青騎士 第3A号

あすか編集部/編集

本日発売‼『青騎士』第3A&3B号最速レビュー!アボガド6先生の読み切り他、未知の作家に出会える800ページ!

2021年8月20日は「青騎士」第3A & 3B号の発売日!今回も前回に引き続きABと2冊に分冊&800ページを超える大ボリュームとなりました!掲載作品はドドーンと34作品!

本記事では、読み切りや他誌からの出張作品、初めて出会う作家さんも多くて、どこから読んだらいいのか迷ってしまう~‼というアナタに、是非注目してほしい8作品を紹介します!

3A号表紙を飾る『波間の子どもたち』自称宇宙人との不思議な共同生活

『波間の子どもたち』は創刊号から連載されている有海とよこ先生の作品です。

父親の葬儀を済ませた波間 帳(はま とばり)は、抑えられない衝動に駆られて足を向けた砂浜で、行き倒れていた体から光を放つ謎の青年・ヨルと出会います。帳の都合お構いなしに家に住み着いた自称宇宙人のヨルとの共同生活がはじまりました。

3号ではニューフェイス、帳の幼馴染の錦(にしき)が登場します。

肉親を亡くした帳を気遣う錦は、ヨルの世話をする帳をみて、両親がいたころの帳を久しぶりに見たような既視感を覚えます。何かのきっかけになればと、3人でヨルの服の買い出しに出かけたり散らかった家を片付ける手伝いをしたり、錦の温かい気遣いが光ります。

そんな2人を見守る謎の宇宙人ヨル。人の心が透けて見える能力でもあるのかな?と思ってしまうくらい、帳と錦の機微を察知して絶妙な言葉をかけます。彼らのふわふわとした関係性に心温まる作品です!

3B号表紙を妖艶に彩る『変彩色の隣人』秘密と誘惑の宝石譚シリーズ第3弾

『変彩色(アレクサンドライト)の隣人』は創刊号から連載されているまとり先生の作品です。

「客にとって価値があるもの」を買い取り「その価値に釣り合う宝飾」を売る特別な宝石商がいろんな時代、いろんな国で本当に価値があるものを探す物語。一話完結のオムニバス作品となっています。

3号では舞台を現代に移し、出版社で週刊誌の記者をしている黒人の男性・ジョーを主人公に展開していきます。成績不振の中で編集長から指示で「金銭をとらない宝石商」の噂を取材することになったジョー。

ジョーは、ドラァグクイーン(女性の姿で行うパフォーマンスの一種)に憧れながらも、自分の記者としての仕事に誇りをもって生きてきました。

宝石商の本当に価値があるものを探す人生に触れたジョーが、自分の「普通の大人」を装うためのイミテーションな人生に価値を見出せていなかったことに気づいてしまうのです。

「客にとって価値があるもの」を差し出すという、その人の本質が否が応でも見えてしまうテーマに毎回「自分にとって価値があるものって?」を考えさせられてしまいます。「ドラァグクイーン」という聞きなれない言葉が物語の鍵を握っているので、要チェックです!

Twitterフォロワー160万人の大人気クリエイター・アボガド6先生の読み切り『不死身の国』

ウェブを中心に活動している映像作品やマンガを創作しているクリエイターのアボガド6(アボガドロク)先生の作品がマンガ誌に登場です!

最近ではMVで作品提供をしているシンガーソングライターの須田景凪(すだけいな)さんの歌詞とアボガド6先生のイラストを配したコラボTシャツがGUで発売されるなど、多方面で活躍されているアボガド6先生が描くのは、ちょっとシュールなファンタジー!

不死身の国では、夏に国内の成人した者が人魚の肉を食べるマーメイドフェスティバルが盛大に行われていました。人々はその恩恵で、若い姿を保ったまま死ぬことがありません。
そんな不死の国で、幼少の頃から人魚に心奪われ、その研究で抜きん出た成果を挙げる少年の恋の物語。

好きだから生態を研究した。好きだから美味しく育てようと世話をした。好きだから長い時間一緒に過ごした。好きだから・・・・。人魚を「僕の恋人」と言う少年はみんなに食べられてしまう人魚との最期をどう迎えるのか?ハッピーエンドではないかもしれないですが、これでよかったんだなと思えるラスト。あなたはどう思いますか?是非読んでみてください!

幻想と科学と亜人たちがひしめく国々の姿を描くアボガド6先生の最新作品集『アメデオ旅行記 下』は2021年9月30日発売予定です!こちらもお見逃しなく!

晴川シンタ先生の読み切り作品『最果てのアスマ』

BL作品が多い晴川シンタ先生のファンタジー作品が登場です!

