『きのう何食べた?』は週刊モーニングで2007年より現在も連載中のよしながふみ先生による同性愛の40代カップルの日常を描いた作品です。物語は弁護士事務所に勤める40代半ばにして類い稀な美貌を誇る筧史郎と、史郎の二歳歳下で町の美容室に勤める矢吹賢二の二人の生活感溢れる日々が描かれます。
こんな美味しいゴハンを毎日食べたいっ!
史郎と賢二の性格は面白いくらいに真反対。几帳面でしっかり者の史郎さんと、ちょっと抜けてるけど史郎へのストレートな愛情表現に溢れ、愛らしさ溢れる憎めない男賢二。時にぶつかる時もあるけれど、史郎さんの作る極限まで経費を削りつつ(←!)美味しくて見た目も美しくて、思わずウチでも作りたい!と思える料理の数々。
調理の過程も分かりやすく解説してくれているので、実際に史郎さんの真似をして料理を作ってみるという楽しみ方もアリです!賢二もうなるお手製ごはんの数々をご覧あれ。
で、ケンジのこの笑顔!#きのう何食べた?#西島秀俊#内野聖陽 pic.twitter.com/USlFTnyZIs— モーニング公式 (@morningmanga) June 28, 2019
偏見、家族との確執、偏見への描写に考えさせられる
流石よしながふみ作品だなと思わせてくれるのが、同性愛カップルであるが故の周囲の偏見であったり、心無い言葉を言われ傷付く、といったシーンもしっかりと描かれている点です。実際、賢二は仕事先に自分が「ゲイ」であることをカミングアウトしていますが、史郎さんは職場の人間に対してカミングアウトをしていません。
そんな重苦しくなりがちな場面も、画力とキャラクターの魅力でライトに感じとることが出来つつ、色々と考えさせてもらえる点があることも本作品の堪らない魅力になっていると感じます。
日常を分かち合える理解者がいる幸せ
美味しいゴハンを一緒に食べられるパートナーの存在。今日の出来事を嬉々として話すことが出来る。軽い合槌を交えながらもだらだらと続く暖かい時間。本作を通じて、日常を分かち合える存在の有り難さをひしひしと感じられる『きのう何食べた?』。是非、ご一読頂きたいおススメの一冊です!