『ギャルと恐竜』は(まさかの)映像化も実現した話題のマンガ。ある日、ギャルが酔った勢いで家に恐竜を入れてしまったことから始まるのんびりとした日常を描いた物語です。
ただのほのぼのとした物語と思いきや、その優しさ溢れる世界観は、登場人物たちの恐竜に対する偏見の少なさと、恐竜が人と同等レベルに受けられるサービスの多さに由来します。
その二つのことを中心に紹介していきたいのですが、まぁ、難しいことは抜きにして、とりまコマと一緒に確認しよー!
悩まないギャルと悩まない恐竜
ギャルの楓(かえで)は酔った勢いで家に恐竜を連れ込んだって、悩みません。思い出したときにはヤベーと思っても一瞬で頭はバイトに切り替わります。
恐竜も急に家に連れてこられても悩みません。喋ることはできないですが、コミュニケーションはきちんと取れる。どうやっているのかはわかりませんが楓とスマホで会話したりもしていました。そういう説明的じゃないところも『ギャルと恐竜』の素敵なところです。
偏見?何それ?
この平和な世界観を作っているのは楓と恐竜のキャラクターだけではありません。
彼らの周りにいる人、いや、『ギャルと恐竜』に登場する全ての人が、とにかく偏見がなくてとっても素敵です。
楓が恐竜を「部屋に入れるのマズかったっスか?」と聞いたときに、大家さんは「ウチの猫ちゃんたちが怖がらないなら大丈夫かな…」とだけ言います。恐竜がいることに対する驚きはゼロでした。
そうです、このお気楽さが登場人物の全員にあるんです。しかもこの大家さんは恐竜に掃除のアルバイトをお願いするようにまでなります。この平和な世界観が素敵すぎる。
楓の元カレも、恐竜と初対面で勝手にトランプで盛り上がってました。
楓の友達も喫茶店で同じテーブルに座れるし、しかも、恐竜から一口もらえちゃう。この後、恐竜にめっちゃバイトと恋人の愚痴を聞いてもらったりもしていました。
道ゆく外国人だって恐竜に丁寧にお礼を言ってくれます。(恐竜と外国人がどんなふうにコミュニケーションを取ったのかは本編をぜひ読んでみてください!)
素敵な登場人物たちが描く、羨ましいと思わずにいられないほどの平和な世界観です。
恐竜だってサービス受けれるっしょ
もう一つの優しい世界の理由が恐竜が受けれるサービスの数々。
ボートに一人で乗るなんて当然で、
タクシーにも乗れるし、
飛行機にだって乗れます。もちろん人と同じ座席で。
他にも、動物園に入れたり、
映画館に入れたり、
博物館に入れたりします。(恐竜の恐竜に対する反応は本編でぜひ!)
他にもカラオケに入れたり、コンビニで買い物ができたり、居酒屋に入れたり。書き出すとキリがないのですが、とにかく人が受けられる権利のほとんど全てが、恐竜にも当然のものとして存在するんですね。
当然のように権利がそこにあるというのが、こんなにも心温まるものとは思いませんでした。
『ギャルと恐竜』はのんびりした気持ちになりたいときにおすすめの一冊です。ただ、そこから更に一歩踏み込むと平和な世界観を作るための工夫があることに気づかされました。とても素敵な作品です。