手塚治虫先生原作『鉄腕アトム』、ご存じの方も多いのではないでしょうか。代表作かつ名作中の名作ですが、こちらを『20世紀少年』などを手がけた浦沢直樹先生がリメイクした作品、それが『PLUTO』です。
少年少女に愛された『鉄腕アトム』とダークミステリーの天才・浦沢直樹先生が組み合わさった化学反応…!
第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第41回星雲賞コミック部門など、数々の賞を受賞!また、「このマンガを読め!2005」で1位を獲得し、さらに2006年版「このマンガがすごい!」でもオトコ編1位を取るなど圧倒的高評価を得ています。
『PLUTO』あらすじ
時は近い未来。ロボットが普及し、各家庭に家事用ロボットがある状況。特に高い能力を持った世界最高水準のロボットが7人いる。それぞれが高度な人工知能と高い戦闘能力を持っているにもかかわらず彼らが殺害される事件が起こる。
本作の主人公は7人のうち、ユーロポール特別捜査官ロボットとして活躍するゲジヒト。彼は一連の事件に深く関わっているとされる謎のロボット「プルートゥ」の正体を突き止めるべく、謎に立ち向かう。
絡みあう過去と深まる謎
世界最高水準の7人のロボットはかつて起こった戦争を終わらせるべく同胞であるロボットを大量に殺した過去を持っています。中には戦争参加に拒否したロボットもいましたが、その多くは消えない心の傷を負います。
日常生活のさなかフラッシュバックすることもあり、中でもゲジヒトは自分の記憶に確信を持てなくなります。他人からの問いかけに答えられなくなることも。本当に自分の記憶は本物なのか…?
一方で「プルートゥ」の正体にも謎が多く残ります。殺害現場に人間の痕跡が無かったことからロボットの犯行だと考えるが、そもそもロボットは人間を傷つけられないよう設計されていること。
殺害されたロボットやロボット関係者の頭にはまるで角のように突き立てられた枝や金属棒。「ボラ―」という単語。予想される気象の異常。数々の謎が巧妙にちりばめられたヒントによって一つにつながるストーリーには驚嘆!
ロボットは悪夢を見るか?
AIやロボット技術が発展してきた現在ではこうした出来事は想像に難くありません。今後の展開に私たちはついていけるでしょうか。ロボットと人間の違いが感じられなくなるのもそう遠くないのかも知れません。
もしあなたの持つロボットが悪夢を見始めたら…。何かの始まりなのかも知れません。