寄生獣

岩明均

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人類の天敵現る!『寄生獣』今だから考えたい自然との対話とは

2014年に映画化され、累計発行部数も1300万部を超える大ヒットとなっている『寄生獣』。ヒトに寄生する謎の生物が、食糧として人間を捕食していくサイコSFです。

捕食の描写はかなりエグイのですが、全編を通じて「他の種との対話」が描かれていて、さまざまな立場の意見が混在するところが、とても興味深いのです。


寄生獣(1) (アフタヌーンコミックス)
岩明均/著

人間を食べる寄生生物

主人公の泉新一は、寄生生物に右腕を食われて乗っ取られてしまいます。右腕なので名前は「ミギー」。寄生生物は、何かに寄生しないと生きられない弱い存在ですが、知能が非常に高く、ミギーも一日で日本語を習得してしまいます。

寄生獣

シンイチの右腕を捕食した直後から日本語が話せるミギーですが、翌日には非常にきれいな丁寧語で話すようになります。

寄生獣

寄生生物にも個性があり、ミギーは好奇心が旺盛なタイプ。物語の初期には、自分の命だけを大事にし、仲間である寄生生物の命のこともなんとも思っていませんでした。

寄生獣

シンイチと暮らしながら、徐々にミギーにもこれまでなかった感情が芽生えてきます。仲間を殺すこと、どちら側に立って戦うか、自分の人生をどう終えるかなど、ミギーが要所要所で行う「選択」に、ミギーの心境の変化が感じられます。

ミギーがカワイイ

自在に形を変えながら硬質化でき、情のかけらもない寄生生物たちですが、ミギーとシンイチとの会話にはなごめる場面もたくさんあります。

寄生獣

仲間である寄生生物を殺してもなんとも感じないミギーに平和を説かれることも。

寄生獣

ミギー自身も、シンイチとの対話を通じ人間について学んでいて、心境や行動にも変化が現れてきます。

寄生獣

勉強熱心なミギーはとてもカワイイんですが、エグイ戦闘シーンの後にミギーがいるととても癒されます。

寄生獣

考えが深まると形がぐるんぐるんになってしまうところもカワイイ。『寄生獣』を読む喜びの一つが、非情そのもののミギーがカワイイことです。

寄生獣

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寄生獣

人類の敵を殺すか生かすか

物語の終盤、主人公のシンイチは最強の寄生生物「後藤」の息の根を止めるか、彼の生死を自然の成り行きに任せるかの選択を迫られます。

寄生獣

寄生生物は人間に寄生して人間を食べなければ生きられない存在なので、彼らにとって人間を食べることは自然なことです。

寄生獣

『寄生獣』が描かれたのは、公害問題やエコロジーが叫ばれ始めた頃でした。このことを踏まえ、クリエイターエージェント「コルク」代表の佐渡島庸平さんが、今だから読みたい本として『寄生獣』について語っています。

自然の一部が他の自然を追い出してしまうことは許されるのか。

病気や災害など、自然の脅威とヒトの暮らしがぶつかった時、私たちは自然とどう向き合い、共生していく必要があるのか。

寄生獣

改めて『寄生獣』と共に考えてもいいかもしれませんね!

寄生獣(10) (アフタヌーンコミックス)
岩明均/著


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