束の間の一花

タダノなつ

『束の間の一花』待望の最新刊2巻発売!余命を宣告された2人が「束の間」の恋愛と命をかけて向き合う

余命宣告を受けた2人が織りなす美しくも切ない恋愛を描いた『束の間の一花』。作者のタダノなつ先生が作品の試し読みをTwitterに投稿した際は、16,000以上もリツイートされ「泣ける作品」と大きな話題となりました。

そんな『束の間の一花』の最新刊となる第2巻が6月23日に発売されました。タイトル通り「束の間」の恋愛を育む2人ですが、2巻では容赦無く病魔が2人を蝕んでいきます。

今回は、物語が佳境へと入りますます注目を集める『束の間の一花』についてご紹介します。

先生と私の「束の間」の恋

医師から宣告された余命が過ぎ、不確かな命を抱えながら大学に通う主人公・千田原一花。周囲に心配させまいと病気に気をかけないようにしながらも、未来には希望が持てず淡々とした日々を送っていました。

そんな一花の世界を変えたのは、大学の哲学講師・萬木昭文でした。先生の人柄に惹かれた一花は、萬木の授業を選考し、積極的に声をかけにいき一緒に多くの時間を過ごすようになります。

萬木といる時だけ病気のことを忘れて幸せなひと時を過ごす一花でしたが、萬木はある日突然一花の前から姿を消してしまうのです。

それから3ヶ月後、一花は恋焦がれていた萬木と偶然再会を果たし、萬木が自分と同じように病気を抱え余命宣告を受けていることを知ります。

萬木と再会したことで再び燃え上がる一花の気持ち、一方で死を覚悟して1つずつ自分の大切なものを手放そうとする萬木。余命を宣告された2人が、迷い苦しみながらも「束の間」の恋愛と命をかけて向き合う物語です。

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一花を見守る家族の愛と迫り来る現実

シリアスなテーマですが、一花と萬木が一緒に過ごすシーンは余命宣告を感じさせないほど温かでキュンとする恋愛マンガそのもの。また、一見すると明るい一花に萬木が救われているかのように感じますが、萬木への恋心に生きる希望を見出して気丈に振る舞う一花の姿に胸を打たれます。

そして、最新刊となる第2巻で注目してほしいのは、一花を見守る家族の愛容赦無く2人に襲いかかる現実です。

萬木と幸せな時間を過ごす一方で着実に一花の身体を蝕む病魔。そんな一花を誰よりも心配していたのは弟である大樹でした。これ以上一花に心労をかけたくないあまり萬木との関係を断つように促す大樹ですが、果たしてこれが一花にとって本当に幸せなのかと葛藤します。

本作は一花と萬木の儚い恋愛模様を描いた作品ですが、余命宣告をされた家族の悲しみ、そして葛藤も丁寧に描いており、恋愛マンガの枠を超えたヒューマンドラマとしての魅力を感じさせます。

後半では、容態が萬木の容態が急変し残酷な現実が2人に迫ります。1巻までの雰囲気と一変し、心苦しい展開が待ち受ける第2巻。現実に直面した2人の覚悟、そして命懸けで向き合う姿にぜひ注目してください。

タダノなつ先生自身の死生観を感じる一作

束の間の一花』は、マンガアプリ「Palcy(パルシィ)」で連載をしていたオリジナル作品で今年の4月に完結しています。

作者であるタダノなつ先生は、本作の執筆中に体調不良により約1年間の休載を挟みながらも一花と萬木の物語を描き切りました。入院や手術、そして自宅での療養を経て作り上げた『束の間の一花』には、先生自身の死生観が強く反映されているのではないでしょうか。

最終巻となる第3巻は2021年8月に発売予定です。​残りの生に向き合い、力強く生きる一花と萬木の物語を見届けてください。

束の間の一花(2) (パルシィコミックス)
タダノなつ/著

記事内画像はPRtiemsよりhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003355.000001719.html