2021年秋アニメとして注目の『ブルーピリオド』。10月1日からの地上波放送に先駆けて、配信サービス「Netflix」では9月25日より全世界独占先行配信がすでに開始されています!
#アフタヌーン で連載中の
《アート系スポ根物語》開幕🎨
ある日、美術室で出会った1枚の絵に心を奪われた八虎は、国内最難関の美大「東京藝術大学」を目指す――
『ブルーピリオド』#ネトフリ にて1週間国内先行配信スタート!
毎週土曜、最新話配信🎥#ネトフリアニメ pic.twitter.com/hwjnwbxdYG— Netflix Japan Anime (@NetflixJP_Anime) September 25, 2021
インテリヤンキーで要領よく、なんとなく毎日を生きることが全てだった主人公・矢口八虎。そんな彼が芸術と出会い、人生で初めてがむしゃらに好きな事を追いかける楽しさ、辛さを知っていく本作。
実際に芸大に通うアーティストの絵画なども使われ、芸術を描く漫画として、作画にも非常にこだわりを見せる今作が、アニメ映像では一体どのように描かれることとなるのか?原作マンガとの違いにも注目しながら、世界最速配信された第1話を早速レビューしたいと思います!
目次
- 原作との違いは「マンガ」と「アニメ」のコンテンツならではの違いに注目!
- アニメを見る事で原作・マンガというコンテンツの良さに気付くポイントとは
- 原作からより魅力的になった、主人公・八虎以外のキャラクターたち!
- 八虎はいよいよ美術の道へ―辛く楽しい美大受験の道のりが今始まる!
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原作との違いは「マンガ」と「アニメ」のコンテンツならではの違いに注目!
今回アニメ第1話として放送された回は、そのまま原作の第1話、第2話のエピソードともなっています。全体を通してまず大きな違いとして気になったのは、ストーリーにおいての専門的な内容や要素などが比較的多くカットされている点でしょうか。
原作で佐伯先生や美術部員たちの語る「絵を上手く書くためのテクニック」の話や、具体的な名前を多数あげた美大の説明などはほぼ全カット。また同時に原作で話題となった、作中で使われている実際の美大生さんやアーティストさんによる作品の描写もほぼカットとなっています。
実際の作品描写のカットについては、著作権などの権利関係の大人の事情が原因、という所でしょうか。難しい話ではありますが、致し方ない部分もありますね。とはいえ一方でこれらのいわゆる「説明パート」を大きくカットしているのは、アニメというコンテンツそのものの特性的な部分も鑑みてのことでしょう。
終始自分のテンポで読み進められるマンガと違い、アニメは原則動画そのもののテンポで物語が進んでいきます。ひとりひとりに合せたテンポを取ることができないため、つまずきそうな人が出るパートは極力減らし、視聴者が違和感や遅れを感じないように。それを踏まえての上記内容になっているのではないかと思います。
原作からアニメを見た人や、原作のそんな表現が好きだったのに!という方もきっと多いはず。ですがアニメから原作を読む人にとっては、マンガを読むことでアニメの内容を補完でき、よりさらに作品が楽しめる良いサイクルを作れるのではないかと思います!
アニメを見る事で原作・マンガというコンテンツの良さに気付くポイントとは
それと同じく今回のアニメでは、主人公である矢口八虎の台詞や表情が原作に比べ、かなりまろやかになった印象を受ける方も多いはず。その最たる要素として、原作に描かれた八虎の「独白」や「心情」の台詞が大幅にカットされている、というものが挙げられるでしょう。
上記の詳細な豆知識と同じく、この八虎の懊悩や激情がある種今作の大きなスパイスとなるウェイトを占めている、という方も確かに多いはず。ですのでこちらもその点に関して物足りなさを感じる事も多いかと思いますが、これもまた「マンガ」と「アニメ」のコンテンツの違い故の表現なのかもしれません。
同じシーンで一人のキャラクターが「喋っていること」と「思っていること」を、きっちり誰にでもわかるように表現する。これは台詞を囲む吹き出しの形を変えられる、マンガというコンテンツの技法ならでは。アニメでは該当キャラの口の動きでしか表現を区別する事ができないため、極論を言ってしまえば、後ろを向いたキャラの言葉がどちらかという事を瞬時には区別ができません。
とはいえ、『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『東京卍リベンジャーズ』のここまでのブームからも分かる通り、アニメが入口となって原作を手に取る方は必ず今後増えていくはず。アニメを最初として出会った方にとっては、原作を読みそのインパクトの強さに触れることで。よりこの作品に魅了されることは、きっと間違いないでしょう。
原作からより魅力的になった、主人公・八虎以外のキャラクターたち!
一方で今回の『ブルーピリオド』アニメに関しては、すでに今回の1話のみでも十分に感じとれるほど、矢虎以外の他の登場人物の印象が非常に際立つ造りともなっています。それはある意味主人公・八虎の印象が原作に比べまろやかになった分、他のキャラたちの動きや台詞により目が行くようになった、とも言えるでしょうか。
八虎のこれまでの概念を覆すキーパーソンの森先輩や、八虎の美術への道を後押しした佐伯先生など。この『ブルーピリオド』という作品は、改めて八虎以外の主人公も非常に魅力的で、意志の強い芯のある人々が多いことに気付かされるような今回のアニメ第1話。
なかでもユカちゃんこと鮎川龍二は、キャスト自体は女性声優さんの花守ゆみりさんが声をあてています。ですが花守さんが敢えて男の子寄りの声を使い、「鮎川龍二としてのユカちゃん」を守りながら演じられていることで、ユカちゃんがまるで実際に実在する人物のようなリアリティを以て登場してきてくれているのです。
また原作では小さなコマでちょくちょくすでに登場していた先の展開で登場するキャラたちも、今回の第1話では全カット。その分今回のメインとなるキャラたちが明確でわかりやすく、一方で先々に登場するである皆の登場回が楽しみになるような。そんな第1話ともなりましたね。
八虎はいよいよ美術の道へ―辛く楽しい美大受験の道のりが今始まる!
今後10月1日よりTBS、MBS系列全国28局ネットにて放送開始予定の『ブルーピリオド』。アニメ第2話以降も、八虎が本格的に美術の道を歩み始めるストーリー展開が非常に気になります!
OGPは『ブルーピリオド』第2弾PVより
https://youtu.be/m5tER2kO3Ok ©︎山口つばさ・講談社/ブルーピリオド製作委員会