ブクロキックス

松木いっか著

『ブクロキックス』連載再開!ブラインドサッカーを舞台にした、見えないことで見えてくる青春の包容力

松木いっか先生の『ブクロキックス』は生まれた頃から全盲の青年小山田千洋が、彼の働く整体にやってきた日韓ハーフのキャバクラ嬢のジヘの誘いから、ブラインドサッカーという競技に触れていく物語です。

勝てば賞金1000万と宣言する無敗のチーム玉帝新宿へ挑戦するために集められた小山田は、実は目が見えないながら普通のサッカーをやっていたという過去があり、周りに怪しまれながらもその実力を発揮していくことになります。

小山田の実力が明らかになっていく過程が気持ちいい!

本作の魅力は小山田のカッコよさ!

この通り顔も良いですが、本編でのスピード感溢れるプレーもかっこいいです!そのカッコよさの裏には、小山田が全盲であるが故に生まれた能力や、彼の過去の経験値があります。

そもそもブラインドサッカーは誰もが目隠しをした状態でプレーをするスポーツなので、目の見える晴眼者もプレーする際は小山田と同じ状況になります。そうなると、日頃から暗闇の中で空間認識能力を鍛えている小山田にとっては有利な戦いになるのです。

それだけでなく、小山田は幼い頃は普通のサッカーをやっていた過去も持っています。そんな危険なことができるはずがないと最初は誰もが彼の言葉を信じなかったのですが、玉帝新宿とのいきなりの対戦で誤解は吹き飛びます。

試合前半ボロボロにやられていた小山田のチーム「ブクロホチキス」ですが、彼が持ち前の空間認識能力でフィールドを把握してからは一気に一点差まで詰め寄ります。試合後に、玉帝新宿の選手から「実力ではお前に負けていた」と言わしめるほどの小山田のプレー。ぜひ本編で見ていただきたいです!

全盲の小山田に対する遠慮しないという優しさ

そんな天才小山田ですが、日常の場面では目が見えないことで人の助けが必要になることもあります。

しかし、周りは小山田に対して変に同情するわけではなく、普通に接しているのがが印象的でした。そうした場面の多い『ブクロキックス』は、遠慮しないという優しさがあるのだと教えてくれます。

特に小山田の友人で、彼の勤める整体院の院長の息子ハルカからはそんな優しさを感じることがたくさんありました。

例えば、1話で小山田とハルカと共にジヘのお店へ向かうシーン。

3人で話している中でハルカは、「てめえオレの顔見たことねえだろ」と目の見えない小山田にいじりを入れます。

目の見えない人に対して、その部分をネタにいじる…あまり良いことには感じられませんが、気を遣われるのが嫌いだと言う小山田は全く気にせず、むしろ楽しそうです。

また、ハルカは小山田と二人で行動するときは彼の手を自身の肩に置かせ、常にリードしながら歩いてもいます。先ほどのいじりのように、ハルカは作中でも空気の読めない行動が目立つ厄介な性格の持ち主ですが、こうした優しさも持ち合わせているのです。

普段のやりとりではなんの遠慮もなくぶつかっていきながらも手を貸すところは弁える、そんなハルカのぶっきらぼうな優しさは、相手を真に思いやっているからこその態度です。お調子者で空気の読めないハルカに対して小山田が信頼感を抱いているのも、こうした彼の優しさ故だと感じられます。

連載はマガポケで続いていきます!!

フィールド上での熱い展開と、日常パートに溢れる優しさ。そんな魅力を持つ『ブクロキックス』ですが、2020年10月5日発売の週刊ヤングマガジン45号を最後に、本誌での連載は終了してしまいました…。

しかし、マガジンポケットでの連載再開が決定しているのです!マガジンポケットでの連載は2020年11月2日(月)開始。今から待ちきれません!

小山田の天才っぷり、ハルカたち周りのキャラクターの優しさ、そして玉帝新宿がなぜ賞金1000万を掲げるのか、新たな登場人物たちといった気になる展開の数々…。『ブクロキックス』のこれからに期待が膨らみます。

連載再開前に、ぜひ単行本で!

ブクロキックス (全2巻) Kindle版