ディスレクシアという障害
「ディスレクシア」という言葉はご存知ですか？
知的能力及び一般的な学習能力に異常がなくても、字の読み書きが困難である学習障害の名称です。
ハリウッドスターのトム・クルーズや、映画監督のスティーブン・スピルバーグ等の著名人がこの障害を公表しており、目にしたことがある方も多いと思います。
主人公・長見 良（ながみ りょう）もディスレクシアであり、中学生になっても文字の読み書きが出来ないことで父親と上手く行かず家出をし、非合法カジノでヤクザの代打ちとして雇われているところに警備会社の営業・北條英明（ほうじょう ひであき）が現れたことで物語が動きだします。
良は亡きマジシャン・北條 龍五郎（ほうじょう りゅうごろう）の弟子で、プロ並みのマジックの技術を持っていました。
花
長見くんのマジックシーンはどれも素晴らしいです！
そして英明は龍五郎の孫。
奇しくも巡り合った二人の出会いは、もしかしたら龍五郎が仕組んだ最後のマジックだったのかもしれません。
北條は良の障害のことを知り、プロマジシャンとして生きていくべきだと自らマネージャーを買って出ます。
花
日本と海外のマジシャンの価値観の違いがわかりやすい！
人との出会いで変わること、変えること
良がプロマジシャンとしての道を歩むことで、様々な人達との出会いがあります。
かつてプロマジシャンを目指しながらも最愛の人を喪ったマジックショップの経営者
花
プロマジシャンを目指そうとした先で最愛の人を失ったマジックショップの店長の言葉が刺さります。
みやお
カードも人も、思いを積み重ねることで何にでもなれる
プロマジシャンからセラピストに転向した青年
花
サカキシンのこの言葉、凄い魅了されました
テレビ番組で共演したタレント達
花
テレビ番組「ハッピーモスト」のメンバーとの交流が凄く好きです。
若手の言語聴覚士
花
言葉の幅広さに気づかされます
出会いの中で前向きに喜びを感じながらマジックを披露していく良。しかしすべての人との出会いが初めから良いものとは限りません。学校での日常生活やプロマジシャンとして活動する芸能界で障害について伏せてきたことで周囲に誤解を与え、いじめやマスコミの標的となる場面もあります。
それでも、周囲の人達の気持ちにも変化を起こします。
花
この作品にしかない唯一無二の何かを私は感じています。
それは根底に良のマジックを信じ貫く強い心があるからこそ。
ひたむきにマジックを愛する良に皆が魅了されます。
物語の「障害」と現実の「障害」
「ファンタジウム」はアニメ化の企画が立ち上がったものの、頓挫したそうです。
作者である杉本亜未先生がご自身のnoteで経緯や思いを書かれていました。
私はこの漫画の良の姿を追うことで励まされてきました。
作中で「あなた自身がマジックであれ」という言葉を見た瞬間、自分に言われた訳でもないのに感動して涙が零れました。
花
マジックは生き方！
花
あなた自身がマジックであれ！
漫画を読んでもらいたいのは勿論ですが、アニメ化やドラマ化が実現して良と同じような障害を抱え悩んでいる人達の励みになったり、普通の人達が障害を知ることで理解が深まる日が訪れることを願い、この文章を記します。
