岩元先輩ノ推薦

椎橋寛/著

『岩元先輩ノ推薦』1巻最速レビュー!超常現象を調査せよ!同志を集う岩元先輩の旅が始まる

「月刊ウルトラジャンプ」にて連載中の椎橋寛先生による『岩元先輩ノ推薦』。『ぬらりひょんの孫』では迫力ある妖怪奇譚を描いた椎橋先生による、待望の怪奇現象大正奇譚。多くのマンガファンからも注目を集める本作の第1巻が、7月16日に発売となりました!

自分と同じく、超常現象を能力に持つ同志を求め…。陸軍栖鳳中学三年・岩元胡堂、通称・岩元先輩の超常現象調査奇譚が、今幕を開けます!

超常現象を調査せよ!『岩元先輩ノ推薦』あらすじ

本作の主人公である少年・岩元胡堂は国の軍事機関に携わる人員を養成する軍事学校・陸軍栖鳳中学の三年生です。御国の為となる人員を育成するこの学校ではいわゆる軍隊や兵役を務める学生だけでなく、軍事利用可能な超常現象を収集・研究する機関の役目も兼ねていました。

その目的は超常現象を起こす「能力者」を学園に引き入れ、その能力を御国の為に役立てること。とは言え理屈では説明のつかない怪奇現象を引き起こす「能力者」など、早々簡単には見つかりません。

「能力者」を探すための適任者は、やはり誰より「能力者」本人。そこで「能力者」兼学園の書記長(今で言う生徒会長のようなものですね)である三年生・岩元胡堂が、怪奇現象の調査兼能力者の探索を津々浦々で行っている、というわけです。

物語はそんな岩元先輩が学長からの命令で、怪奇現象「黒い雪」の調査に乗り出したところから始まります。「黒い雪」の正体は、果たして能力者による怪奇現象なのか?岩元先輩による調査の旅が、ここから始まることとなったのです。

第1巻の見どころ!続々と登場する能力者たちにも注目

物語の序章となる1巻の見どころはやはり岩元先輩を始めとした、ストーリーのキーパーソンたちの登場です。様々な「能力者」を始めとした生徒が集うこの学園での重要人物が、今回の巻では徐々に登場し始めますね。

まず最初に、岩元先輩の推薦を受けることとなった「黒イ雪」の能力を持つ青沼静馬。全身から麻薬に似た物質を発するという、恐ろしい能力を持つ少年です。ですがそれ故に不遇な扱いを受けていた彼を「過去の自分」と重ね合わせた岩元先輩により、彼は自身の恐ろしい力を適正な「能力」とするべく、推薦を受け陸軍栖鳳中学へと通い始めることとなりました。

さらに岩元先輩をライバルとして敵視する後輩・原町海、同じく能力者である佐々眼流雨、岡野三郎。そして岩元先輩ら能力者の「隔離施設」とは所属こそ異なるものの、彼の良き理解者でもある「前線部隊」の同級生・権藤、学園には不登校気味であるものの、岩元先輩には全幅の信頼を寄せる天羽総一郎

個性豊かな能力者を始めとした学園の生徒達。彼らが今後岩元先輩とどのように関わっていくのか、非常に楽しみでもありますね。

岩元先輩の真の目的とは?超常現象調査の旅路は第2巻へ続く!

ですが一方で、学園にはまだまだ多くの謎が残されています。まずは何より、多くの生徒から厚い信頼を受ける岩元先輩に調査任務を命じる学園長・橘城先生の存在。今回の第1巻では名前こそ度々登場したものの、その姿は未だ謎に包まれたままです。

そして何より、主人公である岩元先輩について。彼自身は一体、どんなきっかけでこの学園の生徒となったのか。そして彼の能力である「花葬の彼岸花」。辺り一面を業火で焼き尽くす彼岸花を咲かせる能力を、彼はどう使いこなせるようになったのか

また彼の何よりの目的である「能力者の強化・保護」。それは彼が所属する学園の「能力を軍事利用し、能力者を兵器として扱う」という目的とは、いつかどこかできっと必ず相対するものです。

学園に所属し続けるのか、はたまた組織に背き己の目的を遂行する日が来るのか…。彼の旅路は、まだまだ始まったばかりです。

旅は続く

岩元先輩ノ推薦 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
椎橋寛/著