Twitterで『#おたみのお頼み』シリーズを連載されているおたみ先生。2020年4月には初の電子書籍『おたみのお頼み(1)』が発売されました。
『#おたみのお頼み』は、担当編集者とのLINEでのやり取りがそのまま作品になっているのが特徴です。描きたいマンガのアイデアを伝えるおたみ先生と、それに突っ込む担当編集者さんの小気味よいやり取りに、思わず笑ってしまいます。
少年サンデーの編集者に猛スピードの彼女を描いたら意外とハマってくれた。
(1/2)#おたみのお頼み pic.twitter.com/WhhA207i4O— おたみ (@otamiotanomi) October 25, 2019
ぜひツイートをクリックして読んでみてください!
LINEのやり取りを見ていると、毎回お二人のボケとツッコミのレベルの高さと、ぴったり合った息に驚かされます。アルは制作背景を探るため、おたみ先生にDMでインタビューしました。
おたみ先生にインタビュー!
ーーこの度は取材をお受けいただき、ありがとうございます!Twitterでは作品はもちろん、お姉さまとのやり取りなどを楽しく読ませていただいています。
テレワークで
自宅で暇になりすぎた姉が
廊下で会うたびに
ディフェンスしてくるようになった。 pic.twitter.com/E0BeAgmKte— おたみ (@otamiotanomi) April 12, 2020
ありがとうございます。ちょうど今、姉が目の前を通りました。左右違う色の靴下を履いています。姉は適当に毛布を纏う感覚で、靴下をチョイスしたのだと思われます。彼女は今、会社にほとんど出社せずにリモートワークをしているので、PC画面に映る上半身だけが、彼女にとっての社会なんだと思われます。
彼女は外では愛想の良い会社員、家では暴君の長女という極度の内弁慶でしたが、今の時世で彼女は上半身、下半身でそれを体現しています。我が家の自慢のケンタウロスです。
ーーお姉さまとの絶妙な関係性が、見ていて面白いです(笑)。電子書籍として『おたみのお頼み 』の発売、おめでとうございます。おたみ先生の心境を教えていただきたいです。
ありがとうございます。とても嬉しいですね。僕は貧乏で最近までガラケーを使用していて、スマホ使用者を見る度に「ブルジョワ」と羨望と嫉妬の眼差しで眺めていたのですが、そのスマホの一つひとつに「もしかしたら僕のマンガが入っているのかも」と思うと、彼ら彼女らのスマホを撫でてあげたくなります。図らずとも、スクロールされてしまいますが。
ーースマホの背面を撫でなきゃですね(笑)。『おたみのお頼み』は、担当編集者さんとのLINEのやり取りがそのまま作品になっているのがとても斬新です。
少年サンデーの編集者に
「ダンベル」
にも神対応出来る
キャバ嬢を描いたら少し理解してくれた。
(1/2)#おたみのお頼み pic.twitter.com/Ji2DY6dC1r— おたみ (@otamiotanomi) January 31, 2020
ーーこのシリーズはどういった経緯で始まり、書籍化につながったのでしょうか?
ありがとうございます。担当編集者様から送られてくる文面が面白かったので、「そのまま晒してみよう」と始めました。マンガ制作の現場のやり取りって会話も含めて意外と面白くて、原稿と合わせて投稿すればより楽んでいただけるかもと思ったんです。
書籍化が決まった流れは、本当に『おたみのお頼み』で描いたままです。もちろん単行本になってほしかったですが、何も決まっていなかったので、「期待しすぎると傷つくな」と考えないようにしていました。これは僕が過去の恋愛から学んだ処世術です。
少年サンデーの編集者に
「単行本化」のお願いをしたら、なぜか中華丼の話をされた。#おたみのお頼み
(1/2) pic.twitter.com/NATFzwN9Aj— おたみ (@otamiotanomi) March 20, 2020
ーー落ち込むことがなくて良かった…!毎回、編集者さんからのツッコミがとても冴えていて、かつパターンがたくさんあり、面白いです。
ありがとうございます。本当に、そのまま送られてきたLINEをスクショしているだけなんですよね。
ーーそうだったんですね、すごい!お二人はとても仲が良さそうで、読んでいて微笑ましいです。
ありがとうございます。担当編集者様とは、もう10年の付き合いになります。僕が週刊少年サンデーの新人賞に投稿して、担当になってくださいました。感謝しかないです。
ーー新人賞に投稿されたときからのお付き合いなんですね!最後に、おたみ先生のご活動の展望を教えてください。
このまま頑張って描いていきたいです。読んでくださっている方々、本当にいつもありがとうございます。今回はこの様な素敵な機会をいただき、ありがとうございました。
あとがき
DMでの取材に応えてくださったおたみ先生。どの質問も楽しく読めるよう工夫してご回答くださり、本当にありがとうございました!
担当編集者さんとのLINEでのやり取りをどのように作品として成立させているのか気になっていたのですが、「本当のスクショしただけ」という背景を知ってとても驚かされました。
普段のやり取りがこれほど楽しめる作品になるのも、10年間、作品についての意見を交わし合い、お互いのことを深く理解している二人だからこそだと思いました。
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