ヤングアニマルZEROにて連載中の『数学ゴールデン』をご存じでしょうか。最新第2巻が2021年2月26日に発売された、数学に青春全てを捧げる高校生達のアツく純粋な物語です。
🏅数学ゴールデン 2巻🏅
\2月26日(木) 発売!!/
📣今回!書店特典あります!
(詳細は、下のツイート↓)
Amazon→https://t.co/HcY1IzAtrn
1話試し読み→https://t.co/4Wplt6uEWK
黒ブチメガネや金髪少女の数学青春爆発漫画✨✨
数学好きな人も、そして、好きになれない人も。よろしくです👫 pic.twitter.com/qDxvGW6j8O— 藏丸竜彦(2月26日→数ゴル2巻発売だす✨) (@ta2hikodesu) February 14, 2021
小野田春一の夢は「数学オリンピック」の日本代表。彼は、第一志望の高校に落ち入学した「そこそこ」の進学校で、同じく数学を愛する七瀬マミに出会います。
一人で数学と向き合っていた春一の世界は七瀬との出会いを境に広がっていきます。問題を解くのは一人ですが、気持ちを同じくする仲間がいたのです。
「数オリなんて」馬鹿にされても諦めない
教師も同級生も彼らが真剣に数学オリンピック代表を目指すことを馬鹿にします。「数オリなんて」と言い捨てる彼らに、七瀬は数学を解く楽しさについてこう言い返します。
いっぱいいっぱい考えて ギューッとこんがらがって あ これかなって思ったとき なんだか頭の中が ほどけてく感じがするから
数学でもクイズでも忘れてたものを思い出した時でも「わかった!!!」というあの感覚、確かに気持ちがいいものですよね。「難問」と呼ばれるものが解けた快感はどれほどのものなんでしょうか。
物語の中で描かれる「わかった!!!」の瞬間は、そこまでの苦悩とも相まって思わずこちらも嬉しくなってしまうほどの喜びに溢れています。
夢を追う大変さ、でも「解きたい」
夢を追い、人と競うことには苦しみがついてくるものです。彼らの数学にかける思いを応援する側の立場にいる人でさえ「憧れだけじゃ戦えない」という厳しい現実があることを春一に告げるのです。
ましてや、春一は数学の世界において天才とは決して呼べない凡人かもしれません。才能がある者や自分よりも現時点で優れている人に出会い、これまでの自分の努力や将来の可能性を信じられなくなる瞬間が訪れます。
しかし、そこでも彼らは決して諦めないのです。今まで一人で立ち向かっていた数学に、今度は仲間の力を借りながら立ち向かう。自分がこれまで積み上げてきた論理や思考をぶっ壊してでも食らいつく。そうさせるのは、全て立ちはだかる「難問」を解きたいというその一心なのです。
実際に数学問題に挑戦(解説付き)
aを整数ではない正の実数とする。 1. すべての自然数nに対してnaの整数部分の偶奇がnの偶奇と一致することはあるか? 2. すべての自然数nに対してa^nの整数部分の偶奇がnの偶奇と一致することはあるか?
上記の問題をみた時、「解いてみよう!」と思ったでしょうか?日常生活でこの問題が出されたとして、私は正直「えー、解けないよ。解かなきゃいけないの?」と思ってしまいます。
しかし『数学ゴールデン』を読んでいる途中にこの問題を目にした時なんだか解ける気がしましたし、「解けたら気持ちよさそう」「もしかしたら」と思いいつしか問題文を追っていました。主人公たちの「数学熱」に読者の私も見事にあてられてしまったのです。
結果としてちっとも解けなかったわけですが、問題をあれこれこねくり回して考える過程も、少しずつ解答に迫っていっている予感(結局気のせいでしたが)も私をワクワクさせてくれたことは確かです。
次ページには解説が掲載されていますので勇気あるチャレンジャーだったあなたは答え合わせをしてみてください。その解説も十二分に難しいのですが、試しに解いてみたことで主人公たちが数学に立ち向かう状況を追体験できたのではないでしょうか。『数学ゴールデン』を2重に楽しむワザ、それは問題に挑戦するという3Dの読書方法なのです。
難しい数学の世界に没頭し、今日も難問に立ち向かっている人たちがいます。ぜひ、彼らの等身大の姿を描く本作を読んでみてください!