女の子だって勝負の世界は可愛いだけじゃ満足できない。
『はるかなレシーブ』は女の子の和気藹々とした可愛いコミュニケーションと、ビーチバレーの世界に青春を懸けるアツい展開が両立する物語です。
本作は如意自在先生により執筆された作品であり、2020年9月24日発売の『まんがタイムきららフォワード』にて最終回を迎えました。
『まんがタイムきらら』系列ではお決まりの、緩くて可愛い女の子の魅力がしっかりと描かれつつ、ビーチバレーという厳しい世界の熱も帯びています。読み進めるたびにその熱量が伝わってくる作品です!
物語を生み出した2人の凸凹
本作の主題であるビーチバレーは2組のペアが基本です。ペアを成立させるためには相性が大切で、お互いへの理解、信頼、思いやりが欠かせません。
それだけに苦難を乗り越えた2人にはかけがえのない物語が生まれます。本作では大空遥と比嘉かなた、2人の絆こそが『はるかなレシーブ』のストーリーそのものを作り上げるのです。
大空遥(おおぞらはるか)
町を歩けばファッションモデルかと噂されるほどの高身長の持ち主。本人はコンプレックス意識を感じているものの、体育の時には大活躍するようなポテンシャル秘めています。
1人きりで引っ越してきた沖縄の土地で、いとこのかなたと再会しました。最初は距離のあった2人ですが、かなたとの友情を深める中でビーチバレーの魅力に気づきます。
比嘉かなた(ひがかなた)
はるかとの再会では、小学生と勘違いされてしまうほどの低身長の持ち主。伸び悩んだ身長が原因で大好きだったビーチバレーの世界から遠ざかることになります。
彼女はコートに立てなくなった理由を自覚しており、再び立ち上がるためのきっかけを求めていました。はるかの素直で優しい思いに触れたことで、かなたは大きな決断を下します。
初心者でも分かりやすい丁寧な知識解説
突然ですが、ビーチバレーの試合で着用できる水着の規定をご存じでしょうか?
実はビーチバレーに特定のユニフォームはありません。遊びに行く時のように可愛い水着でも良し、極端な例を挙げればスクール水着でも良しなのです。
だったらどんなことがルールになるのだろう、そのような疑問は私たちと同じくらいビーチバレーのルールを知らないはるかと一緒に学んでいきましょう。
日常生活で得にくいビーチバレーの知識でも、素直なはるかと一緒に身につける感覚は非常に心地よく、スポーツに詳しくない読者でも置いてけぼりにならずに作品を楽しめるのです!
スポ根×可愛いの絶妙なバランスがやみつきに!
はるかは沖縄の海で、彩紗と成美という女の子たちに出会います。彼女たちのビーチバレーに和気藹々と参加する中で、はるかはビーチバレーのルールや難しさと触れ合うのです。
しばらくして、合流したかなた。どうやら彩紗と成美はかなたと知り合いのようで、事情を知らないはるかを余所にコートはただならぬ雰囲気に包まれます。
そして押し切られたかのように申し込まれた突然の試合。かなたと成美たちの間に何があったのか、ビーチバレーとはどんなスポーツなのか、可愛くもあり真剣な彼女たちの物語に読者の気持ちは沸々と高まりを見せます!
立ちはだかる最初の壁に飛び、打つ!
1週間後の試合に向けて特訓を始めるはるかとかなた。しかし相手は同学年で高校生チャンピオンの彩紗と成美。圧倒的すぎる壁への挑戦を前に、ページをめくる読者の手は止まりません。
試合の秘策は「カットショット」。初心者には難しい技です。しかし上手く決めればチャンピオンにさえ一矢報いる可能性を秘めています。
果たして勝負の行方はどうなるのか、そしてかなたと成美たちの過去とは。ビーチバレーの魅力に心躍らせるはるかと、悩みながらコートに降り立つかなたが繰り出す未来への1球を、ぜひともご自身の目でご確認ください!