妹の友達が何考えてるのかわからない

玲。 / 著

『妹の友達が何考えてるのかわからない』早く気づいて!本当はわかりやすい彼女の気持ち

玲。先生による『妹の友達が何考えてるのかわからない』は、無口で何を考えているかわからない女の子と、彼女よりいくつか年上の男の子が繰り広げる日常を楽しむ作品です。

Twitterに投稿されたショートマンガから始まった本作。GANMA!での連載を経て、単行本の出版に至りました。

中心人物は何を考えているかわからない無口な女の子。ちょっと先行きが心配になりますが、大丈夫。コミックスを読み終える頃には彼女の気持ちに寄り添い、ついつい応援したくなること間違いなしっ!

ちょっと気まずい距離感

本作の主役はつゆ。思っていることを口にするのが少し苦手な女の子です。彼女にはちえという友達がいます。物静かなつゆとは対照的に、活発で元気いっぱいな女の子です。ちえには兄がいて、名前を優人といいます。つゆ、ちえ、優人。この3人が中心となって物語が進められます。

特に、つゆと優人の関係に注目です。

優人から見たつゆは妹の友達。つまりタイトルの『妹の友達が何考えてるのかわからない』というのは、優人はつゆが何を考えているかわからない、ということを表しています。

それもそのはず、優人にとってつゆはたまに遊びに来る妹の友達。年齢も性別も違う彼女に、どのように接するべきか迷うのは当然です。

ましてや、つゆは口数が少ない女の子。名前を知っている程度の関係性で2人きりになるのは、ちょっと気まずいですよね。ぎこちない距離感を保ったまま、物語は始まりを迎えます。

つゆを応援したくなる!

優人の立場からすると、つゆと2人きりで過ごす時間は少しだけ気まずい。しかし、つゆにとってはその限りではありません。彼女の表情を見ていると、優人と少し言葉を交わしただけでも満足げな様子。

言葉のやりとりが少ないために誤解されているようですが、少なくとも嫌ってはいないようです。というよりも、彼女の表情や動作を見る限り、好意を抱いているようにしか思えません。

つゆのちょっとした変化にから感情を読み取ろうと、いつのまにか筆者は必死になっていました。

例えば、ある日の午後。つゆはちえと家で勉強をしていました。そこに居合わせた優人に勉強を教えてもらおうと、ちえが優人を部屋に招き入れます。「兄貴教えて」とお願いするちえ。快く引き受ける優人。狭いテーブルに近づくと、優人とつゆの物理的な距離だって縮まります。思わず顔をそらすつゆ。

その表情は優人から伺えませんが、マンガの前にいる読者にはまるわかり。ああ、その素直な表情が優人にも見えてれば…!

きっと優人が思っている以上に、つゆはわかりやすい女の子。気づいて…!と余計なお節介を焼きたくなるもどかしさを含めて、つゆの揺れ動く感情を楽しんでしまいました。

気持ちを伝えるのが先か、気づくのが先か

妹の友達、という新鮮な切り口で展開される本作。妹の友達であり、中心人物である女の子・つゆの変化する表情を眺めるだけでも満足感がある作品でした。

はたして不器用なつゆは自分の気持ちを素直に話せる日がくるのか、それとも優人がつゆの気持ちを汲み取って物語が前に進むのか。

本人達の思いには反するかもしれませんが、一読者として、この絶妙なすれ違いをもう少し眺めていたい!

一生懸命な思いは、きっと伝わる

妹の友達が何考えてるのかわからない(1) (GANMA!)
玲。/著