孤児院で暮らす少女・ヤコは、勘違いから吸血鬼の生き残りとして村人に追われていたところを通りすがりの旅の青年・アスマに助けられます。空腹に耐えかね昏倒するアスマ。彼の旅の目的とはなんなのでしょうか。

素直で優しいヤコは「悪い大人」が大嫌い。でも素直さゆえに善人を装った「悪い大人」を見分けることができません。そんなアスマはヤコに「最後に自分を守れるのは君しかいない」と諭します。

読み切り作品の醍醐味であるテンポよく進む展開と美しい絵に誘われてページをめくる手が止まりません。アクションシーンやちょっとホラーなところもいいスパイス!続編が読みたくなる作品です!

このラジオは宇宙からの提供です⁉ 『ブロート・トゥー・ユー・バイ・ウチュー』

『ブロート・トゥー・ユー・バイ・ウチュー』は、不思議な設定で独特の世界観を感じる赤河左岸先生の読み切り作品です。

原始的な生活を行う泥慈英(でいじえい)村では、世の全てを知ることができる泥慈英様という存在が信仰を集めていました。主人公の少女・アカリは、母親が死に際に泥慈英様の神託を受けたことから、村の巫女として育てられていました。そんなアカリの前に、外界から迷い込んだケガレ人と出会い世界が変わっていく物語です。

泥慈英(でいじえい)村のでいじえいはDJからきているのでしょうか?最後の最後まで話の展開が掴めませんが、読後に「はー、そういうことだったのね」とストンと腹落ちする作品です。

商業誌初登場!本間保奈美先生の読み切り『モーニング・ルーティーン』

コミティア作家の 本間ほんや先生が本間保奈美先生に名前を変えて商業誌初登場です!

朝、穏やかで、ゆったりした少女のひととき。絵だけで語られる学校に行くまでの僅かな時間を伝えるショートストーリー。

たった8ページの中にパズルのように散りばめられた少女の秘密。私はまだ1つしか気づけていません。きっともっとあるでしょう。どのコマも意味がありそうで、なぞなぞを解く楽しさがあります。でも私は答えを早く知りたいんです!

第Ⅰ集発売目前!『悪魔学者サラ=コルネリウスの大事典』

「ASUKA」で連載されている藤也卓巳先生の『悪魔学者サラ=コルネリウスの大事典』出張版が登場です!

悪魔アスモデウスに育てられた少女サラは、印税で豊かな老後を過ごすため、悪魔を研究する悪魔学者になりました。悪魔の仕業に困っている人からの依頼を受け、悪魔の正体を推理するサラと悪魔アスモデウスの旅物語です。

妖怪大図鑑のような悪魔の生態を記した大辞典ができるようです!悪魔と一口に言ってもいろんな悪魔がいるようなので、ファンタジー界の重鎮ともいえる悪魔のことを知りたい方にはピッタリな作品ではないでしょうか?ホラーな雰囲気は全くないので、「悪魔=ホラー」と思っている方にもオススメの作品です!

『悪魔学者サラ=コルネリウスの大事典』の単行本第Ⅰ集は2021年8月24日発売です!

ノスタルジー溢れる淡いラブ・ストーリー『恋人よ』

「ASUKA」で何本か読み切り作品を描かれている庄野晶先生の作品です。

東京から田舎にある叔母の家に預けらた少女・フミは新しい環境に慣れず涙していたところを、セーラー服を着たこの葉と出会います。5年の月日が経って、自分もセーラー服を着るようになったフミとこの葉の物語。

戦後の時代背景を感じながら、復興していく東京と共に、新しいものが生まれるエネルギーと、年齢を重ねて変わっていくであろうフミが重ねられているような気がします。一緒にはいけないこの葉が多くを語らないのがより哀愁を誘います。

青騎士3A号 & 3B号〈8/20(金)発売〉に合わせて、描き下ろし漫画小冊子「青騎士バニー」は書店にて配布中!

「青騎士バニー」は、青騎士執筆陣による、バニーガールを題材にしたショートショートを集めた小冊子で、合計ページ数は72ページ。全編バニーガールの描き下ろし新作漫画&イラストが収録されているそうです。

※ 小冊子は青騎士3A号 & 3B号の販売促進用として、一部の書店で配布されるそうです。確実にゲットしたい方は、事前確認してくださいね!

▼購入可能書店はこちらをチェック!

次号の青騎士は10月20日ごろ発売予定!

書店に並ぶのが待てない、(重い!)という方には、発売日の0時から、雑誌をまるごと電子で読める電子版がおすすめです!

▼電子版はこちらから

▼2021年6月18日発売の第2A/B号のレビューはこちらから!おさらいにどうぞ!

OGP及び記事内画像は公式noteより
https://note.com/aokishi/n/n00a1a300a2ed