恋せよキモノ乙女

山崎零/著

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恋せよキモノ乙女
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ももちゃんの選んだ着物についての解説

セリフ: 長月 【ながつき】九月、雨が多い月のため「長雨月」(ながめつき)など諸説ありますが、日増しに夜が長くなるという「夜長月」(よながつき)から転じたという説が 最も有力です。 第七話で登場した着物は、縞と葡萄(ぶどう)柄です。着物と帯と共に この時期の柄が凝縮された、柄オン柄のコーディネートです。 葡萄文様は西方からシルクロードを経て 奈良時代に中国から日本に伝来したと言われています。単体でも縁起の良いモチーフですが、子孫繁栄を意味する 栗鼠(りす)と共にデザインされた「葡萄栗鼠文」、奈良の正倉院にも残されている「葡萄唐草文錦」や「海獣葡萄鏡」など、他の柄と組み合わせた吉祥文様も多いです。 また「下がり葡萄」、「葡萄枝丸」など家紋としても使用されています。和装以外でも目にすることの多い 月と兎の組み合わせですが、諸説あるもののインドの「ジャータカ神話」がよく知られています。その昔、空腹で今にも倒れそうな老人のために、兎は火に飛び込み 自分の身を食べさせようとしました。実はその老人は帝釈天の化身で、兎を哀れみ、月にその姿を永遠に残したというお話です。また月の中の兎といえば、餅つきをする姿を 連想する方も多いと多いと思いますが、その起源は中国の神話にあります。 月に住む兎が不老不死の薬草を 杵でついているのですが、それが日本に伝わり満月を意味する望月(もちづき)から餅つきに変化したようです。着物スタイリストのコバヤシクミさんが、ももちゃんの選んだ着物について解説します! 次ぺージでは、毎月のお薦めコーディネートをご紹介♪ キモノ事始め 九月の装い コバヤシクミ