『スタンドUPスタート』の第3巻が2021年5月19日に発売されました!リアルすぎるスタートアップを描いた本作品の最速レビューをご覧ください!
『スタンドUPスタート』とは
『スタンドUPスタート』は、刑事が泥棒に育てられるという数ある刑事物の作品の中でも異色の設定が話題を呼び、TVドラマ化もされた大人気『ドロ刑』の作者、福田秀先生が描く、「起業」をテーマにした作品で、週刊ヤングジャンプにて2020年より連載されています。
キャバクラで出会った大手バンクの部長の肩書きを持っていると自称する林田の嘘を一瞬で見抜いた謎の男・三星大陽。「人間投資家」と名乗る大陽は、不器用で取り柄もなく、会社の負債といわれ、自信を無くしていた林田に向かって、スタートアップを勧めます。大陽は一見起業には向かなさそうな人を捕まえては、「“資産は人なり”」と、人の可能性を信じ、支援の手を差し伸べます。
彼がここまでする目的はなんなのか?それは、起業後進国の日本を起業先進国にすることだった!本作品は「起業」という選択肢を通して識る、新時代の成功の秘訣が学べる作品となっています!
本日、スタンドUPスタート
3巻発売です!
コロナ禍での飲食業
パチンコ
転生したら渋沢栄一
など、収録されてます🙌🏻
おまけ漫画に投資詐欺のほとんどがこの手段という
“ポンジスキーム”注意喚起漫画あります〜🙌🏻 pic.twitter.com/8ZZI4Y9xQT— 福田秀☀️コミックス3巻5/19発売 (@fukudasyuu) May 19, 2021
身近にいるかも?起業を選んだ登場人物たち
破天荒な主人公、人間投資家・三星大陽(みほしたいよう)
この作品に出てくる登場人物たちは、「いるいる、こういう人~!」と、思わず似ている身近な人を探してしまう、どこにでもいそうな人が多いのですが、主人公のこの人だけは身近にいない、強烈で、おせっかいで、人間味溢れるキャラクターが持ち味の三星大陽。
人に期待し、人との繋がりを大切にし、人が資産であると信じて疑わない彼の考えに、関わった人が自信を取り戻したり、自分自身の可能性を信じることができるようになり救われていきます。
フリーターのようなゲームクリエーター・虎
全く何を言っているのかわからない現代っ子の「虎」は、仕事につけなくて、自暴自棄になっていたところを大陽に助けられて、出資してもらいゲーム会社を経営しています。
いつも大陽と一緒にいる虎くんは、どうやら不良だったようですが、まだまだ謎の多い虎くんのエピソードも気になります。
かつてのぶらさがり管理職 林田利光(はやしだとしみつ)
大企業の部長だったという肩書だけを頼りに虚勢を張って生きてきた林田。その虚勢をあっという間に大陽に剥がされてしまいます。
蓋をしていた事実を暴かれ、長年積み上げてきたプライドを地の底まで落としたのも大陽であれば、そこから救い出したのも大陽でした。彼に「あんたっていう資産が必要なんだ」と言われ一大決心!大企業で働く生活に終わりを告げ、社会人生活50年を経て起業を選択します。
ゆるふわ主婦 音野奈緒(おとのなお)
社会人経験が全くない主婦だった音野が、入居者が埋まらない高齢者向けのマンションの管理を任されます。大陽が友人のマンションオーナーから相談をもちかけられて、彼女を選んだわけですが、なぜ大陽は音野を選んだのか?ここでも、大陽の予想が的中し事業は急拡大!一介の主婦だった音野がマンションの管理会社を経営することに!
ゆるふわ、社会人経験なしの主婦が、なぜ起業することになったのか?の答え合わせは作品を読んで確かめてみてください!
若き鬼才 三ツ星重工の代表取締役社長 三星大海(みほしたいが)
大陽の実の兄であり、財閥系大企業の若き社長の座に就く大海は、人を信じぬく大陽とは違い、数字と選別を重要視し、企業危機を乗り越えるために大鉈を振るってリストラを推進してきました。
大陽は大海を心配しているものの、大海は大陽を受け入れることなく、三ツ星重工の再建を推し進めています。水と油の2人の今後の展開が気になります!
人の”欲”に切り込んだ第3巻の見どころ!
どんな仕事であっても、働く人がいて家族がいる。しかし、欲を刺激することでお客を依存的な状態にしてしまい、人生を棒に振る人、悲しい辛い思いをしている家族がいることも事実です。
第3巻では、ギャンブル依存症に悩む親子の話を中心に、風俗やパチンコといった裏稼業の起業について、描かれています。
人それぞれが抱えている黒い部分。それは人には言えない欲求かもしれないし、誰かへの罪悪感や過去の自分の行いへの背徳感かもしれません。
悪いのはシステムなのか、それとも欲に負けてしまった自分なのか。人を介して初めて成り立つビジネスだからこそ、モラルや道徳という曖昧さも必要。一方で、法令という誰も踏み入れられない絶対的なルールも必要なのだと思います。
『スタンドUPスタート』では、大陽が「栄ちゃん」と尊敬してやまない、「渋沢栄一」の格言や、功労が随所に紹介されています。日本の資本主義の成り立ちや、歴史も学べる作品となっていますので、ビジネス書の一冊として、読んでみてはいかがでしょうか?
▼第1話はこちら!
▼第1巻のレビューとベンチャーキャピタリスト、佐俣アンリ氏のインタビュー記事はこちら