『マイ・ブロークン・マリコ』は平庫ワカ先生のデビュー作で、第1話が掲載された直後からその衝撃的な内容にSNS上で大きな話題となりました。
自殺した親友の遺骨とあてのない旅に出るという重たいテーマでありながら疾走感溢れるストーリーとなっており、最後まで読む手が止まらない短編作品です。
親友の遺骨と共に旅をする
友人のマリコが死んだ。
シイノがその知らせを聞いたのは出先で入った中華料理屋のテレビからでした。死因は自殺。
つい先週一緒に遊んだばかりである友人の死にショックを隠せないシイノでしたが、今自分がマリコのためにできることはないかと考えます。
そして、マリコに対し虐待を繰り返してきた父親の元から遺骨を救い出すことを思いつき、強引な手段をもってそれを実行に移すことに…。
『マイブロークン・マリコ』は、そんな彼女がマリコの遺骨と共にあてのない旅をする姿を描いた物語です。
壊れてしまったマリコ
一匹狼の不良だったシイノと父親から激しい虐待を受けてきたマリコは中学生のときに出会い、それからずっと一緒でした。
辛い出来事もたくさんありましたが、身を寄せ合って精一杯生きていた2人。
しかし、壮絶な家庭環境の中で過ごす内に「壊れて」しまったマリコは、次第に言動と行動がおかしくなっていき、ときには自らトラブルに巻き込まれに行くようなことも…。
シイノは変わっていく彼女のことが理解できず苦悩しますが、それでもそばに居続けました。なぜなら、自分にはマリコしかいなかったから。
そんな2人の関係が物語の合間にシイノ視点で描かれており、その生々しさに思わず引き込まれます。
片割れを失ったシイナ
2人の関係はマリコの自殺をもって終わりを迎えます。
そして、死んでいったマリコのために包丁を持って遺骨を奪いに行ったり、奪った遺骨と共に生前彼女が行きたがっていた場所へ旅に出たりするシイノ。
その後先考えないがむしゃらな姿は見ていて心を動かされます。
しかし、自分の半身とも言える存在を失ったショックは大きく、彼女は自暴自棄に…。
旅先で出会った人に心配され、自分のことを大事にするよう言われるシイノでしたが、彼女にその言葉が届くことはありませんでした。
はたして、絶望の中にいるシイノは、旅の果てにどのような結末を迎えるのか…ぜひご覧ください。
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