『とけだせ！みぞれちゃん』は2019年5月にジャンプ＋にて連載が開始された、足袋はなお先生の作品です。
あらすじ
小学生のひまりが叔母のこはるに頼み込み、冬から冷凍庫に入れ続けていた雪だるま。ひまりが夏に再びこはる家にやってくると、そこには雪だるまではなく雪女がいて……！？そんな、雪女と少女のハートフルストーリー。
本作は、みぞれちゃんやひまりの可愛さに癒される、素敵なマンガです。
その一方で、公式で「溶ける系雪女コメディ」という謎のジャンルで銘打たれているように、一癖も二癖もあるマンガでもあるんです！
バイオレンスマンガ顔負けの猟奇的シーン
本作の舞台は真夏の田舎。そんな状況で雪女が無事に生活できるはずもなく、みぞれちゃんは何度も何度も身体を溶かしてしまいます。痛覚はなく、冷凍庫に入れると復活するという設定があるにせよ、1話の中で何度も手足が吹き飛び、頭が溶ける衝撃は読者を飽きさせません。
暑さにやられる描写も夏の太陽一辺倒ではなく、
炊飯器の蒸気を受けて頭が溶ける
ひまりを肩車して、内ももの体温で首が吹き飛ぶ
熱々のうどんを食べて口内から溶ける（ちなみにみぞれちゃんはこの感覚が大好き）
頭が花火と一緒に打ち上げられて雪を降らせる
などなど、日常を全力で楽しんでいるからこその猟奇的シーンが随所に見られるんですよね。「溶ける系雪女コメディ」、読んでみたらものすごく納得できます。
要所で見せる温かみに不意を突かれる
ただ、「溶ける」は本作の一要素でしかありません。みぞれちゃんが上であげたようにボロボロになりながらも外に出るのは、自分を助けてくれたひまりと遊ぶため。ひまりもみぞれちゃんのために、夏の楽しみをたくさん教えようと、小学生ながらに知恵を振り絞って頑張ります。
みぞれちゃんが川遊びできるように氷水を飲ませて体積を増やしたり、ひまわりや花火など、夏ならではの光景を見せてあげたり……。ひまりの健気さには何度も心を打たれてしまいます！
お互いに相手が喜んでくれるかを一生懸命考え、その施しに全力で応える。衝撃的なギャグマンガなだけでない、雪女と女の子の優しい物語でもあるのが本作なのです。
人に優しくしたいと思えるようになるマンガです。
『とけだせ！みぞれちゃん』の魅力、それは「溶ける」と「優しさ」です。
そんな本作は金曜更新！1週間の疲れを笑いと温かみで回復し、優しい気持ちで休日を迎えられるようになりますのでぜひ読んでください！
https://shonenjumpplus.com/episode/10834108156636582133
