おいしい日本地理〜まんがでわかる中学地理&ご当地グルメ〜

ぷぇんすく / 原作 くじょう / 漫画

『おいしい日本地理~まんがでわかる中学地理&ご当地グルメ~』食×知識×一人旅。日本を楽しむ方程式!

おいしい日本地理~まんがでわかる中学地理&ご当地グルメ~』は、地理が学べるグルメマンガです。原作:ぷぇんすく先生、マンガ:くじょう先生のコンビにより、講談社コミックDAYSで連載されています。

日本中を旅するのは、(かなで)。ボブヘアとワンピースが似合う若い女性です。

おいしいものが大好きな彼女。地理の知識、という風変わりなスパイスをたっぷり振りかけてグルメを楽しむ食通です。彼女を見ていると、あの頃は見向きもしなかった地理の教科書を引っ張り出して、いつの日か訪れたい観光地への思いを馳せてしまうこと間違いなし!

旅の楽しさが何倍にもふくれあがる

なぜ、地理なのか。それは旅を何倍にも楽しむためなのかもしれません。

例えば、静岡県の下田市は伊豆半島に位置する観光名所です。温泉が有名ですよね。実は、景色を楽しむ、という点でもオススメなんです。とくに、ハートの形をしている「龍宮窟」という洞窟は、カップルや夫婦から人気があります。長い時間をかけ、波や風が岩を削って形作られた洞窟です。

そう、浸食ですね。

あぁ、となる地理の知識。今この瞬間まで忘れていたとしても、必ず学校で教わっています。本作で登場する知識はどれも聞き馴染みがあるために、身体にすんなりと染み渡るのです。

どこかなつかしい、学校の景色さえ蘇ってきます。

ご当地グルメ「玉子焼き」

旅の楽しみといえば、グルメも。奏がおいしそうに頬張る姿は、本作最大の魅力でもあります。

みなさんは「玉子焼」というご当地グルメをご存じでしょうか?

殻が入らないように割った玉子をボウルで溶き、サラダ油を引いたフライパンに流し込む。卵液にすぐ熱が通るほど温めたフライパンの上で、焦げつかぬようにサッと巻いていく。それが玉子焼。

ではありません。

実は、兵庫県明石市の名物「明石焼」のことなのです。漆の塗られた板に颯爽と並べられた、卵色が際立つふんわりとしたたこ焼きのようなそれを、出汁を付けて食べるご当地グルメ。地元の人からは玉子焼という愛称で親しまれているのですね。

奏が体験して知り得た知識には、ついつい自分が体験してきたかのように語ってしまいたくなるワクワク感があります。きっと明日は、誰かに教えたくなるに違いありません!

人には住む理由がある

地理の知識をスパイスにグルメを楽しむ奏は、私たちに旅の楽しみをもう1つ教えてくれています。

それは、人との出会い、です。

奏は旅の中で、必ず現地の人と会話をします。お会計の時にする世間話や、道を尋ねるちょっとした会話。しかし、そのちょっとした会話がきっかけで新しい世界に足を踏み入れることもあります。鹿児島県では、砂蒸し風呂と出会いました。

ところで、鹿児島といえば桜島。噴火が頻繁に起こる地域での生活は、危険と隣り合わせです。なぜ危険だと判っていてなお、この地に住むのでしょうか。奏は疑問を浮かべていました。

それでも実際に現地を訪れ、地熱を活用した蒸し芋を分けて貰い、砂蒸し風呂で身体の芯まで温まり、ヨーグルッペを飲みながら温泉で汗を流す。目の前には美しい桜島の景色。そして奏は、気づきました。鹿児島で暮らす理由に。

人と出会い、予定を組み替えなければ大切な答えを見失ったままだったかもしれません。地理、グルメ、そして奏自身の経験が揃うことで、本作は完成するのです。

誰にでも楽しめる日本の歩き方

本作で取り扱う知識は、どれも中学地理をベースとしています。どこかで聞いたことがあるような、それでいて新鮮な気持ちを味わえる知識たち。難しい方程式は必要なく、知っているだけでこんなに楽しめる。そんな気持ちを思い出させてくれる1冊です!

紙をめくると、旅にでる

おいしい日本地理~まんがでわかる中学地理&ご当地グルメ~ (モーニングコミックス)
ぷぇんすく/著,くじょう/著