Mr.マロウブルー

サマミヤアカザ / 著

『Mr.マロウブルー』別人に入れ替われたら、今いるこの世界は変わるのか?

Mr.マロウブルー』はサマミヤアカザ先生が描く、引きこもりの青年と闇持ち女子高生が入れ替わるお話です。

月刊ASUKAにて連載中で、2020年8月24日に1巻が発売されたばかり。このマンガのこだわりは。そのこだわりはカバーを見ると一目瞭然。思わず手にとってしまうほどに魅力的な一冊です。

過去に傷つき前に進めない青年

蒼井志月(27歳)は、過去にイジメられていた過去があり、高校を辞めてしまいます。変わりたい、変わらなければいけないと思いながらも勇気がでずに7年間の引きこもり生活。

外出は住んでいるアパートから徒歩2分のコンビニに行くのが限界です。

しかし、ある日そのコンビニでイジメの原因となった高校の同級生に遭遇してしまい、いつまで経っても前に進めない自分に絶望。なんとか7年間必死につないできた糸がプツンと切れ、衝動で自ら命を断とうとします。

しかし、意識が戻ると何故か女子高生・桜つむぎという別人に入れ替わってしまいました。

皮肉にも、「学校」というトラウマの場所に戻ってきてしまった蒼井はどうするのか…。

それぞれに傷を負っている少年少女

蒼井が入れ替わった相手・桜つむぎは、学校で現在進行形でイジメにあっています。誰かと入れ替わってでも、自分をいじめている相手をこの世から消したいと強く望んでいて…。

夜明けの空のような紫色の髪が特徴です。

脆く今にも崩れてしまいそうな彼女は、蒼井と入れ替わったことによって何をしでかすかわからない怖さがあります。

そして、二人の入れ替わりに巻き込まれてしまう男子高校生・水無月すばるはイケメンで人当たりもいいクラスの人気者。一見充実しているように見える人生ですが、実は自分の顔を含め人の顔を認識ができないという誰にも言えない悩みがあります。

それぞれに傷を抱え必死に生きている3人がどう交差していくのか見所です!

見た目が変わっても中身は同じ「マロウブルー」

タイトルにもある「マロウブルー」はハーブティの一種で、綺麗な青色をしています。温度が変わると青色からだんだん紫色に変わり、レモンを入れるとピンク色に変わる、そんなハーブティです。

見た目はまるで違うお茶に入れ替わったように見えますが、ただ見た目が変わるだけで同じお茶であることに変わりはありません。

これは、たとえ身体が入れ替わったとしても中身は自分のままであることを示してるのがとても意味深です。

こだわりがつまった神本

こちらのマンガは、装丁がとても手が込んでいて、作中でのこだわりの雨のイメージがカバーに表現されています。

カバーでありながらも、可能な限りの厚さを出すことで雨に濡れた曇りガラス感が表現されていて、この作品への強い自信と期待がとても感じられます。

電子書籍ももちろんですが、紙版でも手に取っていただきたい一冊です!

👉試し読みはコチラ

どうぞあなたもマロウブルーの世界へ☕️

Mr.マロウブルー【第1巻】 (あすかコミックスDX)
サマミヤアカザ/著