ハーメルンのバイオリン弾き

渡辺道明/著

少年ガンガン黎明期の名作『ハーメルンのバイオリン弾き』を知っているか?

『ハーメルンのバイオリン弾き』は月刊少年ガンガンで1991年〜2001年にかけて連載され、少年ガンガンの初期の連載を支えた王道冒険マンガです。同時期の他の連載作品には『南国少年パプワくん』『魔法陣グルグル』『ドラゴンクエスト列伝ロトの紋章』などがあります。

入れ替わるように少年ガンガンに2001年から連載が開始され、映画化など大反響の後2010年に連載終了した『鋼の錬金術師』など、ガンガンを代表するその重厚なストーリーマンガの系譜のルーツとも言える作品が、今回紹介する『ハーメルンのバイオリン弾き』なのです。

ハーメルンのバイオリン弾き
渡辺道明/著

主人公の武器は『バイオリン!?』

本作の主人公勇者ハーメルは「魔曲」と呼ばれる、魔力の込められた楽器で楽曲を奏でることで敵と戦います。バイオリンの音色を自由自在に操り、美しい旋律を武器に魔物の蔓延る世界に対峙。作中には歴代のクラシック界の英雄達の楽曲が紹介され、物語に華を添えます。

シリアスとギャグのギャップも魅力

シリアスシーンももちろん魅力的なのですが、随所で描かれるギャグシーンもまた魅力です。本作のヒロイン「フルート」は魔法大国スフォルツエンド公国の王女という由緒正しい家柄出身の可憐な少女なのですが、主人公ハーメルの手によってオランウータンや毛ガニ、ウミガメ(!)など様々な仮装を強制されます。

冒険が進むにつれどんどんタフになっていくヒロインフルートの成長ぶりも要注目です。

悲しき宿命を背負った主人公達

主人公の「ハーメル」の父親は大魔王である魔族の王「ケストラー」です。ハーメル自身も魔族の血を色濃く受け継ぎ、人間と魔族の間で揺れ動きます。

そんなハーメルの元に集う、悲しき運命を背負いながらも前を向いて戦う仲間達一人一人にそれぞれの物語があります。

幼馴染みのピアノの精霊使い「ライエル」。双子の妹であり、幼い頃に魔族にさらわれ魔族達の中で育った「サイザー」。祖国を魔族に襲われ、葛藤しながらも両親の仇を打つ為戦うダル・セーニョの若き王子トロン・ボーン。

紆余曲折を経て、真の強さを手に入れていくハーメル一行の冒険の旅を追いかけていくうちに、どんどん感情移入していく自分に気がつきます。

少年ガンガン史上不朽の名作

本作は少年ガンガンならではのカラーが色濃く出ている作品です。重厚感溢れる作品です。本作を読んだことのないもっと多くの人に知って欲しい、是非、ご一読頂きたい大冒険活劇『マンガ』です!

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