関係性がどう変化していくのか、これからも目が離せません!

ファン待望のLINEスタンプも遂に発売!!

更に、今週阿部共実先生からとんでもない重大発表が。

なんと『潮が舞い子が舞い』のLINEスタンプが発売されたのです!

今まで本編でしか楽しめなかったいかついセリフの数々がLINEスタンプで気軽に使えるようになる…ファンとしてはこれほど嬉しいことはありません。

日常的に使えるセリフも多く、どんな場面でも使用できるスタンプが多いので、自分で購入するだけでなく周りの友人にもおすすめしてみましょう!

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『潮が舞い子が舞い』はまだ追いつける!

現在5巻まで発売されている『潮が舞い子が舞い』ですが、各種電子書籍ストアにて2月12日(金)現在1巻が無料になっています!

別冊少年チャンピオンで連載されている本作ですがマンガクロスでも連載されており、こちらは全話無料公開中。この機会にぜひ阿部共実先生の世界観を楽しんでください!

あの頃、もしかしたら今の気持ち

潮が舞い子が舞い (全5巻) Kindle版