螺旋じかけの海

永田礼路/著

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『螺旋じかけの海』遺伝操作でヒトと動物の境界がゆらぐバイオSF

Twitter上で公開されたエピソード『鰐の歌う淵』で話題騒然の『螺旋じかけの海』は、医師でマンガ家の永田礼路先生が描くバイオSFで、動物の遺伝子が発現して身体の一部が動物に変化したヒトたちを、遺伝操作を生業とする生体操作師の音喜多(オト)が治療していく物語です。

ヒト以外の生物が混ざった身体をもつ人々の苦悩や生き様を描きながら、それをまとめる世界観のつくり込みがすごく丁寧になされていて、読み応えのあるSFとなっています。

螺旋じかけの海

永田礼路先生のnoteで2020年5月23日現在、1話が無料で読めるので、ぜひ読んでみてください!

ヒトとそれ以外を分ける法律

DNAには、遺伝情報をもってる部分ともってない部分があり、遺伝情報をもっている部分のことを遺伝子と言います。ヒトのDNAは99.9%が同じという研究があります。全人類でも0.1%しか変わらないってびっくりですよね。

螺旋じかけの海

『螺旋じかけの海』には、「ヒト種優生保護法」という法律があります。

螺旋じかけの海

この法律のため、分離不能な15%以上の異種体組織が含まれていた場合には、基準外(=ヒトでない)と見なされます。ヒトでない者は人間ではないので、当然人権はもっていません。

螺旋じかけの海

この法律、DNAで分けられていないところが、すごくよく考えられているのです。

というのも、ヒトとチンパンジーは99%近くが同じDNAを持っているという話もあり、DNAの比率で分けていたら、状況によっては普通のチンパンジーに人権を与えないといけない、みたいな話になってきちゃうと思うんですね。

螺旋じかけの海

余談ですが、ヒトとバナナのDNAが50%以上同じという話もあるんですね。人間って意外とバナナに近かった!

異種キャリアの寿命は?

身体の一部がヒトでなくなった場合、その人の寿命は変わるのでしょうか。ヒトのままなのか、それとも発現した異種体の寿命に準ずるのか。現実では、哺乳類の寿命は心拍数と相関関係があるという説があります。

螺旋じかけの海

『螺旋じかけの海』では、寿命はそれを維持する臓器に準じることが示唆されています。たとえば、内臓がネズミの臓器に変わっちゃったとすると、見た目がヒトでもネズミと同じ寿命(約1~3年)しか生きられないということになります。

ヒトを構成するのはなにか

もともとヒトでないモノとして生まれながら、ヒトのような見た目になってしまったモノ。徐々にヒトでなくなっていく自分に戸惑いを隠せないモノ。

螺旋じかけの海

見た目のために差別を受けるモノ、ヒトとしての権利を奪われて売られそうになるモノ。

螺旋じかけの海

オト自身もちょっとした変化がきっかけで、自分の意志に関係なくいろんな生き物が発現してしまう身体の持ち主でした。

螺旋じかけの海

ヒトはどうなるとヒトと言えるのでしょうか。

螺旋じかけの海

人類の歴史にはさまざまな差別があり、その中で悲しんだり苦しんだりしながらも生き抜いてきた人々の姿が、動物混じりの身体を通じて描かれているかのようです。

期間限定公開中の第3話もチェック!

身体全体が徐々にワニになっていく男の話「鰐の歌う淵」がTwitterで公開中。8000回以上リツイートされ、大人気となっています。noteでも2020年5月25日現在、無料公開中です(期間限定なので、急いでチェックしてね!)。

新刊も見逃せない!

DNAの二重らせん構造とそこから生まれる膨大な命を表したようなタイトルも素敵!3年半ぶりの新刊第3巻は「とらのあな」で予約受付中です。

オトと相棒の雪晴(ハル)との出会いや、そもそもオトはなんでこんな身体なのかも気になるところ。今後の展開も見逃せません!

螺旋じかけの海【新装版】(1)
永田礼路/著


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