前作『明治緋色綺譚』から5年。幼かった鈴ちゃんが15歳の可憐な少女になって戻ってきました!
遊郭から身請けされた鈴ちゃんも可憐に成長し、ついに長年の想い人、呉服屋の長男・藤島津軽に気持ちを告げます。しかし、津軽は鈴ちゃんには何も告げず仏蘭西(フランス)へと旅立ってしまいます。その裏には津軽の学生時代の恋人の陰が…。
長年の想いを伝える鈴
子ども扱いされるばかりでなかなか女性として見てもらえなかった鈴ちゃん。積み重なった想いをついに伝えることに!
煮え切らない津軽ですが、友人の河内の勧めでなんとなく「お試し」でお付き合い始めることに。
いつも通りのはずが、ちょっと緊張しつつお付き合いらしきものを続ける鈴ちゃんと津軽。しかしその直後、鈴ちゃんを残して津軽は失踪してしまうのです。津軽が鈴ちゃんに残した言葉は「待たなくていいよ」でした。
ミステリーの舞台は海外へ!
津軽には露西亜密偵(ロシアのスパイ)の疑いがかけられていることが明らかになります。そういえば以前、怪しげな人たちと津軽が密会していたことも。鈴ちゃんは津軽の身に何が起こっているのか気になってたまりません。持ち前の行動力を生かし、華族の河内を頼りながら、津軽を追いかけ船で仏蘭西へと向かいます。
幼い頃は猪突猛進だった鈴ちゃんも、繊細に落ち込みながらも成長する大人の女性になりました。一生懸命な鈴ちゃんを応援したくなります。
洋装も最高に可愛い!
当時の時代感や衣装にも凝った本シリーズ。今回は海外編なこともあって、鈴ちゃんの衣装もレースを使った愛らしいデザインの服装がたくさん。髪型や帽子など小物も素敵なので、ぜひチェックして欲しいです!
単行本のカラー絵もいつも本当に綺麗なんです。
津軽のかつての恋人「ひな」
津軽が海外にまで来た理由には、学生時代の交際相手「ひな」の存在がありました。海外にまで追いかけるなんて、津軽はまだ彼女のことを想っているのでしょうか。
鈴ちゃんと血の繋がりのない兄・春時も、鈴ちゃんへの想いを徐々にあらわにし始めます。
鈴ちゃんを巡る恋模様だけでなく、ひなが関わる国家機密に関わる謎も緊迫して見逃せません。ぜひ、『明治緋色綺譚』と合わせて楽しんでください!