広告会社、男子寮のおかずくん

オトクニ / 著

『広告会社、男子寮のおかずくん』華金は自炊男子4人が集って持ち寄りご飯会!

おいしいご飯は心を豊かにし、体を健やかにしてくれます。そんな“おいしいご飯”を、気の置けない仲間と食べることができたら、どんなに幸せなことでしょうか?『広告会社、男子寮のおかずくん』は、そんな幸せが感じられる作品です。今回は、まだ読んだことのない方に向けて、絶対読みたくなるあれやこれやを丁寧にご紹介します!

『広告会社、男子寮のおかずくん』とは

『広告会社、男子寮のおかずくん』は、オトクニ先生の作品です。

2016年にpixivコミックで連載スタート、LINEマンガでも連載が始まり、2019年には黒羽麻璃央さん主演で実写化もされています。2021年4月に本編が完結した後、LINEマンガにて番外編が掲載されています(隔週金曜更新・2021年8月までの予定)。

本作のメインとなるのは、広告代理店「ミナト広告株式会社」の4人の男性。彼らは、年齢や出身地は違えども、偶然にも同時期に入社し、同じ独身寮に住んでいます。あることをきっかけに毎週金曜の夜にハナキン持ち寄りご飯会を開き、それぞれが作ったご飯やおかずを食べるように。彼らはお互いを思いやりながら「金曜の夜に一緒にご飯を食べる」ことを楽しみに、日々仕事に励んでいます。

4人の自炊男子を紹介

まず、ハナキン持ち寄りご飯会のメンバー4人をご紹介します。全員好きになってほしいので、一人ずつしっかりと紹介していきましょう!

西尾和/おかず担当

営業2課所属。大阪府出身。4人の間では名前の最後の3文字を取り「おかずくん(ちゃん)」と呼ばれている。普段は物腰が柔らかいが、関西人ゆえか、粉もんになると人が変わる。

東良啓介/汁物担当

マーケティングチーム所属。神奈川県出身。気遣いのできるイケメン。異性からだけでなく、大学時代の先輩や取引先など、多方面からモテまくるが嫌みがない。しかし若干ブラックな一面もある。

北一平/ご飯担当

クリエイティブチーム所属(中途入社)。デザイン事務所に勤務経験のあるデザイナー。新潟県出身。毎月実家からお米を送ってもらっている。おにぎり作りが上手い。

南郷正/はしやすめ担当

経理部所属(中途入社)。沖縄県出身。真面目で仕事でミスをしない。4人の中で最も健康への意識が高い。ぬか漬けや手作りスイーツを作って持参することも。妹と仲良しで、妹手作りのデコ電卓を愛用している。

ご飯会を始めるきっかけは?

そもそも「せっかくの華金なのに、なんで同じ会社の人と毎週ご飯食べてるの!?」と疑問に思う人もいるでしょうから、その疑問を解消すべく、持ち寄りご飯会を始めたきっかけを詳しく紹介します。

4人が勤めているミナト広告株式会社では、新卒の新入社員を対象に、毎年1か月にわたる新人レースが行われます。

これは、業務ごとにポイントが割り振られており、期間中に最も多くポイントを稼いだ新入社員に対し、その年の大きなプロジェクトに参加できる権利が与えられるというものです。

もちろん、おかずくんと東良くんが入社した時も開催され、2人とも参加しています。

レースで一位を狙うおかずくんは、ソツなく仕事をこなし、ポイントを着々と稼ぐ東良に対して対抗意識を燃やすあまり、無理がたたってイベント会場で倒れてしまいます。

その時、偶然居合わせた東良くんに代わってもらって静養することに。目が覚めると、そこはイベント会場ではなく、自宅である寮でした。目の前には、同期入社で中途採用組の北と南郷の2人が。

ちょうどそこへ、仕事を終えた東良が食材を持ち帰ってきます。お腹を減らしていたおかずくんはもらった食材でおかずを、東良はスープを作ることに。北は自分の家から炊いたご飯を、南郷は家にある作り置きのおかずを持ち寄って、一緒に食べることになります。

日々忙しく働く中で、料理する余裕がなかったり、お米を炊き忘れたり(!)することもあるという彼ら。

そこで北がこう言います。

じゃあさ、西尾クンがおかず、東良クンが汁物、南郷クンが小鉢、オレがごはん…って持ち寄りゃあ、利害一致だな!

引用元:「広告会社、男子寮のおかずくん」1巻p.50

この一言で、毎週金曜の夜に一緒にご飯を食べる会が始まったのです。

きっかけは、おかずくんが倒れたことでしたが、こうしてしっかりと食べる習慣を週に一度でも作ることで、自炊をするきっかけになるし、心も満たされるのだと思います。

マネしたくなる簡単レシピ

4人は自炊が上手。といっても作るのは、手の込んだフランス料理や何日も前から仕込みが必要なものということは一切なく、いい意味で“なんてことない”家庭料理。しかも、仕事の後にさっと作れるものがほとんどです。

例えば、肉じゃがを作る時にはすきやきのたれを使ったり、炊飯器で煮物を作ったり、簡単でマネしやすいレシピが盛りだくさん。しかも巻末に詳細なレシピを紹介してくれているので、作りたい!と思ったらすぐ作れます。

仲間への思いやり

仲の良さが伺えるエピソードも見どころです。ある時は五月病の仲間たちを心配して、南郷さんが率先して豚肉メニューを作ってみんなを元気づけることも。また、花粉症のおかずくんのために、花粉症のおかずくんのために、花粉症にいい料理を作って持ち寄ることもありました。おかずくんや東良くんが仕事で徹夜する時は、北さんと南郷さんが差し入れに行くことも。

そんな仲間への思いやりこそが、持ち寄りご飯会が続く秘けつではないでしょうか。

筆者が超個人的におすすめなのは、みんなで手を合わせて「いただきます!」と言うシーン。食べる前に「いただきます」を言える人ってポイントが高い気がします(あくまで超個人的な意見です)

お仕事エピソードもたっぷり!

広告会社として、不動産、アパレル、洋菓子店などさまざまな分野の広告に携わるおかずくんたちのお仕事エピソードも見どころです。

入社3年目のおかずくんや東良くんがちょっと厄介な新人の教育係になった時にどう対応するか、社外プレゼン前に社内で意見が分かれた時に、どう意見をすり合わせていくのかなど、仕事に真摯に向き合う姿勢は他業種の方が読んでも勉強になります。また、クライアントのやりたい広告では効果が見込めないと考えられる場合の提案方法や、デパートの閉店後にクリスマス仕様にする仕事風景も作中で取り上げられます。

読むだけで、広告とはこうして作られているのか…!と、いう新たな発見が得られるのが『広告会社、男子寮のおかずくん』のすごいところです。

公式サイトでは、試し読みや一部レシピの紹介も。電子書籍の購入などもできるので、ぜひご覧ください。

キャラの魅力満載のおまけマンガも必見!

広告会社、男子寮のおかずくん (全6巻) Kindle版