フルーツバスケット

高屋奈月/著

『フルーツバスケット』アニメ最終章がオンエア開始 今こそ思い出したい不朽の名作の魅力

フルーツバスケット』は、1998年から2006年まで「花とゆめ」にて連載された高屋奈月先生の作品です。2020年には全編アニメ化することで話題となりました。

そして2021年4月から、いよいよアニメの最終章がスタート!

ファンタジーにヒューマンドラマ、そして恋愛とさまざまな側面から楽しめる作品の魅力をおさらいします。

異性に抱きつかれると動物に変身

本作には、十二支の呪いを持つ「草摩家」の一族が登場します。呪いを持って生まれた者は、異性に抱きつかれたり体が弱ったりすると十二支の動物に変身。そのため、スキンシップが怖くて人と距離を置いてしまう、家族との折り合いが悪くなってしまう等の苦悩を抱えています。物語は、そんな草摩一族と普通の女子高生である主人公・本田透との出会いから始まります。

誰もが抱える弱みや悩み

フルーツバスケットでは楽しい学園ライフやほのぼのとした日常のほか、キャラクターたちが抱える心の闇も描かれています。その内容は人間関係やコンプレックス、辛い過去などさまざまです。

そもそもこの作品は、主人公の透が母親を亡くした直後のお話。普段は明るく元気なキャラクターも、二度とお母さんに会えない悲しみや寂しさを抱えています。彼女が作中で何度も母親の話をするのは、これ以上増えることのない思い出を色あせないようにするためかもしれません。

さらに、呪いを持った草摩家の一族にも、もちろん悩みがあります。例えば透のクラスメイトである草摩由希は、整った容姿と柔らかな物腰で学校中の人気者。しかし、自分に自信がないために誰に対しても一線を引いてしまいます。

由希の悩みは、絶体絶命のピンチではありません。透が抱える痛みも、すぐに立ち直れるものではないでしょう。こうしたやり場のないマイナスな感情は、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。なんとなくモヤモヤしているとき、その辛さやもどかしさを代弁してくれるようで、思わず胸が締め付けられます。

心に刺さるセリフが見つかるはず

物語のなかには、印象的なセリフが散りばめられています。ここでは、そのなかの一例をご紹介しましょう。

嬉しいことや、楽しいことにいつか終わりがくるように、 こわいことや、かなしいことにも終わりはきます

こちらは、草摩一族のなかでも特異な体質を持つ草摩夾に向けた透のセリフです。夾は十二支の呪いに加えて、透への秘密も抱えていました。残酷な真相が明かされて尚、かなしいことは終わると信じて未来を見据える透の強さがうかがえますね。

フルーツバスケットにはこのほかにも、心にそっと寄り添い、斬新な側面から進み方を示してくれるフレーズが登場します。皆さんも、心に残るお気に入りのセリフを探してみてください!

大人になっても響くストーリー!

異性との恋愛だけでなく、友愛や家族愛も描かれている『フルーツバスケット』。まだ恋を知らない年代でもファンタジーマンガとして楽しめるうえ、友達や家族の大切さに気付かされます。そして大好きな人と出会ってから読み返すと、また違ったキャラクターやストーリーに共感!何度読んでも、違った発見のある作品です。

特に2021年4月にスタートするアニメ最終章は、今回ご紹介した作品の魅力が凝縮されています!胸キュン&涙腺崩壊まちがいなしのパートなので、心のデトックスにぴったり。お気に入りのシーンやセリフを探しながら、楽しんでくださいね。

アニメのお供にも!

フルーツバスケット (全23巻) Kindle版

本記事は、2021年度4月にアルのライターとして加入した新人の皆様の最初の記事をGWに一挙公開する「Golden Rookie Week企画」の一本として掲載されています。ニューカマー達の活躍を今後も見守ってあげて下さい!