せんせいのお人形

藤のよう / 著

『せんせいのお人形』7巻最速レビュー!育児放棄された高校生が学ぶことの意味を獲得していく物語 1~2巻キャンペーンは9/2まで!

「知識」それは、自分が手放さない限り誰にも奪われることのない心の糧。

パーソル総合研究所がまとめた2019年に発表されたデータでは日本人は「社会に出たら学ばない」というショッキングな内容だったので、コラムや記事で目にされた方が多いのではないでしょうか。

果たして、本当にそうなのか。本記事では2021年8月27日に発売された『せんせいのお人形』最新刊のレビューと共に、「勉強」という定義を再確認してみたいと思います。

令和時代の「マイ・フェア・レディ」

せんせいのお人形』は藤のよう先生のデビュー作COMICO(コミコ)というマンガウェブサービスでコミコオリジナル作品として連載されていました。「WEBマンガ総選挙2019」では堂々6位入賞。「次にくるマンガ大賞2018 Webマンガ部門」では14位に入賞しています。

身寄りのない女子高生・スミカを名門女子高教師である昭明(しょうめい)が引き取ることになり、唐突的に始まった2人の共同生活。 高校生になっても礼儀を知らず、自分の状況も把握できない、ただ言われたことをするだけのスミカに対して、昭明は宣言します。

「おれは教育するよ、君を」

人として扱われることなく、高校生になってしまったスミカに、お風呂には毎日入る、髪をとかすといった生活習慣から言葉遣い、姿勢に至るまで事細かに教育していく昭明。人馴れしていない野良ネコみたいだったスミカが、「自分を心配してくれる人がいる」ことに気づいて変わっていきます。

「ありがとう」「ごめんなさい」の意味を知り、自分から使えるようになってからの成長は凄まじく、あっという間に挨拶や気遣いを覚え、表情に変化が生まれ、相手を気遣った「会話」ができるようになります。育児放棄されていたスミカが、学ぶことの意味を獲得していく過程に、生きていくうえで切っても切り離せない「学び」について考えさせられる作品となっています。

「好き」×「習慣」=「勉強」⁉

小学生レベルの知識しか無かったスミカが、自分の出生を知る六花一佐(りっか・いっさ)との賭けで有名私立高校の編入試験に挑戦することを決めました。彼女を駆り立てる理由は、自分を救ってくれた昭明と、やっと手に入れた自分居場所を守るために。

一通りの勉強方法を試したけれど、どれもうまくいかなかったスミカ。唯一の手掛かりは自分が「面白い」と初めて感じた自分の興味関心を繋ぎ合わせて見つけた「勉強する意味」の解釈までの道のりでした。

スミカは、特定の科目を得意としているクラスメイトの勉強方法を聞いていくうちに、「好き」と「習慣」になっていることは「勉強」に繋がっていることを突き止めます。

知らない間に身についたことも「学び」に繋がっている

スミカが獲得した「知」は、多くの人にとっては空気のように当たり前で、知らず知らずのうちにできるようになったことを「苦労して獲得した」と言う人はいないでしょう。

「勉強」は学校で学ぶことに限られないはずなのに、「勉強」の持つイメージは、机に向かって先生に教えてもらうこと以外は「勉強」ではない。と思っている方もいるのではないでしょうか。

何をもって「勉強」とするかは、個人差があるでしょうが、狭義である「勉強」のイメージだけで自分は「勉強できない」と思っているとすれば、本当にできないかどうかは自分では気づくことができないのではないでしょうか。

2人の未来は重なっているのか?最終巻は10月29日発売予定!

自分がそこにいるだけで喜んでくれる、困ったときに必ず手を差し伸べてくれる昭明に少しずつ惹かれていったスミカ。はっきりと自分の恋心を自覚し、日に日に大きくなる昭明への想いを隠していたのに一佐にバラされてしまいます。

保護者だから、よくあることだからと、自分の気持ちは隠してスミカの告白を遠ざけてきた昭明。

ようやく向き合った昭明の出した答えとは⁉ 切なくて優しいラブストーリーは次巻でフィナーレを迎えます。最終巻の8巻は2021年10月29日に発売予定です。

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本編は連載終了していますが、comicoアプリまたはサイトから最終話まで読むこともできますので、続きが気になる方は是非そちらもチェックしてみてくださいね!

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せんせいのお人形 1【フルカラー】 (comico)
藤のよう/著