恋する名画

みもと著

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『恋する名画』世界的な名画をモチーフにした女の子同士の恋物語

世界的に知られる名画をモチーフとして女の子同士の恋愛を描いたのが、みもと先生の描く『恋する名画』です。

みもと先生は美術館や博物館が好きでよく訪れていましたが、ある時なじみの美術館が閉館。鑑賞してくれる人がいなければ自分が好きな場所もいつかなくなってしまうと実感され、マンガを通じて応援したいという想いから『恋する名画』を始められました。

先生のTwitterでは各話の紹介もされているので、ぜひチェックしてみてください!

ピカソ「泣く女」

号泣している人の周りの緊張した空気感が物語では表現されています。彼女はなぜ泣いているのでしょうか。

恋する名画

「泣く女」は、ピカソの恋人ドラ・マールをモデルにした作品ですが、髪の毛の流れがキュビズムと呼ばれる手法で描かれた原画を思い起こさせます。

キュビズムとは、20世紀にピカソとブラックによって創始された新たな絵画様式です。 今までの絵画様式は1点の視点から作品を描いていたのに対し、キュビズムでは様々な視点から見た面を1つのキャンバスに収めています。

レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」

その微笑みが世界中の人を魅了し続けている「モナ・リザ」。モデルは絹商人の妻、リザ・デル・ジョコンドではないかと言われています。物語では美しい大人の女性に魅了される幼い女の子が描かれています。

恋する名画

2019年はレオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年でした。500年以上も絵が遺(のこ)っているなんて、すごいですよね。

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「グランド・オダリスク」

高校時代の先輩が描く絵が好きで、先輩のスランプ脱出に協力するためにひと肌脱ぐ後輩の物語です。

恋する名画

物語のモチーフ「グランド・オダリスク」は、長すぎる胴体や太すぎる大腿部が当時の批評家には激しく批判されました。ですが、これはアングルが追及した美の表現なのです。

岡本太郎「傷ましき腕」

大きなリボンを頭に乗せて目立った格好をしているのに、好きな人の前でも不器用な態度を取ってしまう女の子の物語です。

恋する名画

モチーフは「芸術は爆発だ」という名言で有名な岡本太郎の作品です。原画では腕にリボンが巻いてあるというより、ピンクの縞模様で腕が削れているように見え、異様な雰囲気を醸し出しています。

ジョン・エヴァレット・ミレー「オフィーリア」

決められた婚約者のいるお嬢様と彼女に従う執事の物語で、叶うことのない恋慕を描いています。

恋する名画

「オフィーリア」はシェイクスピアの名作「ハムレット」のワンシーンを描いた作品で、恋人のハムレットに父を殺され、狂気の末に溺死したオフィーリアの姿が描かれています。このシーンはミレー以外にも、アレクサンドル・カバネルやウジェーヌ・ドラクロワなど多くの作家が描いている人気の場面です。

グスタフ・クリムト「水蛇Ⅰ」

水の中で抱き合う二人の女性が描かれた名画を題材にした、仲のいい双子の女の子の物語です。似ているんじゃなくて同じなんだって思えるほど一緒だった二人ですが、片方に大切な人ができてしまい、切なく荒々しく揺れる気持ちが表現されています。

恋する名画

原画は連作となっていて「水蛇Ⅱ」という横サイズの大型作品もあります。色彩や装飾的なパターンの使い方がとても美しい作品なので、ぜひ原画も探してみてください。

クロード・モネ「ラ・ジャポネーズ」

美人でスタイルもいいハンナと、自分に自信のもてない地味娘はなめの物語です。

恋する名画

「睡蓮」でも有名な印象派の画家モネの作品で、金髪に真っ赤な着物を着て踊る姿がとても美しいです。しかしこの金髪、描かれている女性はモネの妻カミーユで元の髪は褐色。実は金髪のカツラを被らせて描いていたのです。モネは浮世絵のコレクターとしても知られ、200点以上の浮世絵が自宅から発見されています。

エドヴァルド・ムンク「マドンナ」

心を見透かしてくるような妖艶な美女との逃れられない関係を描いた物語です。「マドンナ」は聖母マリアを描いたものだと言われていますが、物語ではファムファタル(フランス語で「運命の女」)な女性に思いを馳せるようなストーリーになっています。

恋する名画

「叫び」で有名なムンクですが、この作品は「叫び」同様にタイトルの同じ物が複数存在します。

ジャン・オノレ・フラゴナール「ぶらんこ」

幼い子どもを抱えて離婚することになり、地元に戻ってきたところで出会った同級生からの不意の告白にときめいてしまう女性の物語です。

恋する名画

こちらは「ぶらんこに乗る愛人のスカートの中が見える位置に自分」を描いて欲しいという依頼を受けた画家が、自分で描かずにフラゴナールを紹介したことで生まれた作品です。原画では片方の靴が飛び、キューピッドが後ろで意味ありげにナイショのポーズをしています。

オーギュスト・ルノワール「ピアノを弾く少女たち」

ピアノの師弟として信頼し合っていた二人。恋人としての愛情なのか、大切な人への愛情との違いは何か。特別だけど性愛ではない。繊細に移ろう二人の愛情を描いた物語です。

恋する名画

原画では長い髪だった女性が、物語では決意を表すように短く切っています。また原画の二人の髪の明るさは物語とは逆で、立っている女性の方が濃い茶色の髪なんですね。そういった物語と原画とのちょっとした違いが、名画をオマージュしながらも、みもと先生によって新たな世界観として構築されているところが本書の魅力です!

マンガで鑑賞する絵画の世界

名前は聞いたことがあるけど、詳しくは知らなかった有名絵画。物語の終わりに解説や鑑賞のポイントも書かれているので、ぜひ読んでみてください!

😻美術館にも行きたくなる

恋する名画 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
みもと/著

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