スバルと共に白鯨と戦った、老剣の過去を描いた物語。
コミカライズ『剣鬼恋歌 ~Re:ゼロから始める異世界生活✝真銘譚~』の最終巻4巻が2021年7月21日に発売されました!
ヴィルヘルムの機転により、亜人族の王都襲撃を看破した「ツェルゲフ隊」は武装蜂起の首謀者を見事撃破し、襲撃をしのぎきりました。戦いの中で仲間の存在…他者の存在が自分の中で大きくなっていたことに気づいたヴィルヘルムはついにテレシアへの恋心を自覚します。
しかし「亜人戦争」と呼ばれる内戦の熱は、首謀者撃破で消えるどころかますます過激になっていきます。
ヴィルヘルムに訪れる変化と消えぬ戦火、そしてついに現れる「剣聖(けんせい)」。その時、「剣鬼」は何を想うのか…。そんな4巻の見所を「リゼロ」シリーズにおけるヴィルヘルムについてと、前巻の内容を振り返りつつご紹介します!
スバルと共に戦った老剣の過去の物語
『Re:ゼロから始める異世界生活 第三章 Truth of Zero』において、スバルと共に魔獣白鯨と戦った老剣ヴィルヘルム。
老いて全盛期ほどでは無いといわれながらも、その実力は確かなものでした。
時を経ても、陰ることのない剣の輝きと、変わることのない妻への愛を見せたヴィルヘルム。カッコ良くて、とても魅力的な人物です。
彼の活躍が気になる方は、ぜひ『Re:ゼロから始める異世界生活 第三章 Truth of Zero』もご覧下さい。
そして、そんなヴィルヘルムとテレシアの過去を描いた物語が『剣鬼恋歌 ~Re:ゼロから始める異世界生活✝真銘譚~』なのです。
これまでの『剣鬼恋歌 ~Re:ゼロから始める異世界生活✝真銘譚~』
まずは前巻の内容を振り返りましょう!
王城防衛
ヴィルヘルムからの進言により、亜人族の各地での武装蜂起は陽動であると判断した「ツェルゲフ隊」。彼らは手薄となった「ルグニカ王城」が攻め込まれると判断しました。
ロズワールとも合流し王城の各所防衛へと向かいます。礼拝堂へと向かったヴィルヘルムたちは、亜人族武装蜂起の首謀者である、バルガとスピンクスと遭遇するのでした。
巨人の始祖
巨人族のバルガは「巨人の始祖の骨」と身体に刻まれた魔法陣によって、巨人の始祖へと変貌していきます。
巨大化した肉体はまさに巨人。逃走するスピンクスの追跡をロズワールたちに託し、ヴィルヘルムは単身バルガの相手を引き受けます。
戦う理由
本物の巨人となったバルガを相手に戦い続けるヴィルヘルム。
元々実戦には向かず、参謀だったバルガですが、それでも巨人化した彼の力は凄まじいものです。
バルガは言います、同胞の怒りと屈辱を晴らさぬうちは決して負けないと。彼は亜人族の怒りや悲しみ…そういった想いを背負って戦っているのです。だからこそ、こんなにも強い。
ただ一本の剣であること、剣を振る意味など必要ない、そう考えていたヴィルヘルムでしたが、様々な戦いの中で彼は揺れていました。心の中で、テレシアの言葉が彼に問いかけます。どうして、剣を振るのか?
剣に憧れ、剣であることを望んだヴィルヘルムは剣を振ることしか知らない、だからそれでいい…そう思っていた彼の剣は、バルガを前に陰りを見せ始めます。
まさに絶体絶命、そんな時仲間たちが現れます。
生かされた意味
リブレとスピンクスを下した仲間たちが、ヴィルヘルムの加勢に現れます。
リブレ、スピンクスが倒れ、追いつめられたはずのバルガですが、それでも彼の闘気が陰ることはありません。たとえこの戦いが不発でもいずれ、亜人族の怒りが王国を焼きつくすと凄みます。
しかし、仲間が加勢に来たことでヴィルヘルムは立ち上がります。生かされた意味があるなら、戦うことでしかそれに応えられない。
仲間に再び命を救われたヴィルヘルムは、彼らの想いに戦うことで応えるために奮起し、バルガに立ち向かいます。
ヴィルヘルムはバルガから「巨人の始祖の骨」を抉り出すことで巨人化を解除し、ついにバルガに打ち勝つのでした。
スピンクスの行方
一方、スピンクスを追いつめたロズワールでしたが、地下水路へと逃げ込まれてしまいます。
追いかけるロズワールは、地下水路で王城の正門を警備していたはずのライプに遭遇します。彼はスピンクスに遭遇し、問答無用で焼いたのだと言います。死体は灰となり、指輪だけが残ったと聞いたロズワールは指輪を受け取ると、納得しその場を後にします。
しかしライプはスピンクスを焼いてはおらず、自らが利用するために生かしていました。ライプは密かにスピンクスを抱え地下水路の闇へと消えていくのでした。
鋼は打たれ真の剣となる
戦いは終わり、ヴィルヘルムはテレシアの顔を見て気づきます。自分はずっとここで彼女に打たれていたのだと。鋼が熱に打たれ形を変えていくように、
テレシアや仲間たち、そして切り合った敵に、そしてこれまで関わってきた多くの人々に、打たれていたのだと。
最も剣が好きだった頃の気持ちを思い出したヴィルヘルム。大切なものを守るために剣を振る。それこそが彼が剣を振る理由なのでした。
ヴィルヘルムの変化
剣を振る理由が鮮明となったヴィルヘルムは、周りが驚くほどに変化していきます。
以前は、戦いを渇望するように前へ前へと戦場を駆けていた彼が、仲間を庇い、気づかい、そして戦場で後退すらするのです。
これは以前の彼を知る人々からすれば、驚くのは当然で気味が悪いとすら感じてしまうかもしれません。
けれど、わたしは、こういったことは実際にもあることだと思うのです。きっかけはわずかな、ささやかなこと…それが積み重なり、視界が晴れていく。
霧の中で足掻くように、必死になっていた人が、スッと肩の力が抜けていく。明確な目的、自分の信じる方向性を見つけられる…。
そういう素敵な変化がヴィルヘルムにも、起こったのです。
消えぬ戦火
叙勲を受け、ついに騎士となったヴィルヘルム。そんな喜ばしい状況ながら、「亜人戦争」の戦火は未だに消えずにいました。
「亜人連合」はバルガやスピンクスを失い、攻勢が弱まったものの終息することはなく、ますます過激になり、戦場も危険なものになっていました。
亜人族の憎悪を上回り、戦争に終止符を打つ存在…時代は英雄を求めていたのです。
そんな折、ヴィルヘルムの元に故郷の危機の知らせが届くのです。
ついに現れる英雄「剣聖」
故郷の危機に、命令を待たずにヴィルヘルムは駆け付けます。
たったひとりで戦う、ヴィルヘルムはあまりにも多勢に無勢。圧倒的な強さをもつヴィルヘルムも、ついに追いつめられてしまいます。
そんな時についに英雄となる存在、「剣聖」が現れるのですが、なんとその人物はヴィルヘルムもよく知る人物だったのです。
歌い継がれる恋歌
「剣聖」の正体を知ったヴィルヘルム。運命から逃れられなかったテレシア。彼らの恋の物語はどうなっていくのか…ファンの方は既にご存じかもしれませんが、ついにあのクライマックスへと向かっていきます。
まだまだ見ていたいふたりの物語ですが、コミカライズ『剣鬼恋歌 ~Re:ゼロから始める異世界生活✝真銘譚~』は4巻にて完結となります。
物語のその後を描く「剣鬼恋譚」は小説版で読むことができます。気になる方はぜひチェックされてみてはいかがでしょうか?
👉『Re:ゼロから始める異世界生活 Ex3 剣鬼恋譚』についてはコチラ
というわけで、いよいよ「剣鬼恋歌」も幕となる4巻、感動のフィナーレをぜひ見届けてくださいね!