犬がテーマのテレビ番組や、SNSで飼い主が愛犬の可愛らしい写真をアップしているのを見ると、犬を飼ってみたいな、という憧れが芽生えます。
しかし、実際に犬を飼うとなったらどんな知識や心構えが必要になるでしょうか?
『DOG SIGNAL』では犬を飼う為の知識をわかりやすく解説してくれます。
登場人物とあらすじ
主人公・佐村は元カノが飼っていた犬・サンジュを押し付けられる形で飼う事になり、部屋で吠え続けたり、散歩をしても言うことを聞かず悪戦苦闘します。
ある日の散歩中に暴走するサンジュを止めたのは、ドッグトレーナーの丹羽という青年でした。
トレーニングの教えを請う佐村に丹羽が行ったことは、実際に佐村の首にリードを付け、サンジュが苦しい状況となりパニックになっていることを実感させること。サンジュの状態を身を持って実感し、佐村自身が知識を持たなければいけないと考えるきっかけになったのです。
「犬をコントロールできるように飼い主をトレーニングする」という信念を持つ丹羽にサンジュのしつけを依頼する為、費用を工面できない佐村は丹羽の店でドッグトレーナーとして働いて賄うことを決意します。
犬に関するわかりやすい解説が満載
作中では、トレーニングの方法について絵でとてもわかりやすく描かれているのでスムーズに学べます。
また、犬の去勢手術をすることは可哀相ではないかという疑問を抱く佐村に対し、丹羽は手術をしないことで起きる腫瘍等のリスクについて教えます。
去勢手術について漠然とした知識しかなければ愛犬の命を落とす事にもなりうる、というのが佐村を通じ読者にも伝わって来ます。
そして飼い主が知識を持ち変わっていくことで愛犬との信頼関係が芽生えていく喜びも丁寧に描かれいるのがこの作品の魅力です。
ドッグトレーナー達の想い
丹羽の下には、様々な飼い犬の問題を抱えた飼い主達が訪ねて来ます。
彼はその度に飼い犬と飼い主の問題を併せて指摘し、飼い主自身が変わる大事さを伝えながらトレーニングを行います。
「犬をコントロールできるように飼い主をトレーニングする」という信念を持った理由は、専門学校時代に犬に寄り添う指導をする尊敬していた恩師・藤原が、体罰を利用するしつけを行う方針のトレーナーへ変貌してしまった事が原因でした。
しかし、その様に変わったきっかけは実習中に犬に襲われる丹羽を助ける事と、その犬が処分されない為のやむを得ない事情から始まった出来事だったのです。
「犬を救いたい」という気持ちはどちらも変わりなく、藤原自身もいつか自分の仕事が廃業するのを願っていると佐村に伝えています。
体罰は決して良いものでは無いと理解しているものの、現実で直面した場合どうしたらいいかと常に考えさせられるエピソードです。
佐村は飼い主に寄り添いながら丹羽のトレーニングを一緒に学び、自分らしいトレーナーとしての基盤を着々と積み上げている最中。
そんな彼が丹羽の過去と藤原の想いを知ったことで今後どんな風に一人前のトレーナーになっていくかに注目です。
たくさんの人と犬の想いが描かれた『DOG SIGNAL』はComicWalkerにて読むことが出来ます。
犬を飼ってみたいという方や愛犬のしつけについて学びたい方、是非一度読んでみて犬の気持ちに触れてみて下さい。