adabana-徒花-

NON / 著

『adabana-徒花-』最終巻発売!罪を分け合う少女ふたりの真実がついに明らかに 

NON先生初のサスペンス作品『adabana-徒花-』下巻が本日2021年7月16日に発売され、完結を迎えました。

上中巻あわせてすでに10万部を突破したという本作は、ある田舎町で起こった女子高生殺人事件の真相を追う物語。アルでは上巻・中巻とレビュー記事で追いかけてきました。本記事ではこれまでのあらすじを振り返り、最終巻となる下巻の見どころをご紹介します。

✅この先、中巻までのネタバレを含みますので十分ご注意ください。まだ作品を読んだことがない方はまず上巻のレビュー記事から!

美月が事件を語る上巻

ある日切断された死体で発見された女子高生の五十嵐真子。その犯人として自首してきた少女・藍川美月は、自らの犯行を詳細に供述します。担当弁護士のは、美月の話が真子殺害に関する部分だけ曖昧であることに違和感を持ち、部下の早見にも協力を仰いで「真子を殺したのは別の誰かでは?」と問いますが美月は認めませんでした。

完結記念!2021年7月29日まで上巻が無料で読める

adabana 徒花 (上) (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
NON/著

真子の視点で事実を知る中巻

事件の半年前にさかのぼり、真子の視点から少しずつ真相を追っていく中巻。本巻で重要人物となる真子の元彼氏・暁裕樹は、上巻で美月が語ったものとはまったく違う人物像で描かれますが、真子殺害事件との関わりは明かされぬまま…。ただひとつ、事件の発端となった真子の叔父の殺害は美月ではなく真子の犯行であったという事実が明らかになります。

adabana 徒花 (中) (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
NON/著

下巻を読む前に…レッツ推理!

すべてを知る前に自分なりの予想を立ててから臨んでみるのも一興。中巻までに出てきた主な未解決ポイントを整理してみましょう。

  • 真子の死体の頭部と手首が切断されていた理由(上巻 p.139)


  • 真子の父親も行方不明」という情報の真相(上巻 p.155)


  • 美月が弁護士早見との面会後に見せたこらえきれぬ笑いの意味(上巻 pp.190)

  • 美月の兄が2年前に自宅で死亡した事実の詳細(中巻 p.41)


  • タイトルが「徒花」であることの意味


    ※徒花とは:咲いても実を結ばない花。むだ花。見せかけだけで結果が伴わないこと。

その他、美月が弁護士辻に見せた不気味な笑顔(上巻 p.141)や、くり返される「全部消す」という言葉(中巻 pp. 222-224)も気になるポイント。…さて、あなたはこれらをヒントに事件の真相にたどり着くことができるでしょうか?ちなみに筆者はまったくダメでした。

なるほど、わからん

真実の先にあるもの

下巻は中巻の続きの時点から、美月の視点に切り替わって事件の真相が描かれます。そして舞台は法廷へ…。弁護士の辻と早見の見事な働きによって、もともと小説家を目指していた美月が作り上げた綿密なシナリオが美しく実を結んでいく様が本巻の見どころです。

この物語は、一連の殺人事件がすべて見せかけだったという意味で徒花でした。しかし一方で「自殺では裁かれない悪を裁く」という美月の決意が果たされたという意味で徒花ではなかったと言えるかもしれません。

弁護士早見が最後に力強く放つセリフが深く印象に残ります。その言葉は、ぜひ作品を手に取ってご自身の目で確かめていただきたいと思います。

作中で起こった事件は、貧困・毒親・性的虐待・ストーカー・DVなど決して無視できない社会問題が背景にあります。事件の真実だけではなくその奥にあるものまで、ぜひすくい取ってください。

悲しくも美しいラストシーンにも注目

adabana 徒花 (下) (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
NON/著

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公式YouTubeチャンネルも開設

下巻発売を機に、NON先生の作品情報が見られる公式YouTubeチャンネル「株式会社 ねこの手」が開設されました。チャンネル登録をして今後のNON先生の作品も追いかけていきましょう!