「おやすみシェヘラザード」は篠房六郎先生による、映画レビューマンガです。
表紙だけをみた人は、絵柄のキレイさ、登場人物の美しく、妖艶な魅力を感じると思います。そして、最初の数ページを読むと「おっ、女の子と女の子がいちゃいちゃするマンガか?」と勘違いするかもしれません。
しかし、冒頭にも書いたとおり、「おやすみシェヘラザード」は、映画レビューマンガです。
「現実にある映画のおもしろさを伝えるマンガは、ほかにもあります。しかし、このマンガのおもしろいところは・・・。
説明役の箆里先輩の説明が、めちゃくちゃ下手なところなのです。
話の流れは基本的には「つまらない先輩の映画の説明を聞いて、主人公がどうしても眠くなって、最終的に寝る」というマンガです。なんだそれ!
この流れで続くので、どうなるんだ?と思っていましたが、基本的にはずっとこの調子です。
個人的にはかなりツボにはいりました。たとえば、ホラー映画の説明では、こんな感じに「出てきたのがなんと、すっごく怖い、謎のオバケだったのよ〜」などといってしまうので、全然伝わりません。
「君の名は」などの超有名作品の説明でも、いちいち「覚えておいてね〜、これちゃんと、伏線だから〜」というので、うざいことこの上ないです。
そんな感じですすんでいくマンガです。
映画がめちゃくちゃ好き!という感じが伝わるマンガなのですが、説明が下手すぎて映画の内容は伝わらない、という、あまり見たことがないマンガですが、、、
個人的には「その映画、そう説明する?」というおもしろさがめちゃくちょよかったです。笑ってしまう。
あと、説明しはじめた序盤で、その映画の展開を思い出して泣いちゃったりする。説明下手あるある。
という感じで、だいぶ異色に見えると思いますが、巻が進むにつれ、キャラクターが増えてきて、おもしろさが倍増します。
要はディープなオタク同士のコミュニケーションのコミカルさや情熱を、美女たちにやってもらうことでオブラートに包んでいる、という趣旨のマンガなんですよね。
この記事を書いている筆者は、「好きなものを好きといえる」というのがとても好きで、そういう世界を求めているので、こういうマンガが大好きなのです。
というわけで、映画の知識がなくても楽しめるので、ぜひぜひご覧ください。
作中で出てくる映画
1巻
『裏切りのサーカス』
『ファンタスティックMr.FOX』
『呪怨』
『君の名は。』
『アウトレイジ』
『第9地区』
『きっと、うまくいく』
『パーフェクト・ワールド』
2巻
『お嬢さん』
『魔法少女まどか☆マギカ』
『スターウォーズ エピソード8』
『マッドマックス ~怒りのデス・ロード~』
『お茶漬の味』
『ザ・レイド』
『スピーシーズ』