大注目のマンガ家・和山やま先生の最新作『カラオケ行こ!』。発売前から重版決定、発売直後から書店で在庫切れが続出する人気ぶりに注目が集まっています!
この作品を読んでから1ヶ月、私は心を乱されっぱなしです。1巻で完結するため1時間もあれば読めますが、本作の2人の男に長い時間心狂わされること間違いなし。本記事では『カラオケ行こ!』が心を乱してくるポイントをご紹介します。
あらすじ
主人公の聡実は、合唱部の部長を務めるごく普通の男子中学生。そんな聡実が、ある日突然ヤクザの男にカラオケへと拉致されます。
男の名は成田狂児。成田はとある事情でどうしても歌が上手くなりたいと、聡実に歌のレッスンを頼み込むのです。聡実はしぶしぶ承諾し、カラオケを舞台にした不思議な交流がはじまります。
【本日発売】
ビームコミックス最新刊‼︎
『カラオケ行こ!』和山 やま
歌がうまなるコツ教えてくれへん?
合唱部部長の聡実はヤクザの狂児に歌のレッスンを頼まれる。
やがて、ふたりの間には奇妙な友情が芽生えてきて……?https://t.co/kgXgUhoHpM pic.twitter.com/5vaepsJDo3— コミックビーム編集部 (@COMIC_BEAM) September 12, 2020
名前の通り、ひとを狂わせるズルい男・成田狂児
『カラオケ行こ!』の魅力の一つはなんといっても成田狂児というキャラクターです。黒髪をオールバックになでつけ、スーツで黒塗りの高級車を乗り回す。そして胡散臭い笑顔を浮かべる彼は、絵に描いたようなヤクザ。
表紙全体図です pic.twitter.com/RupMcu3UNY— 和山やま (@wymaaa) September 11, 2020
けれど、中学生の聡実の前ではタバコを我慢したり、歌のレッスンを頼みに来た時にはかっちりスーツを着ていたり(2回目以降のレッスンではネクタイ無しと、若干ゆるくなっている)と、律義さを持ち合わせているのです。
さらにカラオケではパフェを注文し「生クリーム多めで」とリクエストするなど、可愛らしいギャップも…!
こうしたズルいギャップや大人のズルさが作中でこれでもかと、でもさりげなく散りばめられています。何度も読み返して初めて発見できるものもあります。
一番核心的な彼のズルさはネタバレになってしまうため、ぜひ読んで「成田狂児…ズルい男やわあ~!」と一緒に狂いましょう。
ちなみに私は、彼がカラオケで練習した曲のプレイリストを作るほどには狂わされています。
和山先生のシュールな笑い
和山先生作品の醍醐味"シュールな笑い"ももちろん健在です。コミックシーモアなどで試し読みができるのですが、試し読みパート終了直後のシーンは和山節が炸裂しています。
登場人物の多くが強面の男たちだからこそ、シュールさに拍車がかかっているのも『カラオケ行こ!』ならではの面白さです。
2人の関係は、友情なのか、なんなのか…解釈はあなた次第
聡実と狂児の関係は公式には「奇妙な友情」と表現されています。本作の面白いところは、読む人によって2人の関係を表す言葉が分かれるところ。
友情と表現する人もいれば、愛という人、さらにはブロマンス(友情よりももっと親密で、精神的な結びつきの強い男性同士の関係)という人もいます。
4枚目で限界がきた表紙ラフ案です pic.twitter.com/Cc4DmlBMsA— 和山やま (@wymaaa) September 11, 2020
1巻完結の作品で、これだけ解釈が分かれる作品もあまりないと思います。
キャラクター同士の関係性に惹かれる方、つい思いを馳せてしまう方に特におすすめです!