「そろそろ引っ越そうかな」とふと思い付いたり、必要に迫られて決断したりと動機は違うけれど、引っ越しは転機。京都と大阪と神戸では、街もそこに住む人の雰囲気も全く違います。そしてその東京の中でも、例えばミュージシャンや劇団員が暮らす高円寺と、マダム達がおしゃべりをしながらお散歩する白金は違うように、街には街の良さ、顔があります。
そんな街特有の雰囲気を、不動産屋に訪れた女の子のエピソードとともに紹介するのが、『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』。 森三中の大島美幸さんと、メイプル超合金の安藤なつさんによるドラマを見た人もいるかもしれません。
重田不動産とは?
住みたい街No.1とも称された吉祥寺にあるのが老舗の重田不動産。吉祥寺で生まれ育った巨漢の双子、重田都子と富子が営んでいます。ヘヴィ・メタル好きでちょっと近寄りがたい富子と、ハードロック好きでフレンドリーな富子は、「吉祥寺に住みたい」と訪れたお客さんを独断と偏見で別の街に連れていってしまいます。
重田不動産を訪れるお客さんって?
重田不動産に訪れるのは、会社員、居酒屋店員、美容師といった様々な女の子たちです。双子と街を歩いていくうちに、引っ越しのきっかけ(仕事ばっかりの毎日に疲れた、男と別れた、実家暮らしから飛び出したい…)や人柄が次第に明らかになっていきます。いつの間にか身近に感じてしまうような彼女たちが引っ越しをきっかけに新しい人生に踏み出していきます。
双子に連れていかれる街はどんなところ?
1964年、前回の東京オリンピックの会場にもなった大きな公園がある駒澤大学、東京ドームやゲームカフェがある遊べる水道橋、日本のブルックリン蔵前…とお客さんたちは東京の色々な街に連れていかれます。自分が知っている街だと「あそこね!」とうれしくなるし、知らない街だと「今度行ってみよう」という気持ちになります。
どの回も、引っ越しする女の子が「ここにしよう」と決めるシーンが出てきてグっときます。ちなみに双子は食べることが好きなので、街の美味しいお店も紹介されています♪
繋がるマキヒロチワールド
こちらもドラマ化されているマキヒロチさんの『いつかティファニーで朝食を』 。恋や仕事に奮闘している主人公の麻里ちゃんも重田不動産を訪れ、予想外の街に運ばれます。これは『いつか…』のストーリー内でも転機となる引っ越しになっていて、両方を読んでいる読者はきっと胸アツになることでしょう。登場人物と時間、そして実在の街がクロスオーバーして味わい深い世界を展開しています。
ぜひ手に取って、マキヒロチワールドに浸ってみてくださいね。