東北地方の集落「小森」の、古い一軒家でひとり暮らしをしている、いち子。朝は家に飛び込んできたキツツキが柱をつつく音で目覚め、夏の夜にはホタルやオナガミズアオなど、たくさんの訪問者たちがやってくる。
ひとりだけど、にぎやかで瑞々しい生活がそこにはあった。
里山に生きる毎日。ひとり分の毎日
田植えをし、稲を刈る。畑に苗を植え、収穫する。自分の食べる分だけ。
朝食には、庭のミントやクレソンをフリットにし、フライドエッグと一緒に自家製バゲットにはさんでマヨネーズをかけて食べる。これがまた、とにかく!とてつもなく美味しそうなのです…。
お皿にこぼれた卵の黄身を丁寧にパンで拭って最後のひとくち。きちんと手を合わせてごちそうさまをしたら、すぐ苗を植える作業にかかる。夕食は山菜のてんぷらだ。いち子の一日は、自分が食べるものを作る行為だけでなんだかとても忙しい。
日本での映画化に続き、韓国でも映画化!
映画「#リトル・フォレスト 春夏秋冬」https://t.co/bmK4DQuhsz明日5/17より公開です!キム・テリ主演。
季節ハズレになりますが、原作https://t.co/luI7fs0nde連載時の読者プレゼント用マウスパッドの元絵です。(真ん中の猫に注目!)映画でも韓国の美しい季節が描かれています。もちろん、料理も! pic.twitter.com/nHKlBW82mR— 五十嵐大介お知らせ (@igadaioshirase) May 16, 2019
いち子の葛藤
いち子は小森で、他の誰でもなく「自分」のために生きている。時々、出て行ってしまった母親を思い出しながら。胸をきゅっと締め付けられるようないち子の過去や葛藤。
「その場その場を一生懸命に生きているが、本当は逃げてるんじゃないか。」
小森の人たちとの会話から、いち子は少しづつ自分と向き合い始める。
見たことない、でも絶対おいしい小森の食べ物
小森の食文化が本作品の大きな柱だ。
フキノトウをみじん切りにして味噌と合わせた「ばっけみそ」や、空炒りした川えびと、みりんや醤油のタレと餅をあえた「えび餅」。
その他にも「ミズとろろ」「くるみごはん」などなど…魅力的な食べ物があふれている。
食べたことないけど、絶対おいしいに決まってる!そう思っても、どれも材料を採ってくるところから始まるので、ご家庭で簡単に再現することはできないのだ。
漫画になる前 「リトル・フォレスト」編!
漫画の形になる前の試行錯誤など。
試しにアジの南蛮漬けを作る手順を描いてみたり。(漫画本編ではイワナで南蛮漬けしてます)#リトル・フォレスト はこちら→ https://t.co/luI7fs0nde
映画公開まであと2日!→https://t.co/bmK4DQuhsz pic.twitter.com/v1Nx3l21Nc— 五十嵐大介お知らせ (@igadaioshirase) May 15, 2019
エッセイのように里山の日常を描いたフィクション
作者の五十嵐大介先生ご自身の経験をもとに描かれた本作品は、匂いや音まで届きそうなほどリアルです。だからこそ、読者にとっては非日常。
一度は憧れる「里山での生活」を、『リトル・フォレスト』を開いて体験してみませんか。
地域に根ざした食べ物がたくさん出てくる本作品は、料理や食べることが好きな方に特にオススメです!