誰もが知ってる怪盗アルセーヌ・ルパン。日本では三世が有名ですが、その原作をご存じでしょうか。本家ルパンは1905年にフランスの作家モーリス・ルブランによって生み出されました。
『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』森田崇先生が現代人向けに読みやすいように再編し、原作の解説を交えたコラムまで掲載された贅沢な一冊です。イギリスの作家コナン・ドイルが産み出したシャーロック・ホームズと並ぶ稀代の大怪盗の活躍をぜひご覧ください!
ルパンとホームズ、生みの親の共通点
原作ルパンが公開されたのは1905年の「ジュ・セ・トゥ」誌。これが人気を博しましたが、この時ルブランは40歳。それまでは風俗小説を書きながら不遇の時期を過ごしていました。
コナン・ドイルも医師でしたが、開業しても患者が来ず、ヒマを持てあましていたために執筆をはじめ、ホームズが生まれました。どちらも不遇の時代があったんですね。
もう一つの共通点は主人公に相棒の伝記作家がいること。ホームズにはワトソン、ルパンにはモーリス・ルブラン本人がルパンから話を聞いて作品を仕上げていたのでした!
人の心理につけこむ変装
怪盗紳士とも呼ばれるアルセーヌ・ルパンといえば、盗む前に予告状を送りつけるという大胆不敵さが有名です。そして誰にでも化けてしまう変装技術!
ルパンの変装の魅力はアトロピン点眼薬を使って瞳孔を開かせるなど「科学的」に変装していることと、人の心理につけこみ惑わせることで「別人」になりきっているところです。
他人の皮をかぶってサクっと変装しているわけではなく、用意周到にセッティングした上で「他人と思いこませる」という心理テクニックに惹きつけられます!
最大の敵はやっぱり警部
怪盗はいつの時代も警察に追われるもの。原作ルパンの最大のライバルは、パリ警視庁国家警察部主任警部のガニマールです。
ルパンの第一話ではこのガニマール警部の推理により、あっという間にルパンが逮捕されてしまうのです。
しかし、ルパンは裁判前に脱獄を宣言。さてどんな脱獄劇を見せてくれるのでしょうか!?
若い頃にクラリスと結婚してたルパン
原作ではルパンが20歳の時に「カリオストロ伯爵夫人」と財宝を巡って争うのですが、そこで出会う美少女・クラリスと結婚し、のちに子どもも生まれてるんですね。宮崎駿監督のアニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』の逸話に触れるようで原作にも興味がわきますね!
さらに大人気マンガ『名探偵コナン』のヒロインの毛利蘭ちゃんは、原作ルパンの作者、モーリス・ルブランからきた名前なのです。これを知ってるとコナンくんと蘭ちゃんが一緒に事件を解決してるのを見るのがなんかうれしくなるのです。二人の名前は人気小説の原作同士ですからね!
原作ルパンの魅力が満載!
ルパンが書かれたのは100年前なので、現在の私たちには分かりにくいところがあります。原作の良さを生かしながら、現代人にも分かりやすく工夫されているのが『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』なんです。
森田先生の原作ファン目線の丁寧な解説や時代を感じさせる服装や建物のデザインも魅力の一冊。ぜひ、読んでみてくださいね!
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