ミタマセキュ霊ティ

鳩胸つるん/著

【 #次にくるマンガ大賞 】『ミタマセキュ霊ティ』霊が怖い除霊師と女子高生の賑やかな日常

ミタマセキュ霊ティ』は「週刊少年ジャンプ」で連載中のギャグ漫画です。

作者は、鳩胸つるん先生。ジャンプ+に掲載された初連載作品『剥き出しの白鳥』は、完璧な容姿と成績、そして人格を持つ男子高校生が、人に見つからずに露出をするのを生きがいにしている様を描いた、チャレンジ精神に溢れる作品でした。気になる方はぜひ、前作も読んでみてください。

あらすじ

悪霊を退治する組織「BODY」の一員であり、霊退治の専門家「セキュ霊ティ」の御霊浄(みたまじょう。以下、ミタマ)が、100体もの背後霊に取り憑かれた女子高生・羽瀬玲奈(はぜれな。以下、ハゼレナ)と出会うことで物語は始まります。

まずはTwitterで鳩胸つるん先生自身が公開している1話をお読みください!

「週刊少年ジャンプ」ではお馴染みの、主人公がパワーアップするという熱い要素が、「幽霊が怖すぎて泣くことで我を忘れて発動する」というのが斬新ですしこれがまた面白いんです。目のオーラのようなものが怖すぎて絶えず流れ続ける涙というのもギャグ漫画ならでは!という感じで楽しいです。(ミタマが泣きすぎて目の腫れがすごいことになる回もちゃんと(?)あります)

ギャグ漫画としてしっかり面白い『ミタマセキュ霊ティ』ですが、今回は別の要素を紹介して、読みたくなる人を1人でも増やせれば!と思います。

ミタマとハゼレナの関係進展が愛おしい

偶然出会った2人ですが、お互いの存在が良い影響を与えあっていきます。

ハゼレナは幼い頃から霊が見えており、そのせいで友達が少なくなってしまい、自分ではどうすることもできずに「見えないもの」として無視せざるを得ないまま高校生になってしまいました。そんな彼女はミタマと出会うことで霊と向き合うチャンスを得て、1体ずつの霊に個性があることを知ります。

かわいらしい子供の霊や、ミタマに恋する霊・幽子と関係を深めることによって、幽霊が「家族」と何ら変わらないものであると感じるようになっていきます。

母親が忙しく、ほぼ1人で暮らしているハゼレナにとって、幽霊との交流がかけがえのないものになっていく描写はとても良いです。

ミタマも「幽霊は悪いものであり、除霊すべき」という思いが、ハゼレナの変化を見ることで変化していき、自身が属する組織「BODY」との対決では熱い想いを語ってくれます(2〜3巻収録)。

ミタマはハゼレナにとって「おもしろいお兄さん」という感じですが、大事なポイントではしっかりとキメてくれるので素敵です。

念のため注意!ホラー要素もあります

ギャグ漫画とはいえ、悪霊と戦うこともあるのがこの作品。そのため、ホラー要素で大事なポイントはしっかり抑えています!

トンネルで出会った霊・ゾビロ(「ぞびろ」とだけ喋る霊)の見た目は怖いです。

怖いのが苦手な人向けに、鳩胸つるん先生が描いた可愛らしいゾビロを紹介しましたが、初登場の回での不気味さはなかなかのものがありました。
1話の悪霊の描写も作品の中では強めだったように思いますので、苦手な人は1話を判断基準にするとよいかもしれません。

とはいえ、幽霊は恐ろしいものであり、そのせいで幼いミタマや、彼と出会うまでのハゼレナが苦しんでいた描写がしっかりされているのは、『ミタマセキュ霊ティ』を読むにあたって外せないポイントです。この辺りの掘り下げは、シリアスな展開が増えてくると、もっと深くなっていくのかもしれません。それはそれで楽しみですよね。

ミタマとハゼレナの関係、霊と2人の関係が軸になりつつも、今回紹介しきれなかったミタマの個性的な仲間や、悪霊も沢山いてワイワイ楽しい作品でもありますので、その辺りは読んで確かめてほしいです!

次にくるマンガ大賞にノミネート!

『ミタマセキュ霊ティ』は次にくるマンガ大賞2020「コミックス/Web部門」にノミネートされています!

・投票期間は2020年6月19日から7月3日(金)11:00まで
・各部門1人1回、3作まで投票できます!

投票フォームはこちらから(ログインが必要です)。奮ってご応募ください!

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ミタマセキュ霊ティ 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)
鳩胸つるん/著

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