ダンダダン

龍幸伸 / 著

 『ダンダダン』第1巻発売!なぜ今この作品が人々を夢中にさせるのか?

本日2021年8月4日『ダンダダン』待望の第1巻がついに発売!『ダンダダン』は龍幸伸先生が「少年ジャンプ+」で連載中の作品です。

連載初週から100万PVを達成しTwitterトレンド入りを果たした本作は、その後も更新のたびタイムラインを沸かし続ける存在に!なぜ今こんなにも人々が『ダンダダン』に夢中なのか、その理由を考察します。

発売を記念したインタビュー×作画風景ビデオが公開。映像そのものがクールな仕上がりになっています。ぜひチェックを!

第1話あらすじ

本作の主役は幽霊を信じるギャル 綾瀬桃モモ)とオカルトマニアの気弱な少年 高倉健オカルン)。モモがいじめに遭うオカルンを救ったその日から、次々と奇奇怪怪な現象に見舞われるふたりのバトル&青春ラブコメディです。

第1話、モモとオカルンは幽霊/宇宙人の存在を互いに証明するためそれぞれの出没スポットに赴きます。すると宇宙人を信じないモモは宇宙人(セルポ星人)に、幽霊を信じないオカルンは妖怪(ターボババア)にバッチリ遭遇し襲われる事態に。

ターボババアに呪われながらもモモを救出しに向かったオカルンは、呪いにより超人的な力を発揮。さらに窮地に追い込まれてモモの超能力が開花し、ふたりは宇宙人を撃破します。しかしオカルンは呪われたまま…呪いを解くための戦い、そしてふたりのウブな恋がはじまる!

「少年ジャンプ+」で第2話まで無料!

絵で語る 時代にハマる雄弁さ

『ダンダダン』が人々を虜にするひとつの理由は、絵で多くを語る作風。龍先生ご本人も先にご紹介したインタビュー映像のなかで「マンガは絵で表現する媒体だと思っているので説明はできるだけしない」と絵による表現へのこだわりを明かしています。

多要素でも直感的にわかる

例えば、本作における戦闘は霊の呪いの力や超能力などを使った「能力バトル」でありながら能力に関する説明がほとんどありません。読者はモモやオカルンの経験を絵でそのまま受け取って設定を学んでいく。だから宇宙人、霊、超能力…と要素が多くても難解にならずどんどん読み進められます。

絵で重さ、言葉で軽さを表現

また本作の魅力としてよく挙げられるのは大胆かつ緻密なバトルシーンの作画。読者に恐怖と嫌悪感を与えるヴィジュアルの怪物たち、打撃の重さや移動の速さが伝わってくるアクションの描写…精巧に作り込まれた絵の迫力と説得力によって作品に奥行きを与えています。

一方でバトルの切迫した状況でも「ブッ飛ばせるわい!!」「うらあああめんどくせえ!!」といった深刻さを感じさせないセリフを用いるなど、言葉は全体的に軽いトーンで統一されています。

YouTubeやInstagram、TikTokなどが台頭し視覚的に直感でわかるものを重んじるムードが高まる時代。ガツンとくる絵で雄弁に語りながら、軽妙な言葉づかいでとっつきやすさをまとわせた『ダンダダン』の表現だからこそ、今人々の心を動かせるのではないでしょうか。

日常を求める人々に共鳴する

『ダンダダン』が人々を惹きつける理由のもうひとつは、バトルとラブコメの2軸で進んでいくシナリオにあります。龍先生ご本人もインタビュー内で「ラブコメとして描いている」と強調するように、恋愛と笑いの要素は決しておまけではありません。

第1話最終ページ見開きで描かれたときめくモモ

戦わされる主人公に心が重なる

龍先生は本作を描くきっかけとして『貞子 vs 伽椰子』というホラー映画を挙げています。

化物には化物をぶつけんだよ、みたいな。 なんかいい意味でバカっぽいなって思って。

宇宙人に幽霊をぶつける」アイデアに始まり、主人公はそれに巻き込まれる形でバトルが描かれる。つまりモモやオカルンには「頂点を目指す」とか「国を守る」といった戦う意欲や使命感がないのです。だから青春ラブコメとしてのシナリオが並走しても違和感なく成立しています。

「もっと強くなりたい!」と闘志を燃やす主人公が夢に向かって戦う物語もワクワクする。でもそんなキラキラした夢を見ることさえためらうくらいに、不安に覆われた今の現実に疲弊している人は多いはず。

恋愛とかしながら普通に暮らしたいだけ」なのに急に厄災に巻き込まれた主人公が大義もなく戦わされて「マジ無理いいい!」と嘆いているような物語が、毎日非常事態である今を生きる人々の心には自然に届くのかもしれません。

くだらない笑いこそ救い

『ダンダダン』はバトルシーンの絵こそ壮大ですが、オカルンがターボババアに「イチモツ」を狙われる展開をはじめ基本的にずっとくだらないバカ話の空気が漂っています。

このくだらなさこそが、誰かと意味もなくおしゃべりをして「うっわくだらねえ!」と笑い合う日常を思わせ、読者の心をさりげなく救っているはず。実際、本作の「少年ジャンプ+」コメント欄にはくだらなさを読者どうしで共有し笑い合う空気が醸成されています。

かれこれ1年以上、友だちと気軽に遊ぶことすら許されない抑圧された日々が続く今。日常を強く希求する人々にフィットする『ダンダダン』が、読者の心にあたたかく響くのではないでしょうか。

画力×バランス感覚×追求心

魅力的なキャラクターや展開の早さ・意外性など、『ダンダダン』がヒット作の要件を満たしていることは間違いありません。しかし本作が今これほどに盛り上がるのは、その先にある突出した個性によるもの。

龍先生の圧倒的な画力の高さ、重さと軽さの塩梅を見定めるバランス感覚、世にある作品を絶えず吸収しながら何がおもしろいのかを追求しシナリオを作りあげる力。これらが掛け合わさって生み出された龍先生にしか描けない物語が、今を生きる人々を夢中にさせているのです。

『ダンダダン』はまだはじまったばかり。この先の展開にも期待大です!

これってヒットのはじまりじゃんよ

ダンダダン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
龍幸伸/著

ファン必見!龍幸伸×林士平対談インタビュー

Twitterに画像をアップする際はぜひ「Twitter一括アップくん」で

作者の龍幸伸先生は『ダンダダン』の第1話をTwitterにアップする際、アルが提供する機能「Twitter一括アップくん」を利用してくださっています。

簡単に大量の画像をアップすることができるので、Twitterにマンガやイラストをアップする時にはぜひご利用ください!

また、投稿時に【アルでの紹介を許可する】にチェックしていただくと、今回のように紹介記事を書かせていただくことがあります。

アルのライターがこれからどんどん記事を書いていきますので、Twitterにマンガをアップする際はぜひTwitter一括アップくんを使ってみてくださいね!

本記事は龍幸伸先生がTwitter一括アップくんをご利用になった際の紹介許諾を受け、画像利用させていただいております。ご協力いただき、まことにありがとうございます