推しごとびより

はづき / 著

『推しごとびより』アイドルが好きなら、私たちがアイドルになっちゃえばいいじゃない!?

『まんがタイムきらら』にて連載中の作品『推しごとびより』のコミックス第1巻が2021年7月27日に発売されました!

はづき先生、おめでとうございます!

読んでいると誰かを褒めたくなる『推しごとびより』。

物語の中心にいるのは心町という、アイドルが大好きな高校2年生の女の子です。2次元、3次元問わずにアイドルをこよなく愛する彼女は、「推し(※1)」のためなら例え火の中水の中…どこへだって駆けつけます。そんな彼女がある日、実の姉から提案されたのは「心町自身がアイドルになる」ことでした!

(※1:「推す(推し)」とは、好きな人やものを応援すること!)

アイドルオタクとアニメオタクと同人作家と…

アイドルになる決意をした日、心町はクラスメイトのと一緒にいました。

学校ではクールでミステリアスな女の子として知られる空でしたが、心町と出会ったのはコラボ喫茶(※2)。そう、実は空も(2次元の)アイドルオタクだったのです。2人のオタクな気質を見込んで、心町の姉は心町と空の2人にアイドルオーディションへの参加を提案したのでした。

ただしオーディションの参加条件は、3人組であること。

残りのチームメンバーを探す2人は、学校の屋上で3人目のメンバーである柚葉と出会います。後輩の柚葉はアイドル向きの美少女。そして同時に、有名サークルの同人作家を務め「推し」活動をするオタクでした。はからずしも個性が豊かなメンバーを集めた心町は、仲間と共にアイドルになるための第一歩を踏み出します!

(※2:特定の人物や作品にちなんだ特別メニューを提供する期間限定のカフェ)

魅力はやはり…「推しごと」にあり!

アイドルを推したり、アイドルとして推されたりする本作のキーワードは「推し」です。

自分の好きな人を全力で応援し、好きなことをしている自分を応援してもらう。そんな活動はやはり素晴らしい。しかしそれだけでなく、推し推されの関係が仲間内で繰り広げられる、というのが本作の魅力を引き立てていると感じました。

とくに心町に関しては、ことあるごとにメンバーを褒めちぎっています。

自分はアイドルに向いてないと弱気の柚葉に「とっても可愛いし!」と素直な気持ちを伝え、好きな人を前に取り乱す空に対してでも「はしゃぐ空ちゃんも可愛いでしょ〜」と無条件に褒めちぎるのです。そんな心町の様子を見ていると、本作を読んでいるこちらにまで幸せな空気が流れ込んできました。

だからこそ心町の「仲間を推す」に、本作の魅力が込められているのだと感じられます。

身近な人(とくに友達)を褒めるのは少し照れくさいもの。しかし口にして貰えると、やっぱり嬉しいですよね。このもどかしい気持ちを、心町はカンタンに乗り越えてしまうのです。

当たり前にすべきことを、当たり前にできる。そんな気恥ずかしくも真っ直ぐな心町と、彼女を支える個性豊かな仲間たちの「推しごと」は世界を平和にするのでは…!?そう思わずには居られない作品です!

推す側の自分と、推される側の自分と

アイドルオタク、2次元オタク、同人作家…などなど、個性豊かなグループの活動は緩やかながらも順調に進んでいきました。しかし、物語が進む中でひとつ大きなアクシデントが起こってしまいます。

それは「推しごと」のバッティング。

自分たちのアイドル活動と、推しを応援するための活動の日程が重なってしまったのです。みんなに元気を与えたいけれど、推しから元気を貰えなければ頑張れない…!(切実!)推すことも推されることも全力で楽しみたい心町たちは、立ちはだかる大きな壁に対してどのように立ち向かうのでしょうか。

心町たちが真剣に「推しごと」と向き合う姿を、ぜひともご覧ください!

今日も元気に「推しごと」へ!

推しごとびより 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
はづき/